中村勇吾の言語、河瀬大作のタブー、箭内道彦のリアル。(敬称略)Vol.3
Copywriter / Planning Director 川見航太
思えば、「編集」というクリエイティブについて
僕が興味を持ったひとつのきっかけは、箭内道彦さんでした。
2012年の、タワーレコード渋谷店のリニューアルキャンペーン。
そのときに作られたコンセプトムービーにヤラれたのです。
タワレコ前もスペイン坂もカフェも八百屋もある。
パルクールもラッパーもギタリストもボイスパーカッションもいる。
「渋谷にいること」の世界観が一瞬で入ってきました。
ものすごく、高揚したわけです。
エグゼクティブクリエイティブディレクターはもちろん箭内道彦さんですが、
クリエイティブディレクターのクレジットは「SOMEONE’S GARDEN」。
Webのaboutには、
「フリーペーパー『サムワンズガーデン』の発行をはじめ、
デザインからアイデア、アプリ開発から編集、取材、出版まで
幅広く請け負うCreative Agency。」とあります。
カッコいい、と単純に思いました。
クライアントワークも含め、活動がとてもコンセプチュアル。
そこから「編集者」が気になるようになり、
“コンポジット”“インビテーション”“はじめての編集”の
菅付雅信さんを知るようになり、スパルタ編集塾の受講に至りました。
フリーペーパー『風とロック』もそうですが
「ふつうの人には見えないものを見る視線を発見し、
それをギャップのある市場に対して提示すること」
が編集なのかなと、講義を終えて一ヵ月が経ったいま思います。
その考え方はすごく汎用性があり、論理的なので再現性がある。
視点から視線へ。視線から視界へ。
「NO MUSIC, NO LIFE.」は、個人的ベストコピー。
中学の頃に見たポスターは、すでに答えを知っていました。
■ Vol.3 風とロック クリエイティブディレクター 箭内道彦氏の講義にて
箭内道彦さんからの課題は
「箭内道彦の新連載の企画を考えよ」。
# 箭内さんが今まで付き合いのある雑誌、ない雑誌を問わず考える
# その後の単行本化、広告との連動、箭内さんの個人活動との連動、など
様々な可能性を考慮して、プレゼンしてください。
でした。
自分なりに設定した企画のポイントは、3つありました。
◎ 「本当の動機」から逃げない。 ◎「難しい問題」から逃げない。 ◎ 「ユーモア」から逃げない。
企画していて逃げ場がなくなり、途中は苦しかったですが、
「ちゃぶ台」という言葉を思いついたとき、道が開けました。
これは、企画についての話を聞いてくれた年下の友人のおかげでもあります。
その言葉を思いついて口にしたとき、場がパっと明るくなった。
それで、いけると思いました。
この一ヶ月後、箭内道彦さんは、
福島県のクリエイティブディレクターに就任されました。
(もちろん、講義のときはまったく触れられていなかったですが。)
箭内道彦賞をいただいたときの講評で
いちばん嬉しかった言葉は、
「これは本当に僕がやることだと思う。そのときのために抱き込んでおくよ」
もちろん、笑いながらでしたが。
NO MUSIC, NO LIFEの頃から、福島での活動まで、
クリエイターとして変わらない視線を感じました。
「そのとき」のために、僕も仕事をしつつ、世の中を見ていようと思います。











