走り切る、あるいは駆け抜けることについて
この3ヶ月、Leo-Wonderという2人組のアイドルグループのライブをちょくちょく観に行っていた。初めて観たのが今年の7月16日のことだから、ライブを楽しむようになったのはつい最近のことだ。
その7月のライブには亜利美里さん目当てで行っていて、対バンライブのメンツとして偶然Leo-Wonderを観ることができた。めちゃくちゃカッコよかった。曲よし、歌よし、ダンスよし。清冽な風のようなイメージをフロアに届ける2人組。期せずしてそんな2人のパフォーマンスにと楽曲に感銘を受け、現場を一つ増やすことにしたのだった。
Leo-Wonderの存在は前から知っていた。メンバーのrinさんがソロの鳥嶌鈴さんとしても活動していて、そのステージをコロナ前に何回か観ていたこともあり、彼女が「コロナ禍」まっただなかにLeo-Wonderに加入したことも一応把握していた。そして彼女が加入した第2期Leo-Wonderが3人でスタートしたことも。
とはいえぼくは2人のLeo-Wonderしか知らない。しかも活動休止を公表した後になって初めてステージを観るという何とも間の抜けた事情もあり、数えてみればわずかに9ステージを楽しませてもらったにすぎない。
そんな間抜けな自分がなるべくライブを観に行くようになったのも、活動休止の情報が無意識のうちに作用した結果なのだろうとは思う。それでも大前提としてライブが楽しく、心に響いてくるものがあるからこそ観られるだけ観ようと思ったのも事実で、そうでなければ鳥嶌さんのソロアイドルとしてのラストライブを観に小松まで出かけることもなかったような気がしている。
思い起こせば、7月の対バンは不思議なめぐり合わせだった。すべてが対バンでつながっているのだ。コロナ以前に鳥嶌鈴さんがソロで歌っている姿を初めて観た場にしても、その時もやはりお目当てが別にいた対バンのライブだった。
その当時のぼくのお目当だった前田彩里さんは、2019年の年末に芸能活動を引退した。そして年明けには「コロナ禍」がやってきた。「禍」によって多くの人たちの行動が制約されるにつれスケープゴートを求める「空気」が世間に充満して、ライブ文化にとっては危機的状況となった。「禍」の当初、様々な夜の盛り場と同じように、ライブハウスとそこに集う人々もまた不当に突出して叩かれる状況となったのである。それは疫禍のガス抜きのための見せしめという醜悪な人災に違いなかったのだが、ぼくはその状況に納得が行かず、前田さんの引退にもかかわらずアイドルさんたちの現場から他界せず意地になってあちらこちらへと漂っていた。気が付けば、やはり前田さんの引退以前から対バンで知っていた亜利美里さんのところへ通うようになっていた。そこへ来ての今年7月の対バン。ああ、やっぱり鳥嶌鈴さんだ――。
アイドルさんのライブ文化は百花繚乱の状況にあるが、対バンはなくてはならないイベント催行の形式ともなっている。だからこそありえた機縁。対バンがなければLeo-Wonderの活休ライブにいたる数回のステージを集中して観ることもなかった。偶然とはいえその縁に出くわすことができてよかったなと思う。
Leo-Wonder presents 3rd Anniversary “Signs”。9月24日に開催されたLeo-Wonderの活動休止となるライブ。ゲストのNaNoMoRaLとSZWARCのライブも楽しく、主催のLeo-Wonderも、楽しく、美しいステージを全力で作り上げていた。しめっぽい感じは一切なく、それがかえって印象深いライブだった。こういう区切り方もあるのだなと感嘆して、帰りがけにひとり飲んでヘベレケになってしまった。
活休ライブののち、Leo-Wonderのrinさんは「またここに帰って来れて、ここで最後走り切れてよかった!!!neneと出会えて、一緒でよかった〜〜本当に!」、neneさんは「最後まで一緒に駆け抜けたrin」と記した。自分は活動休止が決まってからちょろっとしかライブを拝見できていないのだけれど、2人の(あるいは3人の)Leo-Wonderはメンバー自身が言うとおり全力で駆け抜け、走り切ったのだろうと思う。だからこそライブがあんなにも楽しかったのだ。少しでも目撃できたのは僥倖だった。
最後に。こう言えばとってつけたようになりますが、お二人の前途が明るいものであるよう祈念しています。楽しい時間をありがとうございました。





