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Mutable Instruments BraidsをDIYする
モジュラーシンセのデジタルオシレータとして人気のBraidsというモジュールがあります。開発元のMutable InstrumentsはBraidsの生産をすでに終了しているのですが、基板やパネルはオープンソースで公開されており、それらを入手してDIYすることが可能です。ということで、DIYしてみました。
Mutable Instrumentsのモジュールの多くは、ハードウェアの設計図やファームウェアのソースコードがGitHubで公開されています。
ファームウェアのライセンスはGPL3.0/MITライセンス、ハードウェアについてはCreative Commons のBY-SA 3.0ライセンスになっており、いずれも商用利用も含む自由な利用/再配布/改変が許可されています。
これによって第三者が勝手に製品を改良したり、改良したものを販売することが可能になっており、実際に第三者による改造ファームウェアなども公開されています。また、Braidsのように生産終了された製品についても第三者が製造を行うことで入手可能になるというメリットもあります。ただしMutable Instrumentsという名称については商標登録されているので第三者が勝手に利用することはできません。また、派生物を流通させる際には名称を変えることが推奨されています。
さて、こういったライセンスで設計図やソースコードが公開されているため、いくつかのネット通販サイトがこれら製品のパネルや基板を作って販売しています。その1つがmagpieという通販サイトです。
このサイトではMutable Instrumentsの各製品の基板やパネルなどが販売されています。また、「micro modular」と名付けられている、Mutable Instrumentsなどのモジュールを独自に小型化した基板やパネルも販売されています。
micro modularシリーズも興味深いのですが、残念ながらBraidsの小型版であるmicroBraidsの基板は売り切れとなっていたため、今回はオリジナルのBraidsと同等の基板(7ドル)と、magpieオリジナルのブラックパネル(33ドル)を注文してみました。ちなみに、とりあえず安く作りたいという方向けにはサンドブラスト仕上げでないパネル(23ドル)や、塗装されていないパネル(8ドル)といった選択肢もあります。送料は8ドルで、合計48ドル。発送は迅速で、1月26日に注文して2月7日に到着しました(普通郵便で郵便受けに入れる形で届きました)。
部品の調達
さて、Mutable Instrumentsの製品は現代のデジタル製品らしく主要部品はほぼ表面実装部品となっています。また、プロセッサ部分は0.5mmピッチ(間隔)で配線されており、組み立て難度はかなり高いと思われます。とはいえ、0.5mmピッチ部品は2点のみなので、半田付けのコツを掴んでそこさえクリアしてしまえば十分DIYは可能です。
部品に関しては秋葉原で入手することは難しいものばかりなので、mouserで注文しました。有志がまとめたMutable Instruments製品のDIY情報スプレッドシートが公開されており、このシート内の「Mouser project」リンクから、必要な部品をまとめてカートに入れられる部品リストページを開くことができます。
このシートには回路図PDFをダウンロードできるリンクも用意されているので、そちらもダウンロードしておきましょう。Eagle(基板エディタソフト)用の基板データファイルへのリンクもあります。 Eagleが利用できるのであれば配線の確認などができるので、こちらもダウンロードしておくと良いかと思います。
なお、自分がチェックした時点ではいくつかの部品が在庫なし/購入不可となっていたため、次の部品は秋月電子で購入できる別のものに置き換えています。どれも一般的な部品であるため、mouser上でも探せば同等製品が入手可能と思います。
トランジスタ MMBT3904LT1G(Q1、Q2、Q3、Q4、Q6) → 2SC3325
チップコンデンサ GRM188F51C474ZA01J(1608サイズ、0.47uF) → 1uFのものに置き換え
チップコンデンサ GRM188R61C104KA01D(1608サイズ、0.1uF) → GRM188F11H104ZA01
チップコンデンサ GRM1885C1H470GA01J(1608サイズ、47pF) → GRM1882C1H470JA01
チップコンデンサ GRM1885C1H180JA01J(1608サイズ、18pF) → GRM1882C1H180JA01
また、チップ抵抗は10個未満だと単価31.5円ですが10個以上だと単価4.4円になるので、チェックして数量を変更しておくと(わずかですが)お得になります。
ボリュームポット(可変抵抗器)と3.5mmフォーンジャックについてはこのリストに入っていないので、別途追加して注文する必要があります。ボリュームポットについてはP0915N-FC15BR10Kを使用しました(必要数量は6)。パネルの穴サイズを見る限り、(未確認ですが)径の大きいALPSの日本製のボリュームポットでも使えそうです。
フォーンジャックはmouserでは取り扱いがないタイプですが、モジュラーシンセ自作では定番のタイプでThonkなどで購入できます(こちらも必要数は6)。また、100個単位でよければAliexpressなどでも購入可能です。
そのほか、ツマミも必要です。適当なものでも良いですし、オリジナルに近いものはThonkで購入できます。
これらも合わせて部品代トータルはおよそ6,000円強となりました。mouserでは6,000円を超えると送料が無料になるので、もし6,000円未満になるようでしたら適当に他のものも合わせ買いして6,000円以上になるよう調整することをオススメします。また、mouserは基本的にUPSでの即日発送なので、発送後2、3日で届きます。
組み立て
組み立て作業はプロセッサの半田付けがやや大変ですが、それ以外は表面実装部品の扱いに慣れていればそこまで難しくはありません。とはいえそれなりに部品点数はあるのでそこそこ作業時間はかかるかと思います。自分の場合、トータルで5、6時間ほどかかりました。
ファームウェアの書き込み
ファームウェア書き込みについてはMutable Instrumentsのフォーラムに情報があります。これによると以下の3種類の方法があるようです。
wavファイルを使った方法
FTDIのUSBシリアル変換器経由
JTAG経由
今回はArduinoのファームウェア書き込みなどでもよく使われる、FTDIのUSBシリアル変換器経由での書き込みを選択しました。FTDIのUSBシリアル変換器は秋月電子で購入できます(980円)。使用時にはスイッチ2を「OFF」にして使用電圧レベルを3.3Vにしておきます。5Vで使うとプロセッサが壊れる可能性が高いので要注意です。
Braidsのファームウェアは、有志によってコンパイルされたものが公開されています。USBシリアル変換器経由で書き込む場合は「braids_bootloader_combo.bin」を使用します。
なお、本来このように誰が公開しているのかよく分からないプログラムをダウンロードして利用することはセキュリティ上問題となる可能性があるため厳禁ですが、Braidsの場合はネットワーク機器ではなく、万が一不正なプログラムであっても与えられる損害は限られるため、あまり気にせずにダウンロードして利用しています。
ファームウェアの書き込みには「stm32loader」というプログラムを使います。
stm32loaderはCUIベースのプログラムなのでターミナルでの操作が必要です。また、別途Pythonも必要となります(macOSならPythonがインストール済みなのでそれを利用可能)。stm32loaderはpipというPython用のパッケージマネージャ経由で入手できます。
macOS 10.12(Sierra)ではそのままではpipが使えなかったので、次のようにしてインストールします(要管理者権限)。
$ curl https://bootstrap.pypa.io/get-pip.py | sudo python
pipをインストールしたら、次のように実行してstm32loaderをダウンロード/インストールします。
$ mkdir -p $HOME/local/lib/python2.7/site-packages $ export PYTHONPATH=$HOME/local/lib/python2.7/site-packages:$PYTHONPATH $ pip install --install-option="--prefix=$HOME/local" stm32loader
これで、~/local/binディレクトリにstm32loaderがインストールされます。また、「~/local/bin/stm32loader -h」と実行することでヘルプを確認できます。
$ ~/local/bin/stm32loader -h
Usage: /Users/***/local/bin/stm32loader [-hqVeuwvrsRB] [-l length] [-p port] [-b baud] [-P parity] [-a address] [-g address] [-f family] [file.bin] -e Erase (note: this is required on previously written memory) -u Unprotect in case erase fails -w Write file content to flash -v Verify flash content versus local file (recommended) -r Read from flash and store in local file -l length Length of read -p port Serial port (default: /dev/tty.usbserial-ftCYPMYJ) -b baud Baud speed (default: 115200) -a address Target address (default: 0x08000000) -g address Start executing from address (0x08000000, usually) -f family Device family to read out device UID and flash size; e.g F1 for STM32F1xx
-h Print this help text -q Quiet mode -V Verbose mode
-s Swap RTS and DTR: use RTS for reset and DTR for boot0 -R Make reset active high -B Make boot0 active high -u Readout unprotect -P parity Parity: "even" for STM32 (default), "none" for BlueNRG
Example: /Users/***/local/bin/stm32loader -e -w -v example/main.bin
stm32loaderの準備ができたら、まずBraidsを電源に接続し、その上で基板左側の「SYSBOOT」ボタンを押しながら「RESET」ボタンを押します。これでファームウェアへの書き込みが可能になるので、続いてUSBシリアル変換器を接続します。基板背面に直線上に並んでいる6ピンヘッダが変換器の接続端子です。基板上に書かれている「GND」と変換器の「GND」が一致する方向に接続します。
変換器を接続したら、次のようにコマンドを実行します。
$ ~/local/bin/stm32loader -V -p /dev/tty.usbserial-A1032GES -b 115200 -e -v -w braids_bootloader_combo.bin
なお、「/dev/tty.usbserial-A1032GES」の部分は環境によって変わりますが、macOS環境であれば「/dev/tty.usbserial-」まで入力してTabキーを押すと適切に補完されるはずです。
書き込み・検証が終わったら、再度「RESET」ボタンを押します。問題なければLED部分に「CSAW」と表示され、オシレータとして利用できる状態になります。
USB-MIDI/CVコンバーター「CVpal」(のクローン)を作った
安価なUSB-MIDI/CVコンバーターとして有名なCVpalのクローンの基板がSynthrotekで安く売られていたので買って作ったところ、色々とハマったというお話です。
このCVpalですが、基板デザインは無料で公開されており誰もが自由に利用できるようになっています(商用利用も可能)。今回買ったものは、これをSynthrotekの中の人が「SOUND STUDY」というブランドで勝手に基板化したものです。ちなみにマイコン部分のプログラムはCVpalのものそのままなので、PCに繋ぐと機器名として「CVpal」と表示されます(プログラムは公開されているのでそれくらい変えれば良いのに……)。
完成品や部品全部入りのキットもありますが、コスト的には部品は自前で揃える方がお安いので今回は基板、パネル、プログラム書き込み済みICのみのセットを購入。お値段は12.99ドルでした。
部品の選定
基板+パネル+ICのセットの場合、部品は自前で揃える必要があります。幸いすべて秋葉原で入手可能で、それぞれ入手先は次の通りでした。
金属皮膜抵抗:千石電商(バラ売りで購入可能)
コンデンサ:千石電商もしくは秋月電子(千石電商ではバラ売りで購入可能)
ツェナーダイオード:秋月電子(後述するが選定には要注意)
LED:千石電商もしくは秋月電子
ICソケット:秋月電子
IC(MCP4822):マルツパーツ
3.5mmジャック:千石電商(マル信無線電機・MJ-148Dが利用可能)
USBコネクタ:秋月電子
水晶発振子:秋月電子(後述するがコンデンサとの組み合わせに注意)
インダクタ:秋月電子
マイコンはキットに付属していますが、購入が必要な場合は(通販になりますが)共立エレショップで入手できます。
「3.5mm Mono Right Angle Jack」は公式の部品リストでは「CUI Inc. MJ-3536」となっていますが、日本において入手性の良いマル信無線電機のMJ-148Dがそのまま加工なしで使えます。
また、使用する水晶発振子に応じて水晶発振子横のセラミックコンデンサ(C2、C3)の容量は変えることをオススメします。秋月電子で販売されているものを利用する場合は22pFで問題ないですが、千石電商で販売されているもの(KDK製のもの)を利用する場合15pFを使用します(要するに水晶振動子の仕様書に書いてある値に近いものを選べということ)。この値が異なると、マイコンの動作クロックが微妙に変わり、それによって動作が不安定になる可能性があります。
電解コンデンサは直径が6.3mmのものを選択すると基板の穴にジャストに収まります。千石電商で販売されている25V/100uFの電源用のものがこのサイズでした。
そして最も重要なのが、ツェナーダイオードは3.6V・0.5Wのものを選ぶことです。公式部品リストには記載されていませんが、千石電商で売られている1Wのものを使うと正しく動作しない可能性があります(理由については後述)。
実装
基板への実装については特に難しいところはありません。背の低い部品から半田付けしていけば、半田付け初心者でも特に難なく完成させられると思います。自分の場合、30分ほどで完成させられました。
機能
SOUND STUDYの製品ページは説明不足なので、CVpalのユーザーマニュアルを見ましょう。送信するMIDIチャンネルによって動作が変わります。例えば1chに送信すると、OUT1からノートナンバーに対応する電圧が、OUT2からベロシティに対応する電圧が、GATE1および2からはゲート信号が出ます。2chに送信した場合、1chと似た動作となりますが、GATE1からはノートに対応した周波数の矩形波が出ます。そのほかコントロールチェンジ信号を出したり、ドラム用のトリガー信号を出したり、クロックを出したりできます。また、ch15と16では出力電圧のキャリブレーションが行えます。
ツェナーダイオードの選定を間違えると正しく動作しない
さて、このCVpal、工作自体は簡単なのですが、自分が作ったものは当初うまく動作しませんでした。マイコンICの問題かと思いICを別途購入したり、プログラムを再度書き込んでみたりもしたのですが、結論から言うと、ツェナーダイオードの選定が問題のようです。
USBでは信号のやりとりに3.3Vの電圧を使用します。一方、CVpalではマイコンICを5Vで駆動させているため、マイコンの信号出力も5Vになります。そのため、マイコンからの出力をUSBの信号線に流す前に5Vから3.3Vに変換する必要があります。ツェナーダイオードはこの役割をしており、回路的には次のようになっています。
ツェナーダイオードは、加えられた電圧が一定以下の場合は電流を通しませんが、電圧がある閾値を越えると突然電流を流すようになります。今回は3.6Vのツェナーダイオードを使用しているので、ツェナーダイオードに加えられた電圧が3.6Vを越えると電流が流れて電圧が降下します。この仕組みを使って、ICから出力された5Vの信号を3.3V以下の信号に変換しています。
ただし、この回路では抵抗Rの値やUSB信号線に流れる電流によってツェナーダイオードに流れる電流が変化し、最終的な電圧はツェナーダイオードの特性によって変化するようです。
と言うことで、実際に1W/3.6Vのツェナーダイオードと0.5W/3.6Vのツェナーダイオードを使って次のような同等の回路を作り、電圧を計ってみました。
USBのD+とD-の間の抵抗は規格上は90Ωですが、手元になかったので100Ωで代用しています。
こうやって測定した結果、1Wのツェナーダイオードを使った場合の電圧は約2.69V、0.5Wの場合は約2.88Vとなりました。USB Low-Speedの場合、Low Stateの電圧が<0.3V、High Stateの電圧が>2.8Vとのことなので、1Wのツェナーダイオードを使用した場合の2.69Vだとこの基準電圧に足りず、適切に通信できない可能性があります。
ということで、1Wのツェナーダイオードを使ってしまったために当初はまともに動かないというトラブルに見舞われた模様です。なお1Wのツェナーダイオードはリード線も太く、取り外す際にホールを壊してしまったために最終的にはこんな感じで配線する羽目になりました……。
モジュラーシンセ・キット自作のススメ(2)〜部品選定編〜
モジュラーシンセに手を出して色々自作してノウハウも貯まってきたので、色々と吐き出していこうという連続記事の2回目です。今回は自作の際に注意したい部品について解説します。
モジュラーシンセ・キット自作はコストパフォーマンス的に魅力的ですが、こういったキットはほぼ海外製ということで、日本では入手しにくい部品を使うものがあります。そこで、キットでよく使われる部品のうち日本での入手が容易なもの、困難なものを種類別にご紹介します。
1. 抵抗
使っていない回路は存在しないと行っても過言ではない部品。ということで、日本でもほぼ確実に入手できます。千石電商が豊富に在庫しており、少ない数から買えるのでおすすめです。
一般的に使用するのは1/4Wのもので、精度が高くないカーボン抵抗は1本5円程度、高精度で低ノイズの金属皮膜抵抗は1本20円程度。1k/10k/100kあたりは多用するので、安くなる100本単位でのまとめ買いをおすすめします。
サイズは通常サイズのものだけでなく、小型サイズのものもあります。通常は小型サイズのものを使いますが、時々小型サイズのものを使うキットもあります(写真下のものが小型サイズの抵抗)。サイズについては部品リスト(BOMと呼ばれる)には書いていない場合があるので、基板を見て判断するのが確実です。
また、任意の容量のものが入手できるわけではなく、1Ω/4.7Ω/10Ω/20Ω/22Ω/33Ω/34Ω/51Ω/75Ω……と、不規則なラインアップになっています(実際は一定のルールに従っています。詳しくは「抵抗 系列」などでググってください)。このラインアップにない容量のものを求められることはほとんどないのですが、ごくまれにこれ以外の容量の抵抗が必要となることがあります。その場合、(ちょっと高いのですが)桜屋電機店等で販売されているDALEの金属皮膜抵抗なども選択肢となります。
もしくは、小型サイズのものを2つ連結して使うという方法もあります。抵抗は連結するとその容量が書く容量の合計になるからです(たとえば1.1kΩが必要なら、1kΩと100Ωを直列にすれば良い)。
たとえば次の写真の右側、コンデンサの下に抵抗が3つ並んでるもののうち上は本来は通常サイズのものを使うところですが、ここでは該当する容量のものがなかったので小型のものを連結して使っています。
ちなみに抵抗にはカーボン抵抗や金属被膜抵抗といった種別の違いだけでなく、「オーディオ用」などとして売られているものもあります。オーディオ用でもそうでないものでも、容量さえ正しければ基本的には問題なく動くので、どれを選択するかは好みです(個人的には高価なオーディオ用抵抗にはそれほどの違いを感じませんが……)。
また、金属被膜抵抗は高精度、低ノイズ、温度変化による抵抗値変化が少ないと行ったメリットがあります。特にオシレーター周りなどは温度変化による抵抗値変化で特性が変わる可能性があります。そういう部分については多くの場合金属被膜抵抗を利用するよう指示があると思いますので従いましょう(写真で青色の抵抗を使っている部分は多くの場合金属被膜抵抗です)。
2. コンデンサ
こちらも使っていない回路は存在しないと行っても過言ではない部品で、日本でもほぼ確実に入手できます。こちらも千石電商の在庫が豊富です。特殊な容量のものについてはマルツパーツに在庫があったりするので千石電商になければそちらをチェックすると良いかもしれません。
一般的に使われるものとしてセラミックコンデンサ・フィルムコンデンサ・電解コンデンサの3種類がありますが、容量が同じでもそれぞれ特性が違うので、BOMで指定されている種類のものを使いましょう。また、フィルムコンデンサは樹脂で四角い形状に固められているものと、丸っこいものがあります。たとえば次の写真では左上がセラミックコンデンサ、左下が四角いフィルムコンデンサ、右が丸っこいフィルムコンデンサです。フィルムコンデンサの種類はBOMに書いていない場合もあるので、その際は基板を見て判断するしかありません。ただ、どちらを使っても一般的には機能的に変化はないです(音が変わる可能性はある)。
電解コンデンサについては極性があるもの(2つの端子のどちらを-側につなぐか指定されているもの)のと、極性がないものがありますので購入時には注意が必要です。また、オーディオ用、電源用などの種別がありますが、どれを選んでも容量・種別さえ正しければ問題なく動きます。こちらも好みとお財布と相談して選ぶと良いかと思います。
サイズが小さい電解コンデンサもあります(次の写真の一番右と右から2つ目が小さいサイズのもの)。キットによっては小さいものを使用しないと高さ的に収まらないというケースがあるのでこちらも要注意です。
コンデンサの選別で注意したいのが、定格電圧とサイズです。定格電圧については、基本的にはBOMの指示に従えば良いのですが、大きい分には問題ありません(たとえば16Vという指定の場合、25Vや50Vのものを使ってもかまわない)。ただし、定格電圧が大きいほどサイズが大きくなる傾向があり、基板に収まらなくなるという問題が起こる場合があるので注意しましょう。基本的には同じサイズのものを使えれば一番良いのですが、より小さいものを使う分には問題ないと思います。その場合、端子を若干広げて基板に挿入する形になり若干基板からコンデンサが浮く感じになることがありますが、問題はありません。
3. ダイオード
ダイオードもほぼすべてのキットで使われる部品です。もちろん日本でも容易に入手できます。一般的なものはやはり千石電商が在庫豊富です。珍しいものは秋月電子などにあったりします。
汎用ダイオードに加え、ショットキー、ゲルマ、ツェナーなどの種類があるので、通常は指定された型番のものを使います。ただしツェナーダイオードについては電圧が指定されたものと一致すれば別のものに置き換え可能です。また、1N4001〜1N4007は定格電圧が異なるだけで基本的な特性は同じなので、より定格電圧が高いものを代わりに使っても大丈夫です(たとえば1N4001と指定されているところに1N4003を使うのはOK)。1N5820〜1N5822も同様です。
3. トランジスタ/FET
トランジスタ/FETは抵抗やコンデンサよりは使用頻度が低いですが、それなりに使われます。基本的にはBOMと同じ型番のものを使います。多くのものが日本で入手可能です。秋月電子が種類豊富に取りそろえています。
いくつか日本で入手しにくいものとしてはJシリーズFET(J175など)、BC547・BC557トランジスタなどがあります。これらはaitendoにたまに在庫があるほか、BC547/557は最近秋月電子が取り扱いを開始して入手が楽になりました。また、特性が似た別のもので代用するという方法もあります。たとえばBC547・BC557は2N3904・2N3906に特性が似ています。
4. IC/オペアンプ
オペアンプについては、広く使われるTL072/TL074は日本で容易に入手できます。それ以外のものの場合、代替品を探さなければならないかもしれません。オペアンプの品揃えは秋月電子が豊富です。
ロジックICについては、海外ではCDシリーズが一般的なようですが、日本では互換品のTCシリーズのほうが容易に入手できます。たとえばCD4093、CD4011、CD40106、CD4017は、それぞれTC4093、TC40106、TC4017が使えます。千石電商、秋月電子にもありますし、この2店にないものはマルツパーツにあったりします。
それ以外のICについてはケースバイケースなので、もしキットの通販サイトで同時に購入できるのであれば一緒に購入することをおすすめします。
LM78/79シリーズ電源IC(3端子レギュレータ)については日本で容易に入手可能です。互換品のNJM78/79も利用可能です。
5. LED
3mm/5mmサイズ各色が日本で入手可能です。秋月電子に豊富な種類で取り扱われています。
ただし、2本足の2色LEDは日本では入手が困難です。日本で売られている2色LEDはほとんどが3本足です。
3本足と2本足の違いですが、どちらも2つのダイオードをパッケージ内で接続しているという点は同じですが、その接続方法が異なります。
2本足2色LEDが必要な場合、3本足2色LEDを、端子に並列に逆方向のショットキーダイオードを入れるという方法で使うという手もあります(上の写真右)。LEDの極性が逆の場合があるので、ショットキーダイオードを配線する際にはよくデータシートをチェックしましょう。実際に実装した例が次の写真です。
ただし面倒くさいので、基板とセットで買えるなら買ったほうが楽です。
6. 半固定抵抗
大きく分けて2つのタイプがあります。四角いタイプ(写真右)のものは日本のほとんどの電子部品店で容易に入手できますが、丸いタイプ(写真左)のものは容量によっては入手できない場合があります。一応秋月と千石ともに取り扱いはありますが、在庫がある容量は限られています。
7. 可変抵抗(ポテンショメータ)
モジュラーシンセのキットでは、多くの場合基板に直接ハンダ付けするタイプの可変抵抗が使われます。これはボディ部分が9mm角なので9mmタイプとも呼ばれますが、端子が軸に対し垂直に出ているものと、平行に出ているものがあります。軸と垂直に端子が出ているものは、日本ではアルプス電気のものが千石電商で入手できます(写真一番左)。
いっぽう、軸と平行に端子が出ているものは日本では入手困難です。一応アルプス電気の通販で購入はできるのですが、ネジ部分のサイズが海外のものとは異なるので、パネルに収まらない場合があります。上の写真左から2番目がアルプス電気のもの、左から3番目がAlphaのものです。アルプス電気のものは軸の根元のネジ部分が太いです。さらにアルプス電気のものは海外製のものと比べて容量のバリエーションが少ないので要注意です。
写真一番右の、プラスチック軸でネジなしのものもあります。基板に刺す部分の寸法はネジありのものと同じですが、パネルにネジ止めできないので要注意です。このタイプのものはたまにaitendoに在庫があったりしますが、容量がそろってないのであまり当てにできません。
8. フォーンジャック
写真のうち、下段の左2つは日本で入手しにくいものです。これらはSynthrotekやThonkで買えますので、キットと一緒に購入することをお勧めします。
逆にSwitchcraftのものは日本でも入手しやすいほか、基板と平行に端子を指すタイプ(35RAPC2シリーズ、写真下段真ん中)はマル信無線電機のMJ-352がほぼ互換品として使えます。6.3mmタイプは千石電商、3.5mmタイプ(ミニタイプ)はマルツパーツで取り扱いが多いです。
写真下段右2つは基板から導線を出して配線するタイプで、たまに使うキットがあります。
9. 各種端子類
電源ケーブルを接続するボックス端子は日本でも容易に入手できます。また、ピンヘッダ・ピンソケットについては秋月電子で豊富に取り扱われています。
10. 電源ケーブル
リボンケーブルやフラットケーブルなどと呼ばれるものです。端子、ケーブルともに日本で容易に購入可能です。千石電商では10cm単位で切り売りされています。端子も買えます。リボンケーブルの圧着には専用工具を使うのが確実ですが、プライヤーでも圧着できます。
11. PTC(ポリスイッチ)
定格以上の電流が流れた際に電流を止めるヒューズのような部品です。日本で容易に入手可能です。
12.フェライトビーズ(インダクタ)
抵抗に似ていますがインダクタです。ノイズ対策などに使われる部品です。千石電商や秋月電子で容易に入手可能です。
13. スイッチ
トグルスイッチはおおむね日本で入手可能です。ただし、端子を基板に直接ハンダ付けする(端子が細い)タイプのものは、日本で入手できるものが限られているので注意が必要です。一般的にモジュラーシンセのキットで使われるのは写真の2サイズですが、右の大きいサイズのものについては基板直付け用のものの入手が困難です。ただ、足をカットして無理矢理使うという手はあります。
14.ツマミ
安いツマミのラインアップが多いのは秋月電子、種類が多いのは千石電商、マニアックなものがあるのは桜屋電気です。
ツマミは音には影響しませんし、容易に後から交換可能なのであまり気にしなくても良いかと思います。ただし注意したいのが、「ミリサイズ」と「インチサイズ」です。海外通販で購入した可変抵抗の場合、軸が日本で一般的なものよりも若干太いインチサイズのものが多いです。その場合、インチサイズ対応のツマミでないと刺さらないので気をつけましょう。
日本で入手が難しいもの
先に述べたものと一部重複しますが、
・軸と垂直に端子が出ている可変抵抗 ・軸と垂直に端子が出ているフォーンジャック ・フォトカプラ
は国内での入手が難しいので、キットとセットで購入することをおすすめします。SynthrotekやThonkでは取り扱いがあります。
モジュラーシンセ・キット自作のススメ(1)〜概要編〜
モジュラーシンセの組み立てキットに手を出して色々自作してノウハウも貯まってきたので、色々と吐き出していこうという連続記事です。まずは概要編。
モジュラーシンセを自作するメリット
安い!
気軽に改造できる
壊してしまっても修理しやすい
どういう風に作られているのかが分かる
モジュラーシンセを自作するもっとも分かりやすいメリットは、完成品を買うより安いことです。モジュラーシンセのキットには必要な部品がすべてセットになったもの(フルキット)と、基板とパネルのみのものがありますが、特に基板とパネルのみのセットはかなりリーズナブルで、2,000〜4,000円程度で購入できるものも多いです。
また、自分ですべて組み立てるため気軽に改造しやすく、もし壊してしまっても(基板に大きな損傷がない限りは)修理しやすかったりします。
回路が公開されているものも多く、興味があればどういう原理・回路で動作しているのかを知ることもできるし、モジュール自作のためのノウハウのようなものもそこから学べます。
モジュラーシンセ自作でちょっと大変なこと
手間がかかる
海外通販がほぼ必須、送料が高め
英語を読まなければならない
部品選定にノウハウがいるかも
逆にモジュラー自作で大変なことは、やはり組み立てに手間と時間がかかることです。明日使いたいからお店に行って調達、というわけには行きません。ある程度慣れてきた自分の場合でも、組み立てには4HP・基板1枚あたりでだいたい1〜2時間くらいかかってしまいます。
また、国内でキットを販売している店舗は現状ほとんどありません。そのため、基本的には海外通販で購入することになります。とはいえ、買い物をすること自体は(言語が英語というだけで)普通のネットショッピングとあまり変わりません。決済もPayPalというサービス経由でクレジットカード決済すれば簡単・安全です。ただ、送料が最低でも1,000〜2,000円、重量が増えるとそれ以上になることもあってやや高めです。
多くのキットメーカーはオンラインで詳しい組み立てマニュアルを公開していますが、これも英語です。写真付きで分かりやすいものも多いので、最低限の英語力でも組み立てられないことはないですが、ハンダゴテを使ったことがないというレベルであれば、最初はハンダ付けの経験がある人にヘルプを頼んだ方が良いかと思います。
最後の部品選定については、部品が全部セットになっているキット(フルキット)であれば関係ないのですが、コスト削減を目指して自分で部品を集めようとした場合にちょっと面倒になります。なぜなら、日本では入手が難しい部品(代表的なものとしては基板直付け型の可変抵抗やミニフォーンジャックなど)が使われていることがあるからです。幸いこれらの多くはキットを販売しているショッピングサイトで同時に購入できるのですが、注文前にキットの説明書などをチェックして必要なものを把握しておく必要があります。
このようにモジュラーシンセ自作には大変なこともありますが、組み立て時はプラモデルを作っているかのような楽しさもありますし、無事完成して音を出したときの楽しさもあります。
モジュラーシンセキット購入におすすめのサイト
モジュラーシンセキット購入におすすめ、というか自分が購入したことのあるサイトは2つあります。
1つはアメリカのSynthrotek、もう1つはイギリスのThonkです。
Synthrotekは国内の代理店である宮地楽器でも完成品が買えますが、すべてのラインナップでフルキットと基板+パネルのみのセットが用意されています。特に基板+パネルのセットは間違いなくリーズナブルです。また、回路もあまり詰め込まれておらず、初心者でも作りやすいと感じました(ただし一部例外あり)。ラインナップも豊富で電源のキットもありますし、ケースもリーズナブルなものが用意されているのでモジュラーシンセ入門にもおすすめできます。ついでに100ドル以上(送料除く)の購入でTシャツがオマケとして付いてきたり、缶バッチやステッカーがついてきたりと、サービスも良いです(オマケはちょくちょくデザインが変わるので好みは分かれると思われる)。対応についても、3回ほど注文をしていますが今のところ大きなトラブルはありません(ステレオのジャックを注文したのにモノラルのジャックが入っていたというトラブルは1度ありました)。
Thonkは複数のメーカーのキットを取り扱っているキット専門のショッピングサイトです。モジュラーシンセのキットを作っているメーカーは小規模なところが多いためか、品揃えがちょくちょく変わったり、人気のキットはすぐに品切れになることがありますが、扱っている商品数は多いです。お値段的には安いものから高いものまでありますが、基板+パネルのキットに関しては全体的にSynthrotekよりはやや高い雰囲気はあります(メーカーによりますが)。自分はThonkでも3回ほど注文をしていますが、こちらも対応は良く今までのところトラブルはありません。
どちらのサイトも、注文後1〜3日で発送してくれましたし、荷物の追跡もあるので安心して注文できます。ちなみに、発送から到着まではもっとも安い発送方法で頼んだ場合で7〜10日前後くらいという感じです。
(次回予告:次回は、キットに必要な部品の選定と購入について書きます)
設計から自作したエンベロープフォロワモジュール、長らく放置してたけどフロントパネル作って完成。パネルはアクリルで、裏に文字とかを印刷した厚紙を挟んでいます。
ローソンのコピー機を活用して自作デバイスのパネルを作る
ローソンやファミリーマートに設置されているコピー機にはシール印刷機能があり、写真やイラストをシールとしてプリントすることができます。これを利用して、自作シンセモジュールのパネルを作ってみました。
もちろんシール単体では全然強度がないので、シールでパネルに表示したい文字や図柄を印刷し、それをプラスチックや金属性の板やケースに貼り付ける、という方法でパネルを作成します。そのため、別途穴あけなどの加工は必要となります。
パネルのサイズは20×128.5mmで、ちょうど東急ハンズで幅20mm、厚さ1mm、長さ1mのアルミ板を見つけたので、こちらをカットしてパネルにしました。モジュラーシンセのパネルでは1.6~2.0mmの厚さが一般的ですが、1mmでもジャックやポットが基板側にしっかり固定されていれば強度的には問題ないことが体感的に分かっています。ただ、自分の手作業では0.5mm単位の精度は出せないので、諦めて129mmを目安にカットしました(長い分にはあとでやすりで削って短くできるので)。
穴あけは先か後か問題
パネル作成時に避けられないのが穴あけ工作です。穴あけに関しては今回は本題ではないのですが、ここでシールを貼ってから穴あけをするか、それとも穴あけをしてからシールを貼るのか、という問題が発生します。前者の場合、シールに穴あけ位置を示す印をつけておくことで穴あけ工程がしやすくなる、シールの穴あけとパネルの穴あけを同時に行える、といったメリットがあります。一方で、穴をあけた部分の周囲はどうしても荒れるため、穴の切り口が汚く見えてしまう可能性があります。
一方、穴あけをしてからシールを貼る場合、シール側も別の方法で穴あけをする必要があります。パネル側の工作に影響されないため切り口は比較的奇麗になりますが、工程によっては、パネルとシールで穴の位置がずれてしまう可能性もあります。
このようにどちらも一長一短という感じなわけですが、今回はこのあたりを深く考えずに先にパネルに穴あけをしていたため、必然的にパネルの穴に合わせてあとからシールの穴あけする、という選択になりました。穴の位置のずれを防ぐため、後述するようにシールをパネルに貼ってからデザインナイフで地道に穴をくりぬく、という作業を行っています。
原稿を作って印刷する
ローソンもファミリーマートも、シール印刷は用紙サイズとしてL判(89×127mm、200円)と2L判(127×178mm、300円)、スクエア(127×127mm、250円)が選択できるとのことで、129mmのシールを作るには2L判を選択することになります。原稿の作成には、一般的にはIllustratorを使うことが多いとは思いますが、わざわざこのためだけにライセンスを買うのもどうなんだということで、今回はフリーソフトのInkscapeを利用しました。
InkscapeはIllustoratorなどと同系統のドローソフトで、印刷を前提としたmm単位の座標系を設定できます。レイヤーやガイドといった機能もちゃんと備えており、パスに沿ってテキストを配置することも可能です。ただ、Windows環境の制約なのか、PDF出力する際に用紙サイズが反映されないことがありました。これは、用紙サイズと同じ矩形を一番下のレイヤーに配置することで解決できました。枠線無し+白塗りつぶしにすれば出力には影響がありません。また、多少位置がずれても大丈夫なように、塗りつぶし部分は周囲に2mmほどの余裕を設けてはみ出すようにしています。カットのための目安となるトンボも入れておきましょう。今回は若干スペースが余ったので、そこにロゴや別製品で使えそうな文字列を配置しています。
コンビニコピー機のシール印刷機能は主に写真等の印刷を想定しているようですが、PDFも印刷可能ということで、作成した原稿はPDF形式で出力し、USBメモリにコピーします。コピー機でシール印刷を選び、原稿の読み込み元としてUSBメモリを選択して印刷すればOKです。
なお、今回はローソンのコピー機を使用しましたが、シール印刷前に互換性云々というメッセージが表示されました。ただ印刷自体は問題なく行えており、図版の崩れ、にじみやカスレなどの不良もなく無事印刷できました。
シールをカットする
無事シールが印刷できたので、続いてこれを必要なサイズにカットします。今回は原稿にトンボを入れておいたので、そこを目安に定規を当ててデザインナイフでカットすれば良いのですが、手作業なのでどうしても精度が高くありません。ということで、トンボに合わせて裏紙のみをカットして、そこを目安にパネルを貼り、最後に余った部分をカットするという流れで作業をしてみました。これなら、確実にパネルと同じサイズにシールをカットできます。
まず、トンボ部分にあわせて三隅をカットします。
続いてシールを裏返して、カットしたトンボ部分に定規を合わせて裏紙のみをカットします。
カットした切れ目にあわせて2辺の外側を残すように裏紙を剥がして、残った2辺の裏紙に合わせてパネルを貼りつけます。
あとはパネルの四辺に沿ってナイフで余分な部分をカットすれば完成です。
今回はパネルに穴が開いているので、続いてパネルの穴部分のシールをカットします。ポットやジャックの穴に関してはネジなどで隠れるので多少雑でも問題ないのですが、LED用の穴は切り口が直で見えるので丁寧な作業が必要です。自信がなければ穴部分を覆えるLEDホルダなどを使ったほうが見栄え的には良くなるかもしれません。
ちなみに、たまたまこういうタイプの穴あけパンチを持っていたので試してみたのですが、シールを貼ってからこれでシールの穴あけをするのはかなり無理があるということが分かりました。
パンチで穴あけをするなら、シール側にあらかじめ穴をあける位置を印刷しておいて貼り付ける前に穴あけをするほうがよさそうですが、そうすると今度はパネル側の工作の精度も必要になってくるので、なかなか難しいところです。
頑張って穴あけをしたあとの完成系がこちら。
穴の円周がガタガタしていますが、これらはノブやジャックのナットで隠れるので問題ありません。
最後に基板と合体させて完成です。
総評
シールプリントは発色も良く、ある程度の見栄えのパネルを気軽かつ安価に作れる手段になりそうです。カットや穴あけ工程は手作業なのでそこで出来栄えが左右されるところはありますが、試作品や量産しないワンオフの工作などでは重宝しそうです。また、モジュラーシンセだけでなく、ペダル型エフェクターのパネル作成などにも活用できそうです。
メロディICを使った自作シンセモジュール「X-DAY」(2022 ver)
今年も12月25日がやってきました! ということで、去年メロディICを使って作ったモジュールを、ちゃんとした形に組み上げました。
基本的な中身は去年作った「X-DAY」と同じですが、今年のバージョンは以下のような改善が加えられています。
ちゃんとパネルを作った
ちゃんとプリント基板を作成した
MOD CV INで楽しくモジュレーションできるようになった
メロディにあわせて光るLEDを付けた(GATE OUTと連動)
去年の記事:
お手軽にモジュラーシンセでそれっぽいことができると面白いなあという発想でオルゴールICをモジュール化してみた話です。 デモ演奏動画はこちらです。 さて、モジュラーシンセでメロディを演奏しようとすると、オシレータ、VCA、VCFといったものが必要となります。1モジュールで完全なシン
こちら(Twitter)がショートデモ。GATE OUTを使って2HPの猫の鳴き声シンセ「Cat v2」を一緒に鳴らしています。
ロングなデモはこちら。
中身の解説
使っているのは、メロディICの「HK326」です。以前は秋月電子通商で買えたのですが、現在は取扱が終了しているようです。見た感じ「HK322」シリーズも同じような回路なので、たぶんこちらでも問題なく使えると思います。ICを差し替えればクリスマス以外でも活用できますね! ちなみにデータシートを見ると、HK326は「1024 NOTES」、HK322は「512 NOTES」となっているので、HL326のほうが収録されているメロディの尺が長いのだと思われます。再生テンポを変える方法については去年の記事をご参照ください。
去年のバージョンから変わっている部分として、OPアンプとトランジスタを組み合わせた電圧-電流変換回路を使ってバクトロールの制御をしている点があります。バクトロールはLEDから出力された光をCdSに照射することで抵抗値を制御しますが、LEDの光の強さは電圧ではなく電流に応じて変化するため、CV入力を電圧のままバクトロールに入力するのではなく、CV入力に比例した電流をバクトロールに入力することで、抵抗値(つまりピッチ)をより細かくCVでコントロールできるようになりました。
ちゃんとピッチをCVでコントロールできているデモはこちら。
オルゴールモジュール「X-DAY」のモジュレーションデモその1
GATE OUTとMOD CV INを接続するだけで、お手軽に音痴なオルゴールも実現できます(デモ動画)。
また、去年はユニバーサル基板で組み上げていましたが、今年はちゃんとPCBを設計して発注しています。あわせてパネルも作成しました。こちらはアルミ板をベースに、コンビニコピー機のシール印刷機能を使って作ったシールを貼り付けて作っています。
回路や基板についてご興味のある方は、GitHubにファイルをアップしていますのでそちらをご参照くださいませ。
X-DAY: A music box synthesizer module using HK326 IC - GitHub - mesotokyo/x-day-module: X-DAY: A music box synthesizer module using HK326 IC






