夜も明けきらない中央自動車道を東にひたすら走り、未明に降り立った野辺山は氷点下表示が無い。
この地で冠雪していない八ヶ岳を望むのはいつ振りだろうか。
「おやおや例年と感じが違うぞ」と面喰いながらも低地に生きる我々には好都合であった。
泥も雪も無いいつもと勝手が違う野辺山に、ある種の新鮮さと期待感に膨らむ気持ちはこの地を走れる喜びからだろうか。
RaphaSuperCrossNOBEYAMAでした。
例年より幾分か早い開催となった2018-19シーズンの野辺山シクロクロス。
イベント自体はもはや説明不要の唯一無二の大会であることは、みなさん承知の事だろう。
個人的に今シーズンは仕事の関係で全日本選手権に参加できないため、自身としてのシーズン前半の山場はこの野辺山である。
朝2時過ぎに名古屋を出発、野辺山滝沢牧場には5時過ぎに到着し所要時間約3時間、近い。
会場オープンと同時にチームテントエリアにブースを設置し、事前に購入した薪ストーブで火起こしで暖を取る。
この雰囲気を味わえるだけでも野辺山に来た甲斐があったというものだ。
隣にはお馴染みの多摩湖朝練部の面々とテントを並べて談笑していれば、陽も登り雄大な八ヶ岳が現れる。
さて、例年のように全日本スタートライン獲得へ向けてレーススケジュールを組んでいれば野辺山までにもう2戦ほど走っていただろうが、今年は広島・富士山をパスしていたため身体も脚も調子がまだまだ。
平田・幕張と連戦でレースで調子を上げつつ臨んだ野辺山。
過去最高の乾燥コンディションで、初めての人が来たら「なぜあちらこちらに泥と書いてあるのだろう」と疑問に思うレベルである。
この良馬場であればさぞ走りやすいだろうと思うのもわかるが、試走一周目にすべての思いは打ち砕かれる。
路面が乾きすぎて、砂が浮く超スリッピー路面なのであった。
更にいうと昨年のナショナルレイアウトをベースにしいるコースは、俗称「可変式ストレート」以外は下り基調であるため、高速レイアウトなのがここにきて恨めしい。
おなじみバギーコースは硬い路面にタイヤノブが刺さりにくく、更に浮き砂利多数。
その他トランポリン・鶏舎横もゴロゴロの砂利路面、唯一安心できるのが表側の芝スラローム区間である。
ブース裏のキャンプ場セクションは相変わらず陰ってて湿っぽいため多少ヌルヌルするが問題ない範囲。
こんなコンディション初めて…と思った方も多いと思います。
1週間前からの天気予報とのにらめっこでタイヤにMUDを選択したものの当日のこの様子を見てCXへ交換、この選択は結果良い選択でした。
そしてもはや名物となった通称”滝澤渓谷”こと幅1m少し、深さ1mほどの大きな溝は飛べれば速度そのままに憎いあいつに差がつけられるポイントとあって、ギャラリーも多め。
いやギャラリーの目当ては盛大なるジャンプと落車であろうか、とは言えこのコース上部にまで人を呼べる名所を作った意義は大きい。
2日間に渡るレースはスムーズに進行していき、昼試走とアップであっという間に初日のEliteMenのスタート時刻。
ゼッケンは64番と100名のスタートリストではポイント通りに後方スタートであるが、気負いは無い。
クリートキャッチ一発ダッシュするが1コーナーとなる左への直角コーナーは後方スタートには完全にボトルネック。
脚を着かない様に気を使いながら無難に抜ければ60位前後、スタート位置とあまり変わっていないがこんなもんだろう。
最初の周回の登りをメイチで踏んで滝沢渓谷へ。
今回も全日本に準じてジャンプはせずに降りてクリアしていく。
パックも落ち着きだす2周回目から前々へと一人つづ丁寧に抜いていく。
アイサン小森選手、CCJPナベ君のように登りで爆発的に突き進んでいく脚の無い私には、抜きどころを絞って確実に一人一人交わしていくしかないのである。
初日のポイントはバギーコースとシケイン、それとフードコートへ向けてのコーナー立ち上がりに絞ってそこで交わしていく。
同じパックでもバギーコースと畑ではフロントの設置手ごたえが十分で、滑る気がしない。
おかげでアウト側から並んで次のコーナーでインアウト入れ替わりにより抜いて行ける事多数、まさに快感。
しばらくすると案の定、毎度お馴染みバイクランチ小林君とパックになる、やはり脚色が同じではある。
しばらくパックで進みフードコートの手前のコーナーからの立ち上がりで一気に踏んで心を折る作戦で今回は見事引き離せた。彼が居たから踏ん張れた。 その後も少しずつ上げていくものの「完走」の文字がちらつきだした刹那80%ラインでマリオの目配せでゲートが開いてしまった。
片付けも早々に会場を後にして親子丼で有名な中村農場へ滑り込む。
開店5分前に到着するも11組待ちで1時間30分待ちである。
寒さに凍えた後に食べる親子丼のなんと素晴らしいことか!
お宿に移動して風呂に浸かり今日のラインの選択や、走り方を話していればあっという間に21時には就寝。
翌朝6時過ぎに起床8時に出発会場入り。天気が前日とは変わって霧の中の景色も幻想的。
朝がゆっくりだった分、初日に比べ火起こしやトークをしていればあっという間にレース時間はやってきてアップもそこそこに召集である。
しかし身体の重いこと、脚の掛かりの鈍いこと。
ゼッケン71で前日より更に後方である9列目に並ぶ。周りは相変わらずの顔ぶれにスタートに集中する。
スタートの合図一発、クリートキャッチ!までは良かったがフロントのチェーンがアウター側へ落ちていてリカバリーに手間取っている間にごぼう抜きされる。 自分の後ろの人(たぶんマツド)ごめんなさい。
チェーンを乗車したまま掛け直すもあっという間に1コーナーは阿鼻叫喚の地獄絵図。 隙間を見つけて芝セクションまでひたすら踏み続ける。
71番スタートなんで落としていた順位もせいぜい10番程度、ここから上げていけば良いっと意外と前向きに考えていたらなんとシフターが動かない。
正確にはロー側のシフターが反応せずにトップ側だけ動作している※この現象によりパニックになり記憶が曖昧
芝を抜けて登りのアスファルトに出るもRDはトップに入ったままビクともしない、致し方なくフロントをインナーに落とすもインナー×トップでは楕円リングの影響で ある一定の箇所でアウター側にチェーンが引っかかりまともにペダリングが出来ない。
仕方なく46×11で力任せに登るが最上部まで行く頃には最下位の100位まで落ちてしまう。
※最後尾に慌てて溝を飛ぶも、左足がペダルから外れてめちゃくちゃ焦ってる図
その後はピットまで下り基調なので1人2人交わしてピットでヤスさんに状況伝えてバイク交換。
乗り換えたスペアのオレンジ号は普段乗らなさ過ぎて、ジオメトリー一緒でもブラケットの大きさ、ブレーキレバーの引き代の違いでレース速度ではどうにもギクシャクする。
ただシフトが効かないバイクよりは当然良くて2周回ほど走ったところでピットのヤスさんの「バイクが直った」との声が聞こえるのでピットで再びメインバイクに乗り換え。
Simworksギシ君を目標に抜きに掛かるが踏みなおされて一度離される「やるなぁ~」と思いつつテンション上がりシケインで思いっきり4人ぐらい抜いてからは、ただひたすらに前の人を捕まえては交わす、捕まえては交わすの繰り返し。
キャンプエリアで辻啓の「この周で降ろされるかも知れんで」の声で奮起してその周は何とか80%ラインは通過するも次の週で脚きり終了。
ビリまで落ちちゃ仕方ないし、後から聞いた話ではトラブルバイクを見てくれた自転車道今村さん曰く「Di2がBluetooth設定モードかシフト調整モードに入っていたみたい」との事。
スタートでのチェーン落ちの際に変な操作したのか、自身のミスで巻き起こしてたのでは目も当てられない。ただ結果は結果なので受け入れて次に同じようなミスを犯さないように対策を講じることが、リザルトへの近道である。
ピットで急遽ヘルプしてくれた臼杵の増田さん、トラブル対応してくれた今村さん、そしてピットについてくれたヤスさんのおかげでしっかり走り続けれました。 本当にありがとう御座いました。
レースは公平の劇的な勝利で幕を閉じ、脚きりのおかげでその瞬間を生で見れたので、悔しいけどそれはそれで怪我の功名だったのか。
あっという間の2日間は幕を閉じ、やはり野辺山は唯一無二の最高のイベントだと再確認しました。
はじめから最後まで全て楽しい、何もかもがすべて刺激的で、ここで年に一度しか会えない方も多く同窓会の様相もあるこの野辺山シクロクロス。
信じられないぐらいコース全域で応援を頂き、その中で走ることが出来る自分は本当に幸せだなと、だから毎年この地に帰ってきたくなる自分のシクロクロスの原点。
今年も本当にありがとう御座いました。
来年はいよいよ野辺山シクロクロス第10回大会の節目の大会。自分も改めて身体作り直して完走目指して一年間取り組んで生きたいと思います。
今から来年が待ち遠しい!
全てのスタッフの皆さん、ボランティアの皆さん、そして選手とその応援に駆けつけたあの日あの場所に居た全ての皆さん、今年も本当にありがとうございました。
Photo keitsuij & ogura & okamoto & じゃんぼ