小型・オールモード・マルチバンド SDR → [ G4SDR ]を立ち上げます!
久々の投稿です。放置しすぎました。
近頃、コロナで大変ですね。コロナちゃんの影響で、会社が休業となったため、それを見越して発注しておいたSDRを作り上げてしまおうと、活動を再開しました!
以前、[SDR-YAGI]という名前で、SDRの立ち上げを行いました。実験により、1~144MHzの送受信ができる見込みまで行きました(紹介したブログ)。
しかしながら、クリスタルフィルタ部の難しさ(マッチングやクリスタルの素性がつかめず帯域を広げられないなど)とソフトウェアの壁でフラフラしてるうちに、別コンセプトが浮かんできたので、今回、[G4SDR]と命名したSDRに乗り換えます。
一般的な 基板サイズ (47x72mm)とし、独自の回路ブロックを気軽に(穴あけ不要でスタック)追加できる構成とする。
RFフロントエンド(送信パワーアンプ、受信BPF、LPF、アンテナスイッチ等)は外付け
HF+50MHz(144MHz)の任意周波数で送受信が可能
変復調モードはSSB, CW, AM, PSK etc..に対応
IQ信号の出力機能を備える(できればUSBで送り出したい)
搭載するUIは必要最小限、UI拡張用のI/O出力ポートを備える
学生さんがプログラムやハードをいたずらできる余地を残す(いたずらしたくなる)
今風のおしゃれな部屋に馴染む佇まい、できればインテリア風になってほしい
長い間、構想を練ってきました。僕が作りたくなるものの条件として、「世の中にまだないもの」であること、そして、「僕自身のアイディアが表現できていて」かつ、みんなにも「いいね!」って言ってもらえるものを作りたいというのがあります。これを求めると、なかなか答えが出せず苦しんでいました。しかし、ここにSTMicro.が答えを与えてくれたのです。この結末の詳細は後日紹介いたします。
さて、話は変わって、G4SDRの肝となるクリスタルフィルタ部の設計であちこちつまずいたので、これを紹介していきたいと思います。
私も含め、クリスタルフィルタ初心者ないし、自分で作れるような気になっている(僕がそうでした)読者の方の一助になるように、できるだけ丁寧に書きます。ちなみに、ここで検討した水晶振動子は2016(2.0 x 1.6mm)の極小サイズです。自作派アマチュア無線家のブログをいくつも拝見しましたが、このサイズで作っている例は見つかりませんでした。
そういう意味で、冒険の始まりです(笑)
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今回作りたい ラダーフィルタ の目標仕様を定義しました。
32MHzのような高い周波数でラダーフィルタを作っている例をほとんど見かけない(一つありました)
小型サイズの水晶はその小ささの弊害で、フィルタとしての性能を損ねる要因を持っていないか?
という2つが頭から離れませんでした。
そこで、実現できるのかどうか、シミュレーションで検討しましょう!と走り始めました。
様々なブログを渡り歩き、最終的にJA9TTT 加藤OMのページに行きつきました。ここで紹介されている設計ソフトはとても素晴らしいものでした。是非、使用されたい。
以下、加藤OMページの抜粋
参考:Warrington Amateur Radio Club(英国)のサイトに、Jack Hardcastle, G3JIRによって最新バージョンDishal2031がアップされています。あまり違いは無いようですが、Windows OSによっては新バージョンの方が良いこともあるのでリンクしておきます。→ここから. (追記:2015.08.25)
この辺で、絵を入れたくなったので、採用を検討した水晶振動子の直並列共振周波数の測定の様子をお見せします。いつもお世話になっているAPB3で測定しました。
ちょっと右寄りに浮いてるのが水晶振動子です。いい加減な配線ですが、これで精一杯でした(笑)
いい加減な測定でしたが、それらしいデータが取れました。直並列共振周波数の間隔は45kHzであり、仕様とした帯域は満たせそうだと判断しました。この周波数差が大きいほど広帯域なフィルタが作れます。
さあ、それでは設計していきましょうと、設計ソフトを立ち上げて、「ん?」と固まりました。設計を進めるためには水晶振動子の等価回路の各パラメータを「実測で!」あらかじめ求める必要がありました(最初から知ってましたが、多少話を盛ってみます(笑))。
「実測で!」と強調したのは、データシートからは読み取てない素性だからです。なぜなら、本来の振動子として使うときには、「あまり重要ではないデータ」だからと推測します。そんな計算をいちいちやらないとマイコンを水晶振動子で動かせない世の中だったら、みんなアナログ屋さんになれますよね(笑)
そうはいっても、そんな特殊な測定器(LCメータなど)は手持ちにないので、ひたすら水晶振動子のデータシートをアサリました。すると、ありました!!!
全部の必要なパラメータを列挙したおかしな?データシートが!!
NDKさん、さすがすぎます!!
手持ちの水晶とサイズも一緒なので、さほど素性に乖離はないと判断し、この水晶振動子のパラメータを使ってラダーフィルタを設計しました。
いい感じに設計できてます。実測でもこのように動いてくれれば大満足です。
設計もできたので、実際に秋月で売っているSMDユニバーサルに組みました。 これおすすめです。って、裏面がベタのやつなくなってるやん!!悲しみ。。。
はい。なにがなんだかわかりませんよね。拡大鏡で頑張りました。
そして。APB3による測定結果です。ムムム、通過帯域は所望になっているけど、なぜか阻止域で跳ね返ってきてる!この手の特性は、経験上、測定の問題だと断定し、調査すると、同じようなことを書いている方が何人か見つかりました。
JM1DPL OMと最近はNanoVNAの創造主として有名人(←いいなぁ。そして、素晴らしい!)のttrftech 高橋さんです。
これらの内容を参照して、ユニバーサル基板の裏面ベタを利用してGNDを強化したところ、見事に跳ね返りが消滅しました!!
普段、数~数十GHzの回路を扱っているので、32MHzをなめてました。すみません。君は立派な高周波だよ。。。
そして、時代の流れに乗るために、そしてコロナ休み中にプロジェクトを進めるために、ついにNanoVNAをアマゾンで入手した。
2日で届いた。(eBeyで首をながくして待つより良いと判断)
使い方はjh4vaj OMのページを参考にした。なお、Cal.説明の 「THRU」 については、誤っている。ここでこそ、SMAメスメスの出番です。同軸2本がNanoVNAに接続された状態で,それらの先端をSMAメスメスで接続しあうのが正解。
いいね!!APB3と同じ特性が測定できました。NanoVNAは、タッチストーンファイルの出力機能を備えているので、問題が出ても、PythonのScikit-rfなどで解析できますし、安心できます。高橋さん、ありがとう!!!
というわけで、仕様に合うフィルタの設計と実測検証が完了しました。
明日から、G4SDRの基板に部品実装し、動作検証に入っていきます!