UI Crunch #11 金融業界に革命を起こすFinTechスタートアップのUIデザイン
イベント概要:
UI Crunchとは、元DeNAの坪田さんとGoodpatchの土屋さんが始めたイベントで、UIデザインに関わる全ての人を対象にした勉強会。
今回は、FinTechスタートアップが提供する画期的なサービスの要とも言える「UIデザイン」に特化したテーマで、人に密接に関わるFinTechとインターフェースを実現しているデザイナーさんが実例を挙げてお話するイベントでした。
株式会社Kyash サービスUIデザイナー
矢部 雄祐さん
1.Kyashとは?
スマホ間でお金のやりとりができるサービス
受け取ったお金
→Kyashのバーチャルvisaカード(プリペイド)として自分のお買い物に使用できる、実店舗でも可能、またオンラインやモバイルsuicaなどでも利用可能
お金を送信するとき
→スワイプ形式。誤操作を起こさないような工夫をしている。
2.kyashが描く個人送金からの未来
・個人間でのお金のやりとりの抵抗がなくなるのでは?
→Kyashは本人認証がないから楽。
お金のやりとりのハードルを下げることができる。イベントとかランチのときとか飲み会などかなりよい。
・個人とお店のストレスが軽減できるのでは?
お客さんとの決済時に手間がかからないので、レジでの作業時間がなくなる。→お店での行列がなくなる
・個人と不特定多数(社会)を繋ぐことができる
→応援の気持ちを送ることができる
路上ライブやスポーツ選手、好きなアーティストにお金を送ることができる未来がくる。割り勘や送金の手間を省けるだけではなく、新たな硬貨の流通が生まれるのではと考えている。
3.効率性だけではない新しい価値の創造
新しい価値の創造 産業革命後も効率だけでは今の世の中になっていなかった。
職人の世界:長年のアップデート(人類が使いやすいように)
産業革命:効率化
アーツ・アンド・クラフツ運動:反発・抵抗(芸術回帰運動)
デザイン:融合 (バウハウスのデザインの概念など生まれた)
→今金融の業界でも産業革命が起きようとしている
4.個人間送金の未来に繋げるデザイナーの役割
効率化だけに目が行きがちだが、情緒的なコミュニケーションに着目してみる。
ではデザイナーは何をすべきなのか?
・鎮痛剤must to haveなくてはならないもの
・ビタミン剤better to have あったらいいもの
鎮痛剤となる課題を解け
ソリューションはビタミン剤と思われがちだが、送金は鎮痛剤となると考えている。
世の中のサービスは大きくわけて二つの考え方がある。
・クリエイションモデル
世の中で顕在化されていない問題を解決する新しいサービス
→初期の段階では噛み砕いて伝えることが大事
→潜在的な課題感を想起させるための動線(伝え方)と非機能(サブ機能)にも力をいれることが大事で潜在的なユーザーの役に立ちたいと考えている。
・リプレイスモデル:既に問題が顕在化されていて、その問題を解決するサービス
→さらにそれよりもいいサービスを作ること
株式会社FOLIO CDO
広野 萌さん(元ヤフーのデザイナー)
FOLIOとは?
10年ぶりに誕生したオンライン証券会社
デザインとコンプライアンスに着目したお話。
なぜFintechデザイナーが頑張らないといけないのか?
1.法律遵守
UIデザイナーはコンプライス担当者を通せばok
→これは思考停止の状態
コンプライス担当: ここに免責事項を入れてくれませんか?
→ここでデザイナーはなぜその免責事項が必要なのか考えるorコンプライアンス担当に聞いて理解。理由ひとつひとつに対して、デザイン上の提案をすべき。
2.理由なき免責事項
思考停止の状態が使いづらいサービスを生み出している あらゆるリスクを応じて安全策→怠惰
現在の金融機関などでは、免責事項を法にのっとり、全部記載しているところが多いが、ユーザにとってわかりにくい。海外でも同じことが発生している。(文字がだらだら長く書かれているなど)
→コンプライス担当の意図を汲み取る仕事をしなければならない
なぜそうしなけばならないのかインサイトを探る作業が大事
ユーザの声をただひろうのではなく、なぜその声があるのか拾わなければならない。デザイナーは本質を見抜く必要がある。
コプライス担当と対立することはよくない
→一緒にやっていく仲間
3.絡み合う両旋律
対位法とは:複数の旋律を、それぞれの独立性を保ちつつ互いによく調和させて重ね合わせる技法である。
法とクリエイティブは対立要素に見えるかもしれないが、実は「対向」
デザイナーだからといってサービスに対して理解がないことはよくない
→職種を超えて理解しあってサービスの開発を進めることが大事
思考停止では議論が進まないので、FOLIOの場合はデザイナーでも、証券外務員資格は取るようにしている。
自社サービスを愛するならば、毅然として前を向かなければならない。仲間と建設的な議論を重ねなければならない。
4.金融の再構築
「fintechとはデザインという武器を用いた金融の再構築である」
現在fintechで有名なサービスは、常にユーザの行動体験体質でプロダクトが作られている。デザインの力こそ強い。
法律の二の次になっていないのか考えることも大事。法とクリエィティブの対位法とうまく設計できるのは、何よりも合理的な意味でのデザインの力だ。fintech業界ではデザイナーが鍵を握る。
先代が築いてきた法の願いを叶えなければならえない。法の奥に潜むものをインサイトとして読み解くことがfintechのデザイナーが読み解くことが重要。
命の次に大事なお金を扱うという覚悟を持たなければならない。fintechスタートアップたちは、国民経済の健全な発展の為に、力を合わせ、毅然と妄言でも非常の振る舞いでもなく、日本の明るい未来を現実のものにするのだ。
企業の成功とか不成功などどうでもいい。Fintech業界を盛り上げようなんて話が小さすぎる。日本という国が、今後世界の中でどのように台頭、進化していくか私たちはその一役を担っている。
1.CASHが目指す世界
・CASHとは?
ものの買取サービスだが、既存の買取と大きく違う。
→お金をもらえるまでの時間が短い
・目指す世界
本当の価値:「少額資金の需要を瞬間的に解決する」
→アプリというかたちをとっている
・私たちが考える「お金」
人生の可能性を広げるためのリソースのひとつ
→あらゆるモノの価値をお金に変換することで、人生の選択肢が広がる。そのことによって、毎日が豊かになったり日本の経済が豊かになるのではないのか。
・見せ方のお話
ポジティブなお金の表現が大事
→日本ではお金に関する話は汚いというイメージが強い
簡単にお金を手に入れること自体に怪しいと考えてしまうだろう。
・デザインの方針
お金を瞬間的に得る体験をポジティブに捉えてもらえるようなサービスの佇まいをつくること
2.ちょうどいいトーンを探る
・トーン
直球と抜け感
お金:黄色だと考えている。(ストレートでわかりやすい)
丸いアイコン:お金のメタファとして黄色の丸いアイコンを使用して、表現している
・色
青→定番、わくわく感がない
黄色:親やすさもあるからよい
・抜け感
黒と黄色はインパクトが強いが、危険的な色みで強いイメージ
→黄色とグレーやベージュをはさむことで優しさが増して、抜け感が出てくる。
・ロゴ
即金のスピード感を表現している。
線が途切れている→余白があるから抜け感が出てる。
印象を左右するには、トーン。
トーン=サービスの人当たりみたいなものだと考えている。
ビジュアルの方向性や作りこみは重要だと考えている。
3.お金を得る実感の追求について
・アニメーションが多い
お金の動きをリアルに表現している 心地よさの演出している。
・ものがお金に変わる瞬間
ローディングで表現
ローディングは別になくてもいいが、お金がものにかわる瞬間を演出している。
・数字のアニメーション
数字のカウントアップは、リアルタイムで査定ができている感じをわくわく感に変えている。
・振動
キャッシュがクレジットに入ったときに振動がでるようにしている。自分のもとにお金がきた感じを演出。
・細かい動きについて
GIFアニメで作成
→エンジニアの工数がかからない
カウントアップ
→AEで自分で作ってエンジニアさんがコーディング
4.これから何をデザインするのか
・世の中に定着するサービスを目指す
リリース後、かなりの反響があってばたばたしるが、安定してユーザが日常的に利用できるサービスを目指す。
・ふつうの佇まいをつくる
機能改善ももちろん、生活の中で自然と利用してもらえるような、ふつうの佇まいを作ることがデザイナーとしての役目だと考えているので、その役割を果たしていきたい。
株式会社CAMPFIRE CXO
小久保 浩大郎さん
ベースとなる考え方のフレーム
tech × design = for people
テクノロジーとは?
この世にあるものにあるほぼ全て
「テクノロジーというのはあなたが生まれたときに存在しなかった全てのものだ。byアランケイ」
今私たちにとって一番役立っているテクノロジー=お金
お金=テクノロジー
お金が価値に対して可能にしたこと
→交換、保存、計量
テクノロジーってどうやって生まれてきたのか?
金本体制:物理的に価値があるもの
政府、銀行:政府が発行したもの
国際為替相場:相対的な価値の連動で決まっていく
なぜそんなにお金の信用があるのか?
ただの紙切れなのに 数字をなぜ信用できるのか
お金って難しいけど、直接解決しなくてもいい 人は物事の仕組みを理解せず使う(子供の頃小銭をもって駄菓子屋さんいくよね)
お金って難しい。でもそれ自体は、解決しなくてよい。
→使うときに何も考えなくてよくて、 複雑さを隠蔽するインターフェイスが実現されているから。
インターフェイス =貨幣そのもの
お金=情報そのもの
「情報は自由になりたがっている byスチュアート・ブランド」
自由とは、多様性でありなめらかなもの。
なめらかなお金がめぐる社会→家入さんの書籍「なめらかなお金がめぐる社会」が先日出版された
CAMPFIREとは?
プラットフォームを提供している。
→オーナーと支援者を支えているだけであり、主役ではない。我々は、外部から刺激するインターフェイス上で関わる。
イノベーター理論で、サービスを初期に使用してくれる人がはぶになることが大事で、その時にいかに正しく理解してもらうのかが重要となる。
「お金があれば何でも買える」
→お金で買えないものがある社会は正しくない お金は平等であるべき。
次世代の貨幣の相当するインターフェイスとは何か?
→これはまだ見つかっていない。
「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創りだすことである。 byアランケイ」