激愛 最果タヒ
彼女とわたしはいくつかの炎が自分たちのせいで制御不能に陥ったことを知っていたが黙っていた、火をつけることは一度もできなかったが、燃料ならいくらでも注いだ、この関係性に名前はつけられないけれど、誰も三人目になろうとしないからこの世界はまだ未熟だ。愛されたいというなら私たちはいくらでも愛する、三人目、四人目になるならいくらでも愛する。そうではない、まず、わたしと彼女が殺し合って生き残った方が迎えに来てくださいという人間ばかりだから私たちはさらに燃え上がれと願い、注いでいた、生きているとしなくてはならないことが多々ある気がしてしまいますよね、仕事もしなくちゃいけないし、相手にできる人間なんて一人ぐらいですよという人間が背負っている70億人の世界。わたしが祈ることを彼女は知らない、愛することの凶悪さに飲まれてどれだけの人が死んでいったのか、わからないけれど私たちはこの関係以外に何もない、信号機が点滅している、ずっと点滅していろよ。車も人も誰も安全を得ない世界で、唯一も絶対もない愛を膨張させてしまえ、全ては燃え尽き、全ては満たされる。わたしが彼女に出会ったのは偶然だった、なんの運命もない、それが一番にこの世界において嫉妬すべきことだと分かっているから、この炎をきみ達にあげる。
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