1973
1973年の冬、初めてパリを歩いた。玄関に、太ったおばさんと大きな犬の居る、カルチェ・ラタンの木賃宿に泊まった。ぎしぎしする窓を開けると、目の前にソルボンヌ大学の校舎と鐘楼が見えた。狭い通りのあちこちに、学生がたむろするのが見えた。
翌朝、おばさんが、花瓶のように大きな器に入ったミルクとパンを運んでくれた。何とかかんとかと説明してくれたが、さっぱり分からない。前途多難だが、「ウィウィ」だ。
パンをかじって居る時、突然鐘楼の鐘が大音響で鳴り出した。「そうだ俺はパリにいるんだ。パリだよパリ」
サントゥシュタッシュ教会のオルガンを聴き、一角獣のタピストリを観、ピカソのアヴィニヨンの娘たちを観・・・そして夜は、さんざめくデカルト、厶フタールの坂道を歩いた。
酔いどれヴェルレーヌ、今宵はいずこ。
(正・記)
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モンマルトル・MONTMARTRE









