2025/11/24 一木(3:25)

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@yaa1212
2025/11/24 一木(3:25)
一木という曲を投稿しました。
以前にSoundCloudに上げた曲ですが、まだ未練があったので今年の夏にところどころ作り直しました。
一木
夏がもう呼んでいる
日の陰に身を隠せど
昼下がりの景色は
泥塗れ 痛んだまま
直らない機械の山
生まれた後 捨てられた殻
空中で 羽ばたくのは
透明で巨大な蝶々
鱗をまぶされた町を
陽炎がふらつく道路を
無重力の のろい車で
渡っていくだけ
帰ることのない誰かの
足音の聞こえる方向へ
つながれたその聴覚で
辿っていくだけ
無関係そうな幸せが
むせかえるほどに漂っている
残されたその嗅覚で
通りすぎていくだけ
どこへ行くも果てしない
迫る風 受けて
あなたを溶かして溶かし続ける
熱がすぐ近くに
2025/11/14 空泳(3:24)
空泳という曲を投稿しました。
「The Other Heart」というアルバムを作り終えた後にピクサー映画の「インサイドヘッド2」を観に行ったことを覚えています。その時の感想が「内的な世界にはずっと天井があるなあ」というものでした。内面を掘り進む中で見る深い底の先で、ふと頭上を見上げた時に見るあっけらかんとした本物の空を私は見たいのだと思います。
空泳
晴やかな空を舞う白い布
吹きさらしでなびく影法師
僕ら出会って間も無く去る
敢えて話そう 隔てた壁の向こう側で
欠けた銀の月と紐の切れた凧
つながりはなにもない
陽に漂白されて消えていく町並み
遠く手を伸ばしてる
乾風で流れる風船
どこかに吸い込まれた影法師
僕らまたここを離れて
どこへいくんだろう 手放された糸を辿って
機関車が向かう 暗い眼の奥へ
誰も行方を知らない
窓の外は闇 並び立つ針葉樹
空だけ青く差している
飛び立つものは影を落としていく
浮かんでいるものは宙に呑み込まれていく
またどこかで会えたならば
敢えて話そう 目の前に見えているうちに
CG Model "CRT" Creator hecc
2025/11/07 機械楼中(3:55)
機械楼中という曲を投稿しました。
歯車を重ね合わせ
動き出した機械の上
錆びつく鉄(メタル)の砦
空から光が降り注ぐ
湿度の高い部屋で過ごす
この時間はあまりに長くて
茹だる蒸気を掻い繰り
仮初の意味でも もし願うなら
砕けた窓の破片集め
また来る 夜更けの訪れ
外気に晒され 失っていく
同じようで違う景色
夢の中で羊が飛ぶ
草原は真っ暗
灯りがひとつずつ消えていく
歩き疲れてしまったの?
長く深い息をして
吐いたそばから這上がっていく
また来た 夜明けの訪れ
リビングデッドが灰になっていく
鮮明な無機質さを湛えて
2025.5.2 ほろび
ほろび
「ほろび」という曲を投稿しました。
Amazing slumber
An empty dream
(すばらしいまどろみ からっぽの夢)
Bad Weather is coming
to my weak point.
(悪天候はやってきている わたしの弱いところに)
こだました声は ピンポン球のように
跳ね返り続けて 宙を舞った
木炭色の煙が 天高く昇っている
涙流すあの人は 突っ立ったままで
凍てつく雨を待った ステンレスの皿が笑った
陽を隠したあとの曇天は
なにも寄越しはしなかった
からからに割れた空気の乾物
それだけがわたしの誇り
Amazing slumber
An empty dream
(すばらしいまどろみ からっぽの夢)
The goal line was transferred.
This is disconnected world.
(ゴールラインは移送された ここは断絶された世界)
差し出された手は妙に不透明で
つかんだその後も 素っ気なかった
白黒の中 燃えるように揺らめく人の影
顔を覆い隠してる 動かないままで
焼ける家を囲んだ 仮面の奥の猿が笑った
日を跨ぐ前の暗闇で
密かに居場所は照らし出された
きりきりと切れる糸の光沢
それだけがわたしの証
Amazing slumber
An empty dream
(すばらしいまどろみ からっぽの夢)
Bad Weather is coming again
to my weak point.
(悪天候はまたやってきている わたしの弱いところに)
くたびれて さまよって
空見上げ 息吐いて 歩き出せ
また落ちて くるまって
曝し雨 影消えて 答え合わせ
最期がね 遠くてね 暮らしてる 探してる 古白の根を
花の薫り 蜜の味 カプサイシン 巻き戻し 吹き返し 見た空
2025/4/25 絆創膏のうた
2025/2/25 シーンアウト
シーンアウト
シーンアウトという曲を投稿しました。
・英題は「Out of the scene」としてますが、「シーンアウト」という言葉は造語です。
シーンアウト
喧騒でぺちゃんこになった火薬庫
沈黙になぶりころされた迷い子
それでもあなたは上の空を行く
ならばわたしから向かおうじゃないか
まだまだ世界は続く
嘘でも 本当でも
視界には映らないフリーウェイ
どこまでも どこまでも
昼の月が露光で真っ白になる
いのちの重さを尊び合っている
訳の分からない軟体が漂着する
祈りが真っ先に井戸を覗き込む
まだまだ世界は遠のく
嘘だから 本当だから
視界の外から呼ぶランナウェイ
いつまでも いつまでも
絆創膏のうた
絆創膏のうたを投稿しました。
・数年前にカズオ・イシグロの「クララとお日様」を読んだ。ごく小さな兆候にも希望を見出し、物事が良い方向に進むことを切に願う姿に感動した。それを行っているのがAIであるということも示唆的だと思った。
・2年前にデヴィッド・クローネンバーグ監督の「クライムズ・ザ・オブ・ザ・フューチャー」を観た。何もない真っ暗な空間から、人間の新たな臓器が生まれる瞬間を目の当たりにした気がして、原初的な驚きと震えがあった。クローネンバーグの作品では「戦慄の絆」が一番好きだ。
絆創膏のうた
肉体のない未来を望む?
血も涙もないことが起こって
ぼくらの治しかけてた傷は
もう とっくに迷子だ
かけがえのない意味を求めて彷徨った
幻と嘘を閉じ込めた今がある
凍えながらでも僕は行くよ
まだここに熱が残っているから
巨大なガーゼの匂いで飛んでも
すぐには消せはしないから
はやく にぶく なおれ
言い表せないかゆさに こころがうずく
はやく にぶく なおれ なおれ
凍えながらでも僕は行くよ
ただここで熱が疾っているから
毒を消した後痛みでたじろんでも
きっともとに戻るから
はやく にぶく なおれ
1st アルバム 「The Other Heart」を配信しました
アルバムをつくりました。完成までにこんなにかかるとは思っていませんでした。世界は加速するばかりで待ってはくれません。
このアルバムの中の曲を作っている最初期は、こころに傷がついてしまったときにどうすればそこに絆創膏を貼れるのだろうかということを本気で考えていました。
曲の内容は、亡くなったもの・人への弔いや、居場所を無くした・追われた人たちへの心思、他者あるいは分離した自分自身を希求することで構成されています。
最近読んだ安部公房の遺作「飛ぶ男」のあとがきに生物学者の福岡伸一さんが「(細胞生物学の最も重要な概念として)内部の内部は外部である」ということを書かれていて、強く印象に残りました。だいぶ前、安部公房の何かのインタビューを見たときに「ぼくはずっと人と人のつながりについて書いている」と言っていて(ほんとうにうる覚えです)、そのときは普遍的な角の立たない応えだとしか思っていなかったのですが、今は通常のやり方ではない方法で自分と他者のつながりを再構築することこそがその人の世界を、社会を修復させる手段であるのだととても思います。
このアルバムは自分ひとりで作り上げた作品ですが、自分を覗いた先に自分以外のなにかがほんの少しでも現れていることを切に願います。
2024/8/31 ヤア
アルバムクロスフェード
2023.9.8 ヴィクトリア
ヴィクトリア
ヴィクトリアという曲を投稿しました。
最近は、生まれてきて作った曲がまだ圧倒的に少ないなあと思うことがよくあります。
ヴィクトリア
果てのない夜 足任せの逍遙
揺らす鍵の束 消えかけた線
隔絶された 遠くのネオン
傾いた家屋 言葉のない看板
顧みない足取り 並ぶ鎧戸
其処彼処に漂う 無風の気配
ふらついてピンぼけしたオールドレンズ
町の姿が白く濁っていく
切れ欠けたテールランプの先へ
行方をなぞる ハイアンドシーク
砕けた窓 ガラスを煌めかせ
走る霊柩車
浮き立つ影 煙に撒かれて
静まる郊外
躓いて飛び出した道路の上
響き渡るつま先の音は
宙に浮かんだヘッドライトの向こうへ
ゆっくり消える レッドハイヒール
滲んでいく
溶けていく
2023.8.6 嵐の眼
嵐の眼
嵐の眼という曲を投稿しました。
人の生活が過ぎ去って また何かが現れようとしている
感覚はすでに忘れ去られた
それでも残されたものが 歩みを止めやしないから
虚しささえ愛して進むんだ
遠くの景色は遠くに見えるまま
痩せこけた芥(ごみ)を打ち上げる
止まった時間はもう燃え尽きそうで
空を飲み込んだような顔をぶら下げて
儚い花畑を歩いていく
生暖かい風 一瞬が錨を上げた
始まりも終わりもこの眼の中
変わり果てた姿でただ何もいない檻を眺めていた
寡黙な曇が音を洩らした
一人じゃ生きれはしないから独りで死んだ姿を
抱きしめて今日を過ごすんだ
甲高い雄叫びが 姿を見せぬまま
足元を吹き攫っていく
穿った命でさえ青ざめていて
愛を吐き出したような顔をうつむかせて
何事もない町を歩いていく
途方も無い記憶 永遠が錨を下げた
始まるも終わるも この眼の中
無音を求めた人が 決して消せない音色を聴いた
いつだって最高の音楽は きみの産声だった
遥か上空の空洞に蓋が被さって
降り出した雨は 痛みのある寒気に満ちた恵みだ
空を飲み干したような顔を仰ぎ向いて
褪せた花畑を歩いていく
土砂降りの後には 現在が揺らぐことなく
始まりも終わりも 瞼の裏で
歩みは続いていく