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Movimiento en Ámsterdam
マウンテンゴリラ/ニシローランドゴリラ(霊長目ヒト科)
Mountain Gorilla/Western Lowland Gorilla
「誤解された聖者」
皆さんは動物園でゴリラを見たとき、いかにも強そうな印象を受けるのではないでしょうか。確かにゴリラはとても強いの部類に入る動物で、推定される握力はリンゴを片手で握りつぶせるくらいのおよそ500キロと言われています。更にはその気になれば天敵であるヒョウを殴り殺すことも出来るので、獰猛なハンターであるヒョウも大人のゴリラを襲うことはためらうと言われているほどです。初めて人間がアフリカの奥地でゴリラを発見したときその巨体に驚かされたことや、有名な映画「キング・コング」での獰猛で強いというイメージが浸透していたことも、人間のゴリラに対する誤解の原因だったのかもしれません。そんなゴリラですが、霊長類の中でも特に知能が高いと言われ、本来は脅かしたりしなければ穏やかで静かに暮らすことを好む、森の聖者と言える動物なのです。またゴリラは賢く穏やかであるが故に精神的なストレスに弱く、動物園では環境の変化などによって精神病にかかってしまったり、下痢を起こしてしまったりというケースが報告されています。皆さんも動物園ではゴリラをはじめ動物達と会うときは、無暗に騒いだりしてストレスを与えないよう、是非よろしくお願いします。
アフリカゾウ/インドゾウ(長鼻目ゾウ科)
African Bush Elephant/Indian Elephant
「ゾウの耳と環境」
ゾウの仲間は種類によって姿形が違っていますが、アフリカゾウとアジアゾウを見比べてみて真っ先に感じる違いは耳の大きさかもしれません。アフリカゾウは大きく、アジアゾウは小さな耳をしていますが、これは両者の生息環境の違いによるものです。アフリカゾウは主に太陽が照りつける乾燥したサバンナ、アジアゾウは主に木々が生い茂った薄暗い熱帯林に生息しており、より暑い場所に棲んでいるアフリカゾウの方が大きな耳をしているのです。皆さん動物園でゾウが耳をパタパタと動かしているのを見たことがあるかと思いますが、あれこそがゾウの暑さ対策です。ゾウの耳の中には沢山の毛細血管が通っており、そこを直接風にさらすことで体を早く冷やす効果があるのです。
ウンピョウ/スミロドン(食肉目ネコ科)
Clouded Leopard/Smilodon
「進化の道筋」
皆さんはネコ科の動物で最も牙が長い動物と言われたら何を思い浮かべますか?それは大昔に絶滅したサーベルタイガーではないでしょうか。東南アジアの森には、かつてサーベルタイガーの末裔と考えられていた肉食獣が居ます。野生での生態が未だに多くの謎に包まれ、体の大きさはライオンやトラよりもずっと小柄でありながら、体の比率で言えば犬歯が最も長いというウンピョウです。ウンピョウは現在の学説ではサーベルタイガーの末裔ではなく、サーベルタイガーと同じように犬歯を長く伸ばす形の進化の道筋を辿ろうとしている動物なのではと考えられています。これは専門的に言うと「収斂進化」と呼ばれるもので、例えるなら違う地域に棲んでいる違う種類の動物同士が同じような環境の中で進化した結果、お互いに似たような姿や生態になったというものなのです。生き物の進化の方向性は繰り返されるのだということを思い知らされる話です。
インドライオン(食肉目ネコ科)
Asiatic Lions
「母の咆哮」
雄ライオンは自分の縄張りを宣言する方法のひとつとして、約8キロ先まで届くと言われる大声で吠えます。私も幼い頃夜のサファリパークで聞いたことがあるのですが、まさに圧巻と言える響きをしていました。実はこのライオンの咆哮にひとつ例外と言える事例が日本にあったのです。最近まで上野動物園にはライオンの中でも珍しいインドライオンが飼育されていたことがありました。このインドライオンの群れは母子家庭だったため、本来なら大人の雄がやるべき縄張り宣言の咆哮を母親が担当していたという記録が残されています。雄が行うはずの縄張り宣言や、群れのメンバー全員で面倒を見るはずの子育てを自分だけでやり遂げたとは肝っ玉母さんだったのだなと感心してしまいます。やがてその母親が天寿を全うすると、彼女の雄の子供が後を引き継ぐように立派に吠えていました。それを私が見たのはその雄が亡くなる数日前のことでした。
ケープヤマシマウマ/バーチェルサバンナシマウマ(奇蹄目ウマ科)
Cape Mountain Zebra/Burchell’s Zebra
「シマウマの馬車」
現代では陸での長距離の移動手段といえば自動車ですが、自動車が普及する以前は馬に引かせる馬車が使われていました。実は一時期ヨーロッパで、馬の代わりにある野生動物に馬車を引かせることが流行したことがあったのです。それはなんとシマウマでした。白黒の模様がおしゃれな雰囲気を醸し出していると、当時の人間は考えたのかもしれません。今で言えば、フェラーリといった高級車を乗り回しているのと同じ感覚で行われていたようです。絶滅したシマウマのクアッガも、生け捕りにされてヨーロッパに運ばれたものが馬車を引いているところが見られたという記録が残されています。しかし、実はシマウマはサバンナの暴れん坊と呼ばれているほどに気性が荒く、家畜馬のように人間に従わせることは難しいということから、この流行は次第に廃れていきました。またシマウマは背骨が弱いため、乗馬にも向いてはいません。
ソマリアダチョウ(ダチョウ目ダチョウ科)
Somali Ostrich
チャップマンシマウマ(奇蹄目ウマ科)
Chapman’s Zebra
トムソンガゼル(鯨偶蹄目ウシ科)
Thomson’s Gazelle
「サバンナの防衛同盟」
アフリカのサバンナでは様々な種類の草食獣が同じところに集まって共存しています。肉食獣の場合、違う種類の動物が一緒に居ると争いが起こってしまうのですが、何故草食獣は共存が可能になっているのでしょう。それには、それぞれ種類ごとに違う役割を持つと同時に、食べ物の食べ分けをしているからなのです。役割についてですが、例えばヌーは嗅覚、シマウマは聴覚、ダチョウは視力が優れています。こうした違う分野で優れた能力を持っているもの同士が集まって群れになることで、自分に足りない能力を補い、天敵の接近にいち早く気付くことが出来るのです。食べ分けについては同じ種類の草でも、シマウマは先端部分、ヌーは茎、ガゼルやイボイノシシは根の近くと、草食獣の種類ごとに食べる部位が違っていて、食べ物を巡って喧嘩になることはほとんどありません。つまりそれぞれが唯一無二の役割を担っていて、更に食性が被っていないことが共存を可能にしているのです。
アミメキリン(鯨偶蹄目キリン科)
Reticulated Giraffe
「背高のっぽの苦労」
動物園でキリンをよそに移すときは、あるルールがあります。それは必ず子供のうちに行うということです。なぜかと言うと大人のキリンは背が高過ぎるため、移動させる途中でトンネルなどの高さ制限に引っかかってしまうからなのです。そのため、体が比較的小さい子供のうちにやるのが安全というわけです。明治時代に上野動物園が初めてキリンを飼うことにことになったときも、汽車で運ばれるはずだったのが同じ問題に直面し、キリンは一度横浜港に降ろされてから小舟で日本橋まで運ばれ、特大の荷車に乗せられて人力で上野まで運ばれたという記録が残されています。
上野動物園へようこそ パート2
WELCOME to UENO ZOO part 2
上野動物園へようこそ パート1
WELCOME to UENO ZOO part 1
ビルマニシキヘビ/アミメニシキヘビ(有鱗目ニシキヘビ科)
Burmese Python/Reticulated Python
「毒がなくても」
皆さんはヘビの危険なところと言うと、まず真っ先に思い浮かぶのは毒を持っているものが居ることではないでしょうか。しかし、ヘビは毒ヘビでなくとも危険な種類は数多く居ます。大型のニシキヘビやアナコンダには毒がない代わりに怪力という武器があり、彼らが絞めつける力は獲物を複雑骨折させ、心臓を止めてしまいます。狩りのときには遥か頭上の何十メートルもの高さから獲物めがけて覆いかぶさってくるといった奇襲戦法をも使います。更には獲物を飲み込むとき顎の関節を外せるため、自分の頭よりも大きな動物も飲み込んでしまうことが出来るのです。気性が比較的大人しい種類はペットとして飼われているものも居ますが、大型である上人間を飲み込んだ例も報告されているため、飼うときは自治体の許可が必要となります。
ヨーロッパオオカミ/シンリンオオカミ(食肉目イヌ科)
Eurasian Wolf/Timber Wolf
「人間とオオカミ」
オオカミは人間の最良の友と言われる犬の祖先でありながら、人間との関係は良好なものとは言えないケースが多かったようです。氷河時代にオオカミは、当時狩猟採集生活を送っていた人間にとっては獲物を取り合う強力なライバル同士でした。更に時代が進み人間が家畜の放牧を行うようになると、オオカミは家畜を襲うことがあったためにますます人間から憎まれることになりました。また、赤ずきんちゃんといったオオカミが人間を食べる悪者として扱われる物語の登場もあり、人間はオオカミを悪の存在として必要以上に恐れました。人間は家畜と自分自身を守るためだとして大規模なオオカミ狩りを行い、オオカミは方々の地域で絶滅していきました。その一方でオオカミを神として祀っていたのは、実は日本でした。日本は農耕の国だったため、農民にとって当時生息していたニホンオオカミは、作物を食い荒らす草食獣を狩ってくれる益獣(役に立つ動物)だったのです。しかし、そのニホンオオカミも神の座から引きずり降ろされるときが来ました。ヨーロッパのキリスト教といった文化が日本に入ってきたと同時に、ヨーロッパのオオカミを迫害する習慣も入ってきてしまったのです。更にヨーロッパから持ち込まれた犬がジステンパーや狂犬病といった病気を持ち込み、ニホンオオカミ達は次々と倒れていきました。そして奈良県で捕獲された個体を最後に、ニホンオオカミは絶滅したと記録されています。
マレーグマ/マレージャコウネコ/アフリカラーテル(食肉目クマ科/イタチ科)
Sun Bear/Honey Badger
「肉食の甘党達」
肉食獣といえば肉を食べているのは勿論ですが、中には果物やハチミツといった甘いものも好んで食べる動物達も居ます。クマの仲間、ジャコウネコの仲間、ラーテル、タテガミオオカミ、キンカジューといった動物達がそうした例に挙げられるかもしれません。ラーテルはイタチの仲間で和名が「ミツアナグマ」と呼ばれているほどハチミツが好きな動物で、ミツオシエという鳥にハチミツがある場所まで案内してもらうことがあります。タテガミオオカミはイヌ科で最も足が長い動物で、人間の畑にサトウキビやバナナを食べに来ることがあります。キンカジューは姿は似ていませんがアライグマの仲間で、果物を主食にしている他、長い舌を使ってハチミツや花のミツを舐め取って食べています。
レオポン/ベンガルトラ(食肉目ネコ科)
Leopon/Bengal Tiger
「トラを尻に敷く恐妻」
ヒョウとライオンの間にレオポンを産ませることに成功した阪神パークは、新たな課題に挑もうとしたことがあります。レオポンに次ぐ新しい猛獣を生み出す実験として、トラとレオポンを掛け合わせた「タイポン」を作り出すことにしたのです。そこで雄のベンガルトラと雌のレオポンを同居させることになったのですが、この夫婦はレオポンの方が優位でトラは奥さんに怒られるたびに弱腰になっており、ときにトラの体の上にレオポンが座ることもあったそうです。文字通り、夫を尻に敷いてしまったのです。そして肝心のタイポンは産まれたには産まれたのですが、流産だった上に母レオポンがその死体を一口で食べてしまったため、その姿をまともに確認出来ないままこの計画は失敗に終わりました。
黒ヒョウ(食肉目ネコ科)
Black Leopard
「黒ヒョウの斑点」
黒ヒョウは名前の通り毛の色が黒いヒョウです。普通のヒョウとは違う種類の動物だと誤解されがちですが、両方とも同じ種類です。ですから普通のヒョウの親から黒ヒョウの子が産まれたり、その逆のパターンもあります。黒い毛の個体が産まれてくるのは「黒化」と呼ばれる遺伝現象で、ネコ科ではヒョウの他にジャガーやサーバルキャットといった動物達も黒い毛のものが確認されています。また黒ヒョウは湿気の多い熱帯林の地方で産まれることが多いようで、東南アジアに生息しているヒョウは半数以上が黒ヒョウだと言われていますが、乾燥した地域が多いアフリカでは黒ヒョウは稀な存在とのことです。この全身真っ黒に見える体ですが実は秘密があります。実は黒ヒョウの毛色は黒一色ではなく、黒地に黒の斑点模様があるのです。私が幼かった頃地元に移動動物園が来たとき、その中に黒ヒョウも居たのですが、檻の中を歩き回る黒ヒョウを見ていたときそれを確認することが出来ました。
カスピトラ(食肉目ネコ科)
Caspian Tiger
「絶滅トラの最後の地」
私は以前、動物園通いの写真家の友人から驚きの情報を聞いたことがあります。それはカスピトラの話でした。カスピトラとは西~中央アジアに生息していた、毛が長く、密集した細い縞模様が特徴のトラです。ウィリアム・シェイクスピア(1564~1616)の四大悲劇「ハムレット」に登場したことでも知られています。また、ウルトラマンガイアに登場した怪獣化したトラの銀色の眼のイザクこと、アルテスタイガーのモデルでもあります。絶滅した原因は現在生き残っているトラ達が抱えている問題と同じ、人間による毛皮や骨を狙った乱獲です。友人の話によると、そのカスピトラの最後の一頭が居たのが、なんと日本のとある動物園だったというのです。その動物園で飼われていた個体が死亡したことにより、カスピトラは絶滅宣言が出されたそうです。
キタシロサイ(奇蹄目サイ科)
Northern White Rhinoceros
「風前の灯火」
アフリカに生息しているサイの一種、シロサイは日本の動物園やサファリパークでも飼育されていますが、それは全て南アフリカ産の「ミナミシロサイ」です。ここではかつて中央~東アフリカに生息していた「キタシロサイ」について紹介します。キタシロサイは他の種類のサイと同様に、角を狙った人間による乱獲のため絶滅の危機に陥りました。このキタシロサイのケースはとても深刻で、最近最後の雄が死亡したことにより雌が2頭残るのみとなり、絶滅は時間の問題となってしまったのです。また最近キタシロサイの受精卵を作成することに成功し、それをミナミシロサイの代理母に産ませる計画があるとのことですが、果たしてこれが吉と出るか凶と出るか・・・。