私のマンガが一瞬で200万人に読んでもらえた理由
こんな漫画が、えらく伸びた。今まで自分は漫画を作っても3桁お気に入りされた回数など片手で数え切れる程しかなかったのだが…この記事を作成している時点で、リツイート数89,195、いいね数105,781、急に、1000倍である。 作るのには一時間もかかっていない。いつもと同じ軽い気持ちでアップした。中身についてはむしろいつもよりこだわりがなく、僕にとってはどうでもいい漫画だった。それに対してこの見過ごせない反応数である。 ちなみにわかる人にはわかると思うが、このタイトルは某ウェブ漫画の続編のパロディである。200万人というのは、漫画アップロード後から一週間弱、10月25日時点での エンゲージメント数 2,434,496 からとっている。他所での記事やらなんやらを加味しても一瞬と言うのは盛り過ぎな気がするが、このような記事は大げさに書くのが基本なので許してほしい。
例えば、10万回お気に入りされているものは誰かが10万点をつけたわけではなく、60点以上でファボを投げる人が10万人いたというような話で、また相乗効果で伸びているものはより伸びやすい傾向にあったりするため、拡散やお気に入りの数だけでは一概に内容を評価できないものだ。しかし、一方でいわゆるパクツイなどもそれなりに伸びていたので、やはり内容にもそれ相当の何かがあったのだと思う。 伸びるとも思わず描いたものが評価されるというのはある意味目論見が外れているわけで、これはインターネットマンガマンとしてあるまじき状況なのかもしれない。とりあえず理由を考察してみても損はないかと思った。
【このマンガの意図】
マンガのミスリードに作者が激高している状態、つまり表現者が自らの表現力をもって相手に伝えることが出来ない原因を相手のせいにしている状況。僕はダッセェなと思っていたが、現に自分もそんな感じになっている。腹と中指が立ってしょうがない。誤解を基にどうこう言われるのは本を濡らされることの次に気に入らないものだ。
…しかし、おそらくそこに意図せぬバズの本質はある。
「せんせー、トイレ」「先生はトイレじゃありません」
これは定型文である。自分が小学校の頃にも定番のギャグ(?)として存在していたし、検索すると今でもあるようだ。
ハイコンテクストだかローコンテクストだがしらないが、どう考えてもトイレに行きたいようにしかとれない。先生はトイレじゃありませんなどという返しはあらゆる意味で理解不能だ。普通に45分も授業があれば昼休みに行っても尿意くらいもよおすし、大については5分休憩じゃ無理な上にウンコマンというあだ名が付く。まあ小学校時代というものは全般的にそういう感じがついてまわるので、そこは気にしない方向でいった。ただ、このやりとりを知らない人はまずそこが気になるようだ。実際理不尽だし、仕方がない。でも人に話しかけるときくらいはまず自分の無知を恥じよとまでは言わないが視野に入れて欲しい。
この世界でも定形ギャグとして成立しているのは一コマ目の「ハハハ」で表現しているつもりだった。
突然の長文
この漫画はお決まりの応酬から始まり、突然長文のバトルが始まる。まあナンセンスギャグだ。突然踊りだすインド映画のようなものである。そして先生は話しながらボルテージが上がり、児童に自分の愚かさを恥じさせ、さらに彼の発言をクソ呼ばわりした挙句自分がトイレであることを否定する道具にしている。いわれのない言葉の暴力で、これもまたナンセンスギャグ。どちらかというとモンティ・パイソンやミスター・ビーン寄りのイメージだ。普通に先生駄目だろと僕は思うのだけど、これに対して賞賛する声が数多く寄せられ、また当然のように批判の対象ともなった。
まあ構造的にしょうがないのかな、とも思う。フリースタイルも割と後攻が有利だし、基本的にこの手の漫画は自分の意見を言い捨ててドヤ顔をするために作られるものだ。4コマ目を描くとしても、バトルの続きではなくザッと二人がファイティングポーズをとる感じになると思うし…。
これをわかってくれというのは望みすぎなのかもしれないが、別に正論でもマジレスでも知性でもなく馬鹿げたマウンティングバトルなのだ。「Twitterでよく見るやりとり」 と沢山コメントがついたが、おそらくそんな感じなのだろう。どちらかというと長文であること自体が重要だったためセリフの中身をあまり推敲していないし、誤字もある。自分はわりとフキダシとその中身にこだわりを持っているが、この漫画はその及第点に達していない。特に3コマ目「あなたの発言に対して冗談めかしてたしなめているのであり」のあたりなんて最悪だ。文字サイズと改行と妥協の末に今の形になっている。
とりあえず、特に理不尽で横柄な「自分の愚かさを恥じよ。」という言葉を使いたかった。「自らの愚かさを恥じよ。」の方が良いだろうかなどと投稿した後にも考えていた。最後のトイレ発言はせっかくだからクソと絡ませた程度で、勢いを殺している気がするので書き直すとしても悩ましい。一応オチを担当していて、また自分をトイレだと思われたくないことを強調しているため本気で怒っているような感じも出るかもしれないし、本質はナンセンス漫画だしなあなどと未だにうだうだ考えている。
表情
微妙に迷ったのが、長文を発する二人の顔をリアルにするか、デフォルメにするか…そして先生は優しい顔にするか、険しい顔にするか…ギャップ狙いとしては前コマとの比較が可能なためどちらでもよかったが、結局一番作画が楽なものを選んだ。
もしリアルな顔にしていたら、あるいは険しい表情にしていたら、このバズはあったのかどうか…それは今となってはわからない。
水に流せ
ツイートの本文。2秒。説明不足のわりに上手いといわれるが、僕はどちらかというとトイレの方に重心が偏っている気がする。
ハイコンテクスト
この"微妙に知ってるけど日常で常用しない言葉"が面白いと、4コマを描く知人に言われた。うまく言葉にするのが難しいが、なんとなくその感覚はわかる。セリフでウケをとっていくタイプの人は、結構そのラインを狙っているようだ。ただ、僕はなんとなくハイコンテクストという響きが好きで結構耳に馴染んだ言葉だったので、そこの認識の違いはこの漫画に対する印象の差を大きくしているのかもしれない。
言語学的にどうだ、日本語は果たして本当にハイコンテクストなのか、みたいなコメントもついていたが、僕は専門家じゃないし本当にどうでもよかった。
バズマンガ界の必要悪「白人間」
一つ良かった、と思っているのが、この漫画の登場人物はツイッターでよくバズる「白人間」ではないところ。こいつらも個性を排除して役割だけもたせた記号なので本質的には似たようなものなのだがそのへんの批判は白人間君が一手に引き受けてくれているのでなんだかありがたい。
メガネ
例によって特にこだわりはないのだが、癖でメガネには度を入れるようにしている。この先生は近視らしく輪郭が凹む。そこはメガネ好きに高評価らしい。「内容はともかくメガネ」って人が3人くらいいた。世のメガネはそんなに度数を無視されがちなのだろうか、そうだとしたらメガネ好きは結構憂い目にあっているのだろうななどと思いを馳せてしまう。
「まずはトイレに行かせろよ」「ブリッ!」
トイレネタだけあって、脱糞音のリプライ(真の意味でクソリプ)まであった。
さっきも触れたが、マンガ描いて伝わらないのって、まあ、自分の表現力が至らなかったということで本来反省すべきことなのだけど、さすがにこれはわかってくれるだろうと思っていた。
しかし…
この顔
大にせよ小にせよべつに差し迫ってないだろ。
先に長々喋りだしたのもこいつ。
これで漏らすなら、知らん。
即落ち肉便器モノ
「いいや、先生は便器だよ」的な返しパターン。自称変態っぽい人々が何人か投げかけてきた。嫌いではないけど、このやり取りに対するアンサーとしては結構ありがちなネタだ。しかも僕は絵があまり巧みではなくついでにそのような熱量もなかったのでまあ、描きたい人、描いて。
ウェブ記事
バズの波にノせられて、記事として取り上げたいという申し出が三件きた。
Pinga:最初に声をかけてきた割に、連絡はおろか普通のツイートもなかった。記事はあった。
ねとらぼ:好きな記者がいて、割と好意的な印象を持っていた。連絡も唯一ちゃんと個別にリプライをくれた。 まあ内容については、もうこの誤解は僕のせいなんでしょうがない。でも影響力が大きい上にヤフーニュースにも載ってしまうので、ちょっと手痛かったかもしれない。
amp: 記事化要望には「問題ないです」と返事したが、別段快諾というほどでもないのに「ご快諾ありがとうございます」ときたのはなんとなくイラッとした。まあそれはよい。「再度ご連絡」と言ったが一般向けの記事のツイートに@ahotrolで済ます横着。まあそれもいいか。「こちらの漫画と過去投稿された漫画を、面白漫画として~」とあったので「過去投稿された漫画」に微妙に期待していたがそれもなかった。いやまあ、実際探してみて面白い漫画が他になかったならしょうがないな…。
エゴサーチしてみたところ、許可なしに記事化しているところも見られた。その辺、後でも言及するけど本当にどうでもよかったため、どちらかというと、連絡するといいつつも連絡しないほうが心証が悪い。
ヤフーニュースはコメントが荒れがちな傾向にあり、例によって荒れてる感じあったので怖くて読めていない。
ともかく、ねとらぼはバズの追い焚きに強く携わっている気がする。
そういえばついでにこの記事を読んでいただきたい http://higehironomia.hatenablog.jp/entry/2016/10/20/154036 先生の発言を、「自分だったらこうしてほしい」とのこと。
先生の回答だが、生徒の回答に負けているのでしっかりしてほしいなと思った次第です。せっかくの成長の良き機会なのにイラつきに任せて子供に対してdisを送る先生よくいましたよね。それが現れててリアリティあるけど、リアリティ意識してそんなこと書いたわけじゃないだろうところはちょっとアレ。よって自分で書くならこうかな。 前半は同じ。
そこまで理解しているのであれば、私はあくまでも目上に対する発言に対して冗談めいて嗜めているのであり、本気で自分のことをトイレと思っているわけではないことにも気づいていただきたいですね。
以下改変
ですので、この場合は「先生、トイレに行きたいです。」と言いなおすだけで用がたりますよ。
これは、ハイコンテクストを理解しているはずの相手がどうしてあえて文脈を外した応答をするのかを問うために、ローコンテクストに表現をなおし再質問をするとその原因を問い出すことができるという自然に身につくコミュニケーションのテクニックです。社会生活を過ごしていると自然にハイコンテクストで効率的なコミュニケーションを取れるようになりますが、交渉においてハイコンテクスト言語だけで交渉が成立することに慣れてしまうと、ハイコンテクストの悪い部分「細かい説明をしない」点を増長させ、「空気読め」を強要する社会を作ってしまうことにもつながります。注意して利用しましょう。授業中にトイレに行くことは授業を中断させ他人に迷惑をかけ、また自分自身もその時間を無駄にすることになるので、休み時間中に用は足しておきましょう。ではトイレに行ってきてよいですよ。」
ってなところでいかがでしょうか。
は?
改善案、二度も「私ならこうする」という旨を発言しておきながらコレ。しまいには「誰か校正を何卒」である。 まず、この漫画はリアルじゃない。こんな子供はまあいなかろうし、先生もいるべきではない、あるまじきナンセンスな世界だ。あるいは何歩か譲ってこんな子供がいたとして、この人は、本気で、授業時間にトイレに立とうとする児童に対してこのサイコパスじみた伝わりにくい長文を発することが成長につながると考えているのか。 漫画も、空気も読めない人間がコンテクストを語っていること自体がナンセンスギャグに他ならない。
総評
リツイートは必ずしも肯定とは限らないが、人目には触れる。賛否両論あったほうが伸びやすいのは確かだと思う。やはり暴力は強い。 あと知能派"っぽさ"もスノッブを惹き付けるかもしれない。
一番はやっぱり運というか、めぐり合わせが大きいと思う。バズは爆発で、いかに影響力の強い人が拡散するか。キーマンがいる。そこを狙っていくのは効果的かもしれないけど、とてもいやらしいし、きっと描きたいモノ(あればのはなしだが)からは離れがちになると思う。
メガネは、喜ぶ人いることがわかったしみんなも度数を入れるといいとおもう。
まあ独りよがりに想像しても限度があるので素直に第三者に聞いてみたほうが良いのかもしれなかった。二時間掛かったこの記事の根底を揺るがす結論だ。
折角なので、以下はバズ体験者としての感想
通知欄
よく、伸びたツイートの主が「ヤベェwww通知鳴り止まんwwww」という旨をつぶやくが、半日で6万RTされると、もはやそういう次元ではなかった。通知にバッヂが着いたらすぐに見に行くのが手癖となっていたが、読んでも読んでも表れるのでもうどうしようもない。 とりあえず、設定で「フォローしているアカウントのみ」をオンにした。今でもリプライは検索で拾っている。ただこのフィルター、あくまでフィルター機能であるため、フォロー外の通知が記録される上限を突破したせいでしばらく何も表示されなかったし、出てもすぐに消えた。思い出が流されるようでそこはかとなく寂しくなった。
引用リツイートは本当に「知らんがな」って感じのコメントばかりで、多分している本人も普通のツイートのノリだろうので、本当に勘弁して欲しかった。アカウント名の検索には引っかからないので、その点はありがたい。
承認欲求
かつて一人一人だったRT,お気に入りが一瞬で数字に成り果てた。繰り返すが自分ではあまり気に入ってない漫画だったのでどちらかというと空々しい気持ちになった。ただ、ついでのように別の漫画が掘り起こされたりして、それは良かった。
フォロワー
一晩で1000人増えた。今は2000人。もともと500人くらいだったため約4倍になった。
知らない人がどっと増えるわけで怖さもあるが、今後マンガをより多くの人に読んで貰えると思うと、これは純粋に嬉しいことだ。ただ、増えると同時にすごい勢いで減っていて、数字的に変化がない時もフォロワー欄を更新するたびに別の名前が並んでいた。そのうち減る一途とはなるのは容易に予想できる。
パクツイ
これがまるで気にならない。今までされたこともなかったため、もともとそうなのかバズの果てなのかはわからないが、記事にしたいと言われたのもどうでもよかった。どうせ金にはならないし。
イケる!と思ってイケてしまえばそれは成功体験として記憶され、かえって柳の下のどじょうを探してしまう危険性もあったかもしれないが、どちらかというと僕は事故認定しているため、そうはならない。おそらく今後狙ってイケることもない。きっとこの記事も大して読まれない。 この先一生このツイートを越えられないのかなどと考えると少し虚しくなるが、極力気にせず行こうと思う。 マンガ自体については本当にどうでもいいので、適当にフキダシを埋めて遊んで下さい。フリー素材です。













