三毛子感想
花千代
三毛子感想
このたび能楽堂版『三毛子』を拝見して思ったのは
ひとり文芸ミュージカルというジャンルは能楽堂での出し物に向いている、ということ。
『乙姫さま』のような、テーマからしてお能がかった劇だけでなく、漱石の「吾輩は猫である」という明治の文豪の猫からの視点で語られるような作品からインスピレーションをうけて作られた台本でも、能舞台を背景に演技が進行してゆく過程は実にすんなりと自然で違和感がないのであった。
かえって三越劇場での初演よりも、猫のモノローグが引き立って見えたのは私だけであろうか?
それはやはりお能というのは、基本的にシテという主役と脇役のツレ、またはシテだけ、あるいはワキツレなどの登場人物だけで演じられる演劇であり、そのシンプルさがひとり文芸ミュージカルの演者構成に近いということと、お能での代表的な役柄としては、霊や各地の神様、松や桜などの草木の精、天女、キツネ、天狗、鬼など、人間以外のものも多く登場する。
それが乙姫さまであったり、猫であったり、生者と死者の世界を行き来する登場人物が主役の、スミダガワミドリ氏の脚本との親和性があるのだろう。
今後はひとり文芸ミュージカル版「竹取物語」をるる子さんのかぐや姫役で観てみたいものだ。














