ESM事例カンファレンスを開催しました
こんにちは、永和カンファレンスの羽根田です。
今回、「ESM事例カンファレンス2015 ~モノづくりと、ヒトづくり」を開催しました。登壇頂いた皆様、参加された皆様、運営に携わったスタッフ、ありがとうございました。今回で第2回目になる事例カンファレンスですが、大盛り上がりの内に終了できました。
当日のレポートを綴ります。
この事例カンファレンスのキモは、なんといっても弊社の受託開発や、コンサルティングといったサービスをご利用いただいているお客様自身から、弊社の評価をお話しいただくという点です。
今回は、どの登壇者も弊社をほめていただいている部分が多く、弊社社員として誇らしい気持ちになりました。とは言え、まだまだな部分についてもご指摘いただき、身の引き締まる思いです。
まずは、簡単に当日のアジェンダを。
「永和の賢者たちと作ったキャリアカーバー誕生物語」 二木 祥平 様 株式会社リクルートキャリア ネットビジネス推進室 スクラムマスター
「非開発系の人にもやさしい、アジャイルの”本当のところ”」 森 裕希 様 ハバスワールドワイドジャパン株式会社 アカウントスーパーバイザー 山崎 智子 様 ハバスワールドワイドジャパン株式会社 シニアプロジェクトマネージャー
「キヤノンのアジャイル開発導入事例」 原 健太 様 キヤノン株式会社 主幹研究員
「チーム開発セミナーの導入事例」 船山 賀央 様 ヤフー株式会社 ラーニングチーム
アジャイルに関連する事例発表になりますが、製造業からスタートアップ、ITの現場から非IT系や人事部門など目的も違う、様々な確度からの実践事例をお話頂きました。
それでは、レポートです。
実は、開発の半年前から根回ししていた
リクルートの二木さまから、キャリアカーバーのビジネス企画から初期リリースまでの道のりとアジャイル導入の勘どころを話してもらいました。キャリアカーバーは、リクルートが展開するハイクラス・エグゼクティブ限定の会員制転職サイトで、これまで展開している人材系サイトとはターゲットを変えているのがビジネス的なミソになっています。
リーンキャンバスを描いてビジネス企画・合意するところから、バックログで初期リリースのスコープを関係各所と調整するところ、ベロシティを元にチームを改善していくところなど、教科書通りのアジャイルから現場合わせをしながら、現実解を導き出すところは実践者ならではのノウハウが詰まっていました。
その中でも心に残ったのは、実は半年前から経営層にはアジャイルの導入メリットを説明し、合意をとっていたというところ。ビジネススピードが早いイメージが強いリクルートですが、その裏ではキチンと時間をかけて、関係者と適切な事柄をすり合わせを行っている。そういう日々の意識合わせがあってこその、ビジネススピードが出せるんだな、と改めて感じました。
アジャイルは正しく協業できる環境を入れてくれた
ハバスワールドワイドジャパンの森さま/山崎さまからは、広告代理店の実態となぜアジャイルが必要で、何が良かったのかをお話頂きました。
冒頭から、広告代理店のブラックな裏側をぶっちゃけてもらい会場を盛り上げてくれたお二人。顧客のフロントに立つ広告代理店とその後ろにいる開発チームとの役割分担に、非常に問題意識を持っていて、藁をもつかむ思いでアジャイルの枠組みで仕事をやった、とのこと。
数々のエピソードがありましたが、その中でも強制的/定期的な情報同期の環境下に置かれたことで、プロジェクトのムダが減り、プロジェクトの成功に繋がった、というお話が心に残りました。これまでは、顧客との打合せには代理店のみが参加するという商習慣があり、それが無限の伝言ゲームを作り上げていた。それを定期的に全員参加でミーティングの時間を持つことで、役割分担が明確になり、これまでの物理的・精神的なムダがずいぶんなくなったそうです。ある側面からみると当たり前のことかもしれませんが、別の文化からすると新しいことでそれが顧客満足に繋がる。ずいぶん認知されてきているアジャイルですが、まだまだ普及していく可能性があるな、と感じていました。
3か月のプロジェクトでは、実装に7日間しか期間が取れない
キヤノンの原さまからは、長い製品開発期間を短縮するためにアジャイル開発(特にスクラムと、テスト駆動開発)を導入した事例をお話し頂きました。キヤノン様の事例が社外で話されることは少なく、とても貴重なお話となりました。この事例だけを聞きに来たという方もいらっしゃいました。
ハードウェア開発の品質保証を念頭に置いた開発プロセスがあり、これはハードウェアの開発にはとても成果を挙げていたとのこと。しかし、その開発プロセスを、そのままソフトウェア開発に当てはめてしまうと、開発期間が長くなってしまい、ビジネスチャンスを逃しているということでした。この開発期間を短くするために、原様の部門ではスクラムを導入したということでした。しかし、スクラムがうまく機能させることができず成果が上がらず、弊社のコンサルティングサービスをご利用いただくことになりました。その結果、スクラムがまわり、リリース可能な製品ができるようになってきたということでした。
ご発表の中では、あまり強調されていませんでしたが、品質保証部門の人がプロジェクト期間を通してスクラムマスターの役割で参加していたというのは、あまり聞かない事例です。このように組織の役割までも見直しできているのは、センター長からのトップダウンによるたまものだと思います。
強いチーム作りに、自分たちで考え動くマインドが必要だった
ヤフーの船山さま(助っ人で栗秋さまも登場)からは、総勢数百人を対象とした強いチームのつくりかた研修を行った事例をお話し頂きました。来場頂いた方も、人材育成に関心をもつ方は多く、どのような仕掛けで、どのようなことに気をつけて企画・運営していったのか、というお話は響いたのではないでしょうか。
その中でも、心に残ったのは研修の目標と結果のお話。巨大組織のヤフーでは、ここのチームを強くしていくことが求められていました。お話を聞いての私の解釈ですが、強いチームとは、開発力だけではなく、関係性のある他のチームの嬉しさと自分達の嬉しさを自ら考え自ら行動できるチーム、と捉えています。そのマインドと手段を提供し、チームの背中を押すことが、この研修の目標だったのでは、と改めて感じました。チームで受講し、マインドを揃え、教わったこと(ふりかえりやタスクの見える化、など)を現場で導入していき、行動が変わっていったチームがありました。強いチームに着実に近づいていったのでは、ないでしょうか。
最後にまとめ
最後に、参加してくれた弊社社員に感想を聞いたところ、「受託開発って面白い、って改めて思った」とのこと。冒頭にも書きましたが、製造業があればスタートアップ、広告代理店での協業、人事部門の人材開発など、多種多様な人達との出会いは、オーダーを受けてモノづくりをする受託開発ならではの多様性です。世の中的には、暗いイメージの受託開発ビジネスですが、次の出会いとハッピーな関係構築に向けて、日々努力していければと考えています。
皆様、第3回目の事例カンファレンスで会いましょう。
最後に、登壇頂いた皆様、参加頂いた皆様有難うございました。





