どうやら、屋根付きのバス停らしい。 ちょうど疲れてきたので、ぼくたちは休憩がてら、さっきの本をいっしょに読むことにした。 小屋の横にあった自販機でサイダーを買って、屋根のついた待合所に並んで座る。 二話目はぼくが父さんから聞いた話と同じだったというと、 「それじゃあ、三話目から読もうか」 夏希さんがそういってくれたので、ぼくはぼろぼろの本を傷めないように、そっとページをめくった。
— 緑川聖司作/浮雲宇一絵『図書室の怪談 魔女の七不思議』(2022年7月Kindle版、ポプラキミノベル)

No title available
One Nice Bug Per Day
No title available

Product Placement

pixel skylines

blake kathryn

ellievsbear
No title available
2025 on Tumblr: Trends That Defined the Year

Kaledo Art

Discoholic 🪩
wallacepolsom
Sweet Seals For You, Always
taylor price
DEAR READER

Kiana Khansmith
Today's Document

tannertan36
Jules of Nature
I'd rather be in outer space 🛸
seen from Malaysia

seen from Germany

seen from Malaysia
seen from Singapore

seen from Azerbaijan

seen from Jamaica

seen from Jamaica
seen from Jamaica
seen from United States
seen from United States
seen from United States
seen from United States

seen from United States

seen from United States
seen from United States
seen from United States
seen from France

seen from Germany

seen from Singapore
seen from Lithuania
@findareading
どうやら、屋根付きのバス停らしい。 ちょうど疲れてきたので、ぼくたちは休憩がてら、さっきの本をいっしょに読むことにした。 小屋の横にあった自販機でサイダーを買って、屋根のついた待合所に並んで座る。 二話目はぼくが父さんから聞いた話と同じだったというと、 「それじゃあ、三話目から読もうか」 夏希さんがそういってくれたので、ぼくはぼろぼろの本を傷めないように、そっとページをめくった。
— 緑川聖司作/浮雲宇一絵『図書室の怪談 魔女の七不思議』(2022年7月Kindle版、ポプラキミノベル)
「わあ」 ページのすき間にシミムシがいそうな冊子を、真美は嬉しそうに受け取った。横からのぞくと、ヒエログリフみたいに読みづらい文字が並んでいる。 「誰の日記なんだろう。全然名前が書いてないけど──」 一文字を判読するだけで大変そうな文章を、早くも熱中して読んでいる真美の様子に、友哉は感心した。
— 堀川アサコ著『日記堂ファンタジー』(2013年4月Kindle版、講談社)
店先での二人の会話は店内にも聞こえているはずだが、当の鏡太郎は黙々と曲亭馬琴の「近世説美少年録」の頁を繰り続けている。よくもあれほど熱心になれるものだと感心しつつ呆れつつ、義信が鏡太郎の横顔を眺めていると、瀧が微笑んだ。 「ああなると、当分掛かりますよ。話しかけても耳に入らないので、選び終えるまで気長に待つしかないですけど……もしかして、帰りも送るって約束しちゃったんですか?」 「その通りです。すぐ選ぶからと言われたので、それなら構いませんよと」 「鏡太郎さんの『すぐ』は、下手したら半日ですよ。お疲れ様です。……しかし鏡太郎さん、呑気に貸本屋なんかに来てていいんですか? 受験も近いんでしょう?」
— 峰守ひろかず著『少年泉鏡花の明治奇談録』(2023年8月Kindle版、ポプラ文庫ピュアフル)
お気に入りのソファや静かなカフェなど、「ここなら落ち着いて読める」という自分専用のスペースを見つけるのも効果的です。こうすることで脳の注意資源(何かに意識を向けるときに、脳が使うエネルギー)が節約され、読書に深く没頭しやすくなります。
— 毛内拡著『読書する脳』(2025年12月Kindle版、SB新書)
武蔵は毎晩のように長屋の自室で酒を飲みながら小説を読んだ。一読では理解できぬものも多かったが、繰り返し読んでいるうちに意味がわかってくる。武蔵は次第に小説の読み方を理解していった。流麗な文章を味わうもの、起伏ある物語を味わうもの、登場人物の心理の動きを味わうもの、現実に即した自然な描写や展開を味わうもの……作品によってそれぞれ読みどころは異なるのだ。
— 田中啓文著『文豪宮本武蔵』(2020年7月Kindle版、実業之日本社文庫)
パンデミック期や、刑務所での読書の例から、人は危機的な状況のなかで、精神的に安定を得る「方略」として、読書をとりいれたことがわかります。そこでは本の世界に没頭するだけでなく、本を読む人々の姿、図書館の雰囲気といったことからも「心の自由」を感じているのですね。ただ、逃避読書は特別な時期に限らず、個人個人が必要とするときに応じていつでも行えばよいものであることも、つけ加えておきたいと思います。
— 桜井政成著『読書スタディーズ──本好きはどうつくられるのか』(2026年5月、明石書店)
色づいた木々のあいだからこぼれる陽射しはやわらかく、風もおだやかだ。 ああ……こんな素敵な日に、こんな心地いい場所で、大好きな本(彼女)をめくれるなんて……幸せだなぁ……。
— 野村美月著『むすぶと本。『嵐が丘』を継ぐ者』(2020年11月Kindle版、ファミ通文庫)
ベッドの横のパイプ椅子では、眼鏡をかけたサッちゃんが読書していた。黒っぽいシンプルな、妙に大人びた服装をしている。なんの本を読んでいるんだろう。ピントがうまく合わせられない。目をこらす。カタカナだ。ジョー・ブレイナード。燃えた私の蔵書にもあった。たしか、タイトルは──。
— 佐佐木陸著『解答者は走ってください』(2023年11月Kindle版、河出書房新社)
その日もマツリカは午後を書冊に埋もれて過ごしていた。毛織り絨毯に羽根枕を重ね、上に胡坐で経机を引き寄せて字引きを開いている。マツリカは本来椅子に腰かける習慣であるが、こうして床に腰を据えると思わぬ文献学上の利便があった。ぐるりの絨毯の上に参照書目を全部開いて置いておけるのだ。 開いた書物が円を描いて絨毯に並び、場所によっては図書の円は二重、三重になっている。中心では字引きを膝に開いたマツリカが、まるで時計の針のようにぐるぐる廻りながら周囲の書冊を眺め渡しては頁を繰っているのだった。
— 高田大介著『図書館の魔女 霆ける塔』(2025年11月Kindle版、講談社)
まるで父には何の秘密もないように、生涯一つの職場で働き、出張の道順も同じ、退勤したらすぐに帰宅して食事を作り、食事を終えたら本を開いて読んだ。出張の時は毎晩六時に家に電話をかけて、そのあとは農家の炕の隅で本を開いて読む。リストラされてからは広場で茶卵を売った。それもある種の仕事ではある。露店を片づけると帰宅して食事を作り、食事を終えたら本を開いて読む。
— 双雪濤著/大久保洋子訳「飛行家」(『平原のモーセ』2025年11月Kindle版、小学館eBooks)
まだ眠たくないので鞄の中から信夫さんに借りた探偵小説を三冊、とりだして膝の上においた。 「なんだ。アイリッシュの小説まだ読んでいないのか」 あの時の信夫さんの声を美奈子はまだ憶えている。「すごく面白いんだぜ。スピレインやハメットの血なまぐさいものより、ぼくぁこんなしみじみした探偵小説の方が好きだがねえ」 「黒衣の夫人」「幻の女」「死線をこえて」その三冊を手にとっているとふしぎに胸までが疼くような気がする。信夫さんがこの本にさわったのだナと考えるだけで美奈子はゾクゾクとうれしい。とても読めたものではない。
— 遠藤周作著「赤い帽子」(『秋のカテドラル 遠藤周作初期短篇集』2022年8月Kindle版、河出書房新社)
「本当にすぐ帰りますよ」 そう言いながら、コウモリ君は、すでに居間に腰をおろしている。居間といっても、ほとんど古机がひとつあるきりのひと間で、そこで私は晩の食事もしたのだし、そのあと、そこに居座って塩せんべいをかじりながら本を読んでいたのだった。 「本を読んでいたんですね」 と、コウモリ君は探偵のように古机の上を物色している。 「そして、塩せんべいをかじっていた」 余計なお世話である。
— 吉田篤弘著「夜おそくの客」(吉田浩美著『a piece of cake』2002年12月、筑摩書房)
「本さえあれば、何もいらないかも知れません。──たとえば、そこが遠い星の海の彼方で、ひとりきりの宇宙船で旅をしているとしても、傍らに本があれば、寂しくないですから。だって、無数の言葉や誰かの想いが──魂が、形になってそこにあるのと同じですからね。ひとりでも、ひとりきりの旅じゃない」
— 村山早紀著『さやかに星はきらめき』(2023年11月、早川書房)
俺はなんとなくリビングにある段ボール箱を開けながら、ちらちら韮子を見た。本を取り出すごとに韮子は、「おっ」とか「へえ」とか、俺に聞こえるか聞こえないかの声を出した。それらは見事に俺の感覚とずれていて、挫折したロシア文学を満足気に見ているときは、俺に感想を求めないでくれと思ったし、捨てる予定の自伝的小説のあらすじを真剣に読んでいるときは、どうか俺がそれを一軍の小説にしていると勘違いしないでくれと願った。しかし韮子はどの本に対しても一言も感想を言わなかった。
— 川上佐都著『今日のかたすみ』(2023年12月、ポプラ社)
暦は八月に突入し、大学の講義も今は夏季休講期間。 本来であれば大学になどわざわざ顔を出さなくてもよいのだが、生憎と貧乏学生の身。このクソ暑い毎日、自由に自室のエアコンを起動させて涼を取れるほど裕福ではないため、こうして日中は大学設備を利用して快適に過ごしている次第だ。 そんなこんなで、大学図書館の隅で最近入荷したばかりのミステリを読み耽っていたのだが……。その途中、暇を持て余して構内を徘徊していた同期の伊勢崎に見つかり、話し相手を強要されているのだった。
— 紺野天龍著『魔法使いが多すぎる 名探偵倶楽部の童心』(2025年3月Kindle版、講談社タイガ)
「本を読むのが似合うって、具体的にはどういうシチュエーション?」 「電車の中で、携帯いじったりしてるわけじゃなくて、本を開いてる人を見ると、おっ、て思って興味惹かれるね。あとは喫茶店に一人で座って読んでるとか」 「その本はどんな本だったら、なお好み?」 「うーんと、小さい本あるでしょ? あれが鞄からさりげなく出てくるとかっこいいなって思う」 小さい本、というのはつまり文庫のことだ。「どんな本」という問いかけにジャンルや作者名ではなく判型を答えるあたり、彼が本の世界にそこまで関心を持っているわけではないことがわかるが、私は嬉しくなった。
— 辻村深月著「女子と文庫」(『図書室で暮らしたい』2020年11月Kindle版、講談社文庫)
図書館は静かだった。前を見ると、机に向かう人の背中が見える。隣には本を読みふける少女、そのページをめくるかすかな音がする。わたしたちを何重にも取り巻くのは無数の本だ。本というものは音を吸い込むのだろうか、今、自分の頭の中まで鎮まっていくような、経験したことのない静けさに包まれていた。
— 柊サナカ著『黒猫のいる回想図書館』(2025年5月Kindle版、ハーパーBOOKS+)