[番外]2019.2.8 - 23 パタゴニア フィッツロイ編
アルゼンチン3日目の朝。
時差ボケのおかげで、早朝からの朝食の活動がはかどるはかどる。
この旅行で毎日食べることになる同じような朝食も美味しくいただけた。
7時過ぎにはホテルをチェックアウトし、この日の目的地のフィッツロイの登山口、チャルテンへとバスで移動。
移動時間はだいたい約3時間半。
24時間以上の飛行機移動を経て来ているので、3時間ぐらいなら屁でもない。
途中、鷹(?)のお出迎えを受けたり、ドライブインに住みついていた子猫とたわむれたり、何でもない川の辺りで記念撮影したり。
フィッツロイのが遠くに見えるフォトスポットでは、おかしなポーズで記念撮影。
とにもかくにも始終テンション高め。
チャルテンのホテルには11時に到着。
チェックインするにはまだ早すぎるので、ホテルに荷物を預けてフィッツロイが望める展望スペースへトレッキングに出かけた。
話が少しそれるが、僕はここチャルテンがパタゴニアツアーの中で、一番楽しみにしている街だった。
数年前、「クライマー」という映画を見て、ダーフィット・ラマがフリー化したセロトーレを自分の目で見てみたいと思った。
本当はこの日はセロトーレへのトレッキングが予定されていたが、好天時にセロトーレを見ておいた方が良いとの添乗員さんの判断によりフィッツロイが望める展望スペースへと目的地が変更された。
ツアーである以上、他の参加者のみなさんの意見が尊重されて然るべきではあったものの、ダーフィット・ラマが事故で亡くなってしまった今、あの時セロトーレを見ておきけば…という気持ちが出て来てしまった。
後悔先に立たず。
さて、話を戻して…。
この日のトレッキング時間は約4時間。
翌日に控える本番フィッツロイトレッキングに備えての足慣らしも兼ねている。
ラマもこの風景を見ていたのかな…と嫁と交わした会話を思い出すと、今となっては何とも言えない寂しい気持ちになる。
フィッツロイの登山口はチャルテンの街はずれにある。
添乗員さんから大まかなルートの説明を受けて、いざ展望スペースへトレッキング開始。
まずは登山口からほどないところで、ゆうに5m以上はありそうなチョーク跡のあるボルダー(岩)が僕らを迎えてくれた。
パッと見た印象だと2〜3段ぐらいの難易度はありそうだったが、後日調べてみても正確なところはわからずじまい。
もう少し本腰を入れて調べるか、トポを買うでもしないと分からないのかもしれない。
その予想外のボルダーから少し歩き、視界がひらけたところに着いた。
まだ1時間も歩いてはいないものの、とりあえずここで一休み。
ここから見下ろす風景は、いま振り返れば何ということのないものではあるものの、旅の空気が感覚を麻痺させたのか、意味もなくジャンプして記念写真なんかを撮っていた。
どっからどう見ても運動神経悪そうなジャンプで今更ながらに恥ずかしい。
ここから目的の展望スペースまでは1時間ちょっと。
途中でキツツキに遭遇することはあったものの、基本的にはあまり風景を楽しめるポイントも少なく、ただ黙々と歩き続けた。
そしてたどり着いた展望スペース。
セロトーレへの未練が、この風景を見て一発で吹き飛んだ。(この時は)
さすがパタゴニアを象徴する山、迫力半端ない。
ここでお昼休憩を取り、帰りは 別ルートで下山することに。
途中、カプリ湖越しにフィッツロイを見ることができ、これはこれでなかなかのロケーション。
当然、ここでも記念撮影。
帰りもキツツキにお見送りしてもらいつつ、無事にチャルテンの街へ下山。
ここまで綺麗にフィッツロイを見れるのはとても運が良いことだったらしく、添乗員さんもかなりテンションが高まったようで、お祝いにクラフトビールをご馳走してくれた。
カラカラの喉に流し込むクラフトビールは非常に美味だった。
ただ疲れてしまってビールの写真を取り忘れたのは痛恨のミス。
取り返せない失敗ってあるよね。
夜ご飯はアサードばかりでは…となったので、ピザが美味しいレストランを予約してくれた。
食後、21時をゆうに回っているにもかかわらず、空はまだまだ明るい。
この時期のパタゴニアは日が長く、時差ボケも合間って、21時ぐらいではまだ夕方ぐらいの感覚になってしまう。
せっかくなのでチャルテンの入り口まで散歩したり、その途中、放し飼いにされていた小型犬に妻が絡まれたりしつつ、パタゴニアの夜長を楽しんでフィッツロイの初日を終えた。
そして翌日。
フィッツロイへのトレッキング本番。
ホテルのチェックアウトを済ませ、前日とは別の登山口へバス向かった。
この日のルートは、登山口からもフィッツロイを臨むことが出来るので、スタート直後から非常に気持ちが良い。
途中、鬱蒼としたところも確かにあったが、要所要所で氷河などが望めるポイントがあるので、飽きることがなかった。
ただ…、時期的なものなのか分からないが、この日のフィッツロイは毛虫が大量発生…。
記念写真ではもちろん楽しそうにはしているものの、本音を言えば、木々が生い茂っているところは早々に脱出してしまいたかった。
こんなに最高のロケーションでも、道の両サイドにはおびただしい数の毛虫が…。
途中のキャンプ場も例外ではなく、嫁と「このキャンプ場には泊まれないね…」と話すほど。
ちなみにこのキャンプ場でトイレをお借りしたのだが、床が薄め&古めのベニヤ板で作られた汲み取り式便所(いわゆるボットン便所)だったので、ロシアンルーレットさながらのスリルを味わうことが出来た。
そこら辺の肝試しよりもよっぽど恐怖だったので、スリルを求める方はぜひ使って見てほしい。(非推奨)
このキャンプ場を越えた頃から、傾斜が徐々に急に、さらには気温もだんだんと高くなってきた。
否応なしに足取りも重くなってくるはずだったが、少しずつフィッツロイに近づいている実感からか、疲れよりも高揚感の方が勝り、疲れをあまり感じることなく歩き続けることが出来た。
展望ポイント直前の踊り場に着く頃には、フィッツロイがもう目の前に。
そして最後の坂を登りきった先に、僕らを待っていたのがこの絶景。
目の前のフィッツロイも素晴らしいが、背後に広がる山麓の風景も開放感があり心地が良い。
360°どこを見ても、(多少人は多いものの)気持ちの良い景色が広がっている。
毛虫の恐怖も、ボットン便所のスリルも、そして約4時間歩いた疲れも一気に吹き飛んだ。
場の空気を乱していたのは僕ら夫婦のカワウソTシャツぐらいなものだ。
この展望ポイントで30分ほど休憩を取り、下山の途へ。
時間はもう15時近く。
19時過ぎのバスでカラファテへと帰る予定になっていたので、あまりのんびりすることは出来ない。
とはいえ、下りの方が足腰への負担が大きく、体格の小さい嫁には一段一段の段差がかなり厳しい様子。
ただ日本からストックにだいぶ助けられたようで、なんとか最後まで歩ききることが出来た。
下山後に簡単な食事でも…と添乗員さんは言ってくれたものの、ツアー参加者全員が疲労困憊。
とてもまともな食事が喉を通るような状況ではなかったので、スーパーでビール(大切)と軽食だけを購入して、これをこの日の晩御飯にした。
犬の真似をしながら買い出しを待つ妻に、冷ややかな目線をあびせる外人さんの図。
カラファテへのバスではもちろん爆睡。
わずかなに途中のドライブインで人懐っこい子猫と再開した記憶だけは残っている。
カラファテに着いてからの記憶なんて言わずもがな…。
そして翌日は、プエルトタナレスへと向かう。
続く。







