20/02/18
4、5年前の恋人から突然連絡が来た。終わり方があまり綺麗でなかったから全く連絡を取っていなかったし、SNSの繋がりも連絡先も全部消していたはずなのに、一つだけ取りこぼしていたアカウントがあったらしい。記憶の片隅に追いやっていた笑顔のアイコンが、随分と久しぶりに画面上で瞬く。
今になってどういう風の吹き回しだろう。そんな疑問を抱きつつも、それ以外の感情は特に持つことなく返信をすれば、電話がしたい、とのこと。心当たりは無いが急ぎの用らしいので、コンビニで買った夕飯を早々に食べ終え、着信を待った。あのときの自分はいじらしくて本当に馬鹿みたいだと、電話を終えた今は心底思う。もれなく全部、消していればよかった。
仔細を書くのは控えるが、7分そこらの通話の中で、私はとある嫌がらせの犯人だと疑われた。その罪を咎め問いただし、今後は一切しないようにと忠告され、挙げ句の果てには付随する秘密について口外しない約束まで契らされた。突然のことすぎて言葉を失った。絞り出すように「身に覚えがない」と返したけれど、揚げ足を取るように言葉尻をつついてくるから、いっそ笑いが込み上げてきてしょうがなかった。
この人は今も昔も、私が口にする言葉なんて信じない人間なんだ。ひさしぶり、元気?無理しないでね。そうやって白々しく続けられる半ば一方的な会話を呆然と受け流しながら、心の底がどんどんと冷えていくのを感じた。
電話を切ってしばらくして、冷静な気持ちで通話履歴を眺めたところで、なぜ私が許したり我慢したりしなければならないのか?ということに気がついた。あまりのことに頭が回っていなかったが、そうだ、私には怒る権利がある、と閃いて、それからは早かった。心外です、と吐き捨ててブロックした。スマホを握る手が震えていた。


















