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Chan Dick
Chan Dick 陳的
The Trek
https://www.chandick.hk/the-trek#1
With an astute eye for beautiful geometry, Chan Dick observes the daily proceedings of firefighters at his local fire station through the frame of an open window. The result is this portfolio box which contains 40 unbound prints culled from the more than 1,500 photographs he took.
写真展「Chai Qan Fire Station」Chan Dick @Mirage Gallery
朝目を覚まして「やっぱり今日行かなくてはいけない。」と思い…すぐ支度をして新幹線に乗って西へ向かった。 神戸のギャラリー「Mirage Gallery」で今日から展示がはじまるChan Dickさんの写真展「Chai Qan Fire Station」だ。 そして今日は神戸「Mirage Gallery」のオープニングの日でもある。 昨年末にいったん8年間続いていた役割を終えたGallery TANTO TEMPOの後を受け継ぐ形でディレクターの杉山さんが作ったギャラリーとなる。 最後の展示のレセプションとなった昨年11月にもお邪魔させていただいた。 その時に僕は身をもって大切なことを経験させてもらったと思っている。(参照:「無題」) 記事のタイトルを「無題」とした自分自身に対するその問いの答えはまだ見つかっていない。 無責任な傍観者にならずに出来ることをプレイヤーの自覚をもって積極的に関与してくことしか今は出来ない。 神戸元町駅からも三宮駅からもほど近い場所に新しくオープンした「Mirage Gallery」は想像以上にすばらしい空間となっている。 行ったことはないのだが、どこかアメリカ西海岸の解放感を感じる開放的な空間だと思った(察するにどうも西海岸ではなく正解はパリのようだ)。 ギャラリーと写真のマーケットのことは答えも出ていないし、簡単には言葉にしづらいのでまた別の機会にしたいと思う。 今回のChan Dickさんの展示について。 香港の作家さんであるChan Dickさんとは実は顔見知りである。 昨年、今年と参加した香港のHK Photobokk Fairで会っているのだ。 作品づくりをしていることは薄々知っていたが、実際に作品を観るのは今回がはじめて。 たのしみにして展示に向かった。 作品は一目見てわかる構成美。 まちがいなく僕の好みの作品である。 圧倒的な構成美と作家の独特の視点が観るものを不思議な感覚に陥れる。 作家によって与えられた視点から観たその光景は完璧に構成されたある種の圧倒的な美しさを見せている。 モチーフとなっているのは消防署のスポーツグラウンドとそこにいる、もしくはあるものだ。 観れば観るほどに引き込まれていくのだが、ある段階からこの見た目の面白さ以上の「何か」を感じるその「何か」が知りたくなった。 少し話はそれるが、日本の消防団の消防操法というものの教材映像を作ったことがある。 消防は人の命に係わる仕事ということもあって規律正しく、規則正しくということを軸に普段から厳しい訓練を行い、その技術とスピードを競う全国大会があるほどだ。 軍隊ほどでないにしても規律正しく動くことを望まれるであろうし、それを是とするところの強い仕事であるという印象がある。 この作品の面白さはその「厳格なほどの規則性の中にある人間的な不規則さ」や「ある種の規則性を必要としないところでの不自然なほどの規則性」といった相反する2面性が同居しているところではないだろうかと思う。 しっかりと整列しているイメージほど不思議とその中の崩れた部分が面白かったり、無意識に引っ張られてしまったホースのその曲線が圧倒的に美しく見えたりする。 圧倒的な構成美はChan Dickさんのデザインを学んだバックグランドによる部分と性格的な部分であるとトークの中でおっしゃっていたがこれがよりいっそう「規則性の中の不規則さ」を際立たせることに成功している。 そのビジュアルの創りの美しさからコンセプチャルな捉われ方をしがちだが、現在の香港の消防署や消防隊員をとりまく社会情勢を踏まえた濃厚なドキュメンタリー的な要素がまた作品に厚みを与えている。 何ものでもなかったモチーフを作家の眼で「発見」し「観察」を経て創り上げられた「イメージ」は作家の技術を得て圧倒的かつ確かな「作品」となっている。 ■ Chan Dick写真展「Chai Qan Fire Station」 場所:Mirage Gallery 神戸市中央区北長狭通3‐9‐10 青柳ビル 3F 日時:2017年6月24日~7月16日 12:00~18:00 ※月・火・祝定休日 Chan Dickさんたちとまた来年の香港で再開する約束をして神戸から離脱。 いい週末の一日を過ごした。 それにしても、また神戸に足を運べる場所が出来てよかった。 僕もまだ自分自身の答えを出せていない。(参照:「無題」) 今できることとして「Mirage Gallery のメンバー」になった。 積極的に関わり、自分たちの場所は自分たちで守る。 これとても大事です。
Chai Wan Fire Station by Chan Dick
While working at my workshop one day, I discovered the bird’s-eye view of Chai Wan Fire Station through the ventilation window of the washroom for the first time. What I saw was more eventful than I thought. Apart from undergoing physical training, the firemen of this station also played volleyball, washed fire trucks and held guided tours for students. All this happened within this little square area that I observed and framed from above. Days and months passed, scenes began to repeat themselves. I started to slow down and patiently wait for the next unexpected scene.
Chan Dick
The Trek
Technical Info Hassleblad Camera
Photo Date 2018
Chan Dick
The Trek
戦略会議 #02 作家づくり・作品研究/ Chan Dick 『THE TREK』
先月末に香港で再会した香港の写真家で友人のChan Dickさんから新しい写真集をいただいていた。 Chan Dickさんは2017年に神戸のMirage Gallery、昨年の4月にCASE TOKYOで「CHAI WAN FIRE STATION」という香港の消防署を俯瞰視点から撮影したシリーズで展示されていたこともあり、日本でも彼の作品を知る人は多い。 「CHAI WAN FIRE STATION」はその独特のコンポジションの美しさから、コンセプチュアルだと称されることもあるが、僕は背景にあるストーリーから濃厚なドキュメンタリーであると考えている。この作品については以前のブログで多少テキストを書いている(参照:「写真展「Chai Qan Fire Station」Chan Dick @Mirage Gallery」)。 ドキュメンタリーとは何もありのままを伝える事ばかりがドキュメンタリーではない。香港の消防を取り巻く世論と現実をビジュアルランゲージで「情報」として伝えるということそのものが本質で、構成美溢れるビジュアルであるからドキュメンタリーでないということはイコールにはならないし、本来的に写真としての役割を考えれば見た目の美しさではなく、その伝えようとしている「情報」が伝わってはじめてアートだと思う。 「CHAI WAN FIRE STATION」はすばらしい作品だった。 昨年4月にCASE TOKYOでお会いした時に、次の作品だとして何点かのプリントを見せてくださった。その作品のシリーズが『THE TREK』となって完成したのだ。
モノクロの美しい写真がまとめられた割と大型の見応えある写真集。 はじめてプリントを見せてもらった時にも思ったことだが「ミクロコスモスとしての人間」というのを強く感じる作品だ。 「ミクロコスモスとしての人間」というのは機械論という哲学を展開したデモクリトスという哲学者の言葉だ。ソクラテスなどと同時期の哲学者で、まだ自然科学と哲学が分離する前の古い哲学で、宇宙と人間とは同じ原理、自然法則で出来ているということを言ったのだ。 小惑星や月などの表面を探査衛星で捉えた様なイメージ、ユリの花びらや植物の葉の様に見えるイメージはすべて人体の一部だ。 解剖学の機関(先生)と協力するかたちで進められたこの作品は、人体を構成する、骨や筋といった組織をChan Dickさんのパースペクティブを通すことで、まさに「ミクロコスモスとしての人間」を「ミクロコスモスの地平」として自然科学に返還し見せている。 前日ブラックホールの写真がはじめて撮影された。 あの映像を美しいと思うのも、僕ら人間の中に共通する自然科学の法則に則った感覚があるのだろうと思う。 10代から20代のはじめまで通った大学では地球物理学を専攻していた僕としては、地形や地層、鉱物の結晶のように見えるモチーフの美しさ見せてくれる、このChan Dickさんの写真によるTREKは自分自身を構成する要素の一つであることに、宇宙などの自然科学の未知なる可能性と同じ様に自分たちの可能性を発見させてくれるものであった。