【保護努力「裏切られた」…サクラエビ漁師や専門家から落胆、怒り 駿河湾奥で「禁漁破り」か】 - 静岡新聞アットエス : https://www.at-s.com/news/article/special/sakura_ebi/769598.html : https://archive.is/EiWmP (2020/5/26 09:37)
{{ 図版 : 早朝に仲買人に競り落とされたサクラエビ。一部に禁漁区内で水揚げされたエビも含まれるとみられ、小型の個体が目立った=25日午前、静岡市清水区の由比漁港 }}
駿河湾サクラエビ漁の深刻な不漁に関係機関のさまざまな対策が取られる中、25日までに判明した県桜えび漁業組合による禁漁区とみられる海域での操業。水揚げ金額を均等割するプール制を採用するサクラエビ漁師らは「身を切る決断」で資源保護に踏み出したはずだった。「信頼を裏切られた」。関係者からは落胆や怒りの声が上がった。 春漁は24日までに計11回出漁し、水揚げ量は22・7トンと昨年春漁の4分の1。漁期は6月5日までだが、春漁として戦後最低を更新する可能性が高い。背景は頼みの綱だった吉田町沖の海域でも魚影が薄く、魚体も小さくなったことだ。 「ようやく由比が本気になってくれた」―。由比・蒲原地区(静岡市清水区)とプール制を組む大井川地区(焼津市)からは実際そんな声もあった。禁漁区で操業が行われたとみられる24日は、春漁の主役とされながら出漁を見送り続けた由比・蒲原の漁師だけが操業、資源状態の悪い大井川の漁師らの多くは自宅待機した。 「『乗り子』の深刻な苦境が伝えられたことも禁漁区に手を出すきっかけになった」と話す関係者もいる。 禁漁区の操業が出漁対策委員会による指示だったとの指摘には「信じられない」との反応も多い。由比港漁協青壮年部の宮原吉章部長(49)は「サクラエビの不漁は県民の関心も高い。事実なら青壮年部としても抗議の対象になる」と述べた。 水産庁の元官僚で一般社団法人「生態系総合研究所」の小松正之代表理事は、禁漁区について「『自主規制』と言っているが、科学的根拠も取り締まりもなく『身内の談合』に近いことが露呈した」とし、「資源状態からすれば春漁は禁漁にすべきだった。拘束力のある漁業調整規則で規制しなかった長年にわたる県の責任も重い」と指摘した。
■《自主規制に限界》
サクラエビの資源保護のため自主規制で禁漁区となっていた駿河湾奥の田子の浦港沖で操業が行われたとみられる問題。罰則規定など強制力を持たない自主規制の限界が25日、露呈した。 県水産・海洋局による事実関係の調査は禁漁区での操業が組織的判断だったのかどうかが最大の焦点になる。資源回復の調査・研究などには公金を投じた支援が行われ、仮に「組合ぐるみ」となれば、資源回復を願って規制を受け入れてきた関係者や県民の信頼失墜は避けられない。 自主規制は現場の漁師の「良心」を頼りとしてきた。県桜えび漁業組合は法人格を持たない任意団体でもあることから、同局はこれまで組合に対し強制力を伴う指導は行ってこなかった。漁師自らが課した自主規制を守れないのならば、県はサクラエビ漁業の許可を出している科学的根拠を明確にし、拘束力と罰則を持つ規制を策定することだ。 組合幹部を刷新して再出発することを求める声が強まるのは必至。ブランド低下を招く恐れもあり、加工業者を含めた関係者への打撃は計り知れない。











