SPECIAL OTHERS - Laurentech (野音 2020)

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SPECIAL OTHERS - Laurentech (野音 2020)
Laurentech
寒い夜は、寒いだけじゃなくて寂しさも強調される気がして嫌いだ。
でも、いつか、いつの日か。きっと大丈夫になると信じている。
缶コーヒーを開ける音が夜に響く。閑静な住宅街、という言葉がよく似合うこの場所は、深夜2時ともなるとしんとしている。だからこそ、プルタブの音は遠くまで響いた気がした。
夜空には月が浮かんでいた。
僕はスマホを夜空に向けて、カメラで一枚写真を撮った。カシャっとわざとらしい電子のシャッター音が響く。
そしてLINEを開き、トーク画面の一番上にピン留めしてあったチャットを開き、写真を送信した。
『今、どの辺にいる?ここから見えるかな』
メッセージを送信。
空花は、宇宙が好きだった。家の棚の上には小さな地球儀があって、本棚には宇宙兄弟が並んでいた。
「私の身体がもう少し強かったらなあ」
彼女の口癖を覚えている。忘れることなんて出来ない。
彼女が居なくなったのは、去年の話。きっかけは、子供を産む事が難しいと医者に言われた事。
僕は彼女にとって子供を産む事の意味を理解しきれていなかったんだろう。いや、きっと今も。
あの日から彼女は意気消沈し、全ての気力を失っているように見えた。
そして僕は、空花が居れば良いとだけ考え、彼女の想いに寄り添う事が出来ていなかった。
ある日、仕事から帰ると、家に彼女はいなかった。スマホと財布だけを持って、彼女は家を出たらしく、そこから今まで彼女は一度も帰ってきていない。
彼女の実家にも手掛かりはなく、警察も事件性の無い失踪人には足を動かしてくれない。
一年間一人で探し続けた僕に、もうアテは残っていなかった。
ああ、僕が頼りなさすぎたよな。
自虐的な事を考えながら、缶コーヒーを飲む。そして、止めていた煙草に火を付けた。
煙草も空花のためにやめたんだったな、なんてふと思い出す。再開した日は、覚えていない。
いつか、いつの日か。空花が居ない生活が普通になる日が来るのかな。
いや。そんな生活、何の意味もない。
Laurentech
SPECIAL OTHERS - Laurentech (THE GREAT SATSUMANIAN HEST. 2018)
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8月の土日も残りわずか!!
楽しみましょう!!!!!!
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