シンセ開発ログ 2025-08-13: PRA32-U2 v0.6をリリース/6月のシンセカイリアルに参加/Hamamatsu Micro Maker Faire 2025に出展/P4Mに参加/PWMオーディオのノイズ問題/今後の予定
■PRA32-U2 v0.6をリリース(8/13)
PRA32-U2は、ラズパイPico 2で動く、誰でも自由に作れるシンセサイザー(USB MIDI音源)です。同時発音数4のポリフォニック・シンセサイザーで、コーラスとディレイ・エフェクトを搭載しています。
5月時点ではv0.3(プロトタイプ)でしたが、本日v0.6をリリースしました。なお、v1.0には未到達ですが、v0.4以降は「プロトタイプ」と強調しないようにしています(仕様は安定していませんが、普通に使えるので)。9月中にはv1.0をリリースするつもりです。
PRA32-U2は、ラズパイPico (1) で動くPRA32-U(前作)と比べて、音質や機能が強化されていると思います。
エイリアスノイズが少ないオシレーターシンクっぽい音を(矩形波限定で)出せるようになったことは、信号処理の技術的に嬉しいです。これは、8個のノコギリ波と8個の逆ノコギリ波を足し合わせることで実現しています(詳細はいずれ解説したいです)。
これは、ある意味ではウェーブ・テーブル・シンセシスに似たものです。そこで、同じメカニズムを使って「制限付きWave Table」という波形も導入してみました(とりあえず3種類)。矩形波やパルス波のように+1.0か-1.0の値しか取れない、などの「制限」があります。
v0.3からの変更点は沢山ありますが、以下に代表的なものを挙げます:
オシレーター出力の最大倍音倍音数(周波数成分)を増やす
Osc 1 WaveのMulti Saw(スーパーソウもどき)をSaw Waveに統合
Osc 1 Shapeで矩形波(Sqr)をオシレーターシンクのように変化可能に
Osc 1 Waveに「制限付きWave Table」(WT)を追加
Filter Cutoff、Resonance精度を改善(それぞれ4倍。係数をフラッシュメモリから直接読み取るように変更)
Filter Resonanceが96(Q値が4.0)以下なら音痩せしないように変更
Filter Key Trackの精度を改善、マイナスにできるように変更
Filter EG AmtとLFO Filter Amtの効果を2倍に変更
各モジュールのオーディオ入出力を16ビットから24ビットに拡張
モノフォニックモードの出力レベルを下げる(2倍→1.5倍)
EG/AmpのSustainレベルがノートオン状態で(下がる方向に)更新されない問題を修正
PRA32-U2 with Panel:シーケンサー停止中もクロック送信。Start/Stop送受信設定の追加。Shiftキー追加(オプション)
矩形波のオシレーターシンク、「制限付きWave Table」は以下のようなイメージです:
Fabbleのプロジェクト(作り方説明)も用意しました:
Digital Synth PRA32-U2(Raspberry Pi Pico 2用) by risgk
PRA32-U2は、Raspberry Pi Pico 2で動く、誰でも自由に作れるシンセサイザー(USB MIDI音源)です。同時発音数4のポリフォニック・シンセサイザーで、コーラスとディレイ・エフェクトを搭載しています。
高音質で音色保存できる「DAC版」、低コストな「PW
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6/6に開催された、池袋LIVE INN ROSAでシンセサイザーを鳴らせるイベントのシンセカイリアル(Yasushi.Kさん主催)に参加しました。2023年末のシンセカイリアルSPから数えて8回目の参加でした。
PicoRubyを使った自作MIDIコンPRMC-1 (type-2)、自作シンセPRA32-U2 (with Panel)、ヤマハSEQTRAKで音を出しました。
PRMC-1 (type-2) は、RubyKaigi 2025 事後勉強会 oto(5/22)で初お披露目したバージョンです。16分音符のアルペジオパターン追加、2~7個目の音符のオフ(休符)設定など、うまく動いていたと思います。PRA32-U2は、エフェクトのかけ忘れ(前々回)、ステレオ出力のモノ化(前回)などの問題なく、本来の音を出せました。
現場で遭遇したノイズ問題はUSBが原因でしたが、t58bsさんのアドバイスのおかげで回避できました。t58bsさん、Ondist Xさん、ピコピコ安全県さんには動画を撮影していただきました。https://risgk.github.io/#digital-synth-pra32-u2 にリンクを貼っています。今回のシンセカイリアルも本当に楽しかったです。ありがとうございました!
とても残念ですが、次回8/29のシンセカイリアルには(初めて)参加できません。とても楽しいイベントですので、シンセサイザーが好きな方はぜひ参加してみてください!
■Hamamatsu Micro Maker Faire 2025に出展(7/5)
浜松科学館で開催されたHamamatsu Micro Maker Faire 2025に、ISGK Instrumentsとして、PRA32-U2とPRMC-1を出展しました。ステージでは5分くらいミニライブ(マシンライブ)を行いました(やはり緊張しました)。たくさんの皆様にブースにお越しいただき、ミニライブをご観覧いただき、ありがとうございました!
今年は、開催時間が4時間でなく7時間でした。AC電源は申請せず、ノートPCとモバイルバッテリーで乗り切る予定だったのですが……省電力モードにし忘れたりのトラブルもあり、予想以上にバッテリーの減りが早くて大ピンチでした。奇楽堂さんの電源を分けていただくことで、なんとか展示を継続できました。本当にありがとうございました!(次回までに対策を考えます)
今年も、楽器に関係する出展者が多かったと思います。オープンエッジデバイス研究会さんがSpresenseを使ったユーロラック対応モジュールを展示していたのには驚きました(マシンライブは観覧できず)。
浜松でのMicro Maker Faire開催は今年で5回目でした。来年もぜひ参加したいです。(暑さ対策も考えます)
国産モジュラーシンセの展示即売会、初開催のPatching For Modular(P4M)に遊びに行ってきました。混雑の中で6時間立ちっぱなしは体力的にキツかったですが、後半のマシンライブも含めて、とても楽しいイベントでした。
会場でHAGIWO/MOD1とMOD2、centrevillage/MLT4を購入。ネット通販でBEHRINGER/CP1Aも購入して、(一応)ユーロラックデビューしました!
2017年くらいからモジュラーシンセのイベントに遊びに行きはじめましたが、P4Mがデビューのキッカケになりました。2019年には電圧制御対応シンセ(VRA8-N mode-VC)を作ったことがありますし、モジュール開発にも興味があります。
PRA32-U2のPWM版(PWMオーディオ出力版)で最近、以下のような問題が見つかりました:約60~80ミリ秒毎に信号の不連続が発生するようで、特に高域やサイン波でクリックノイズが目立ちます。周期的なサンプル欠落が起きていそうですが、バッファ不足はなさそうです。前作PRA32-Uも同様でした。電気オルガン以外の音色では気付かないかも知れません。PWM版を止めるほどではないかと。
対策はなかなか難しそう、というか手間がかかりそうです。いずれ調査したいですが、今はDAC版(I2S DAC版)のv1.0開発を優先します。
PRA32-U2のDAC基板はPico Audio Pack推奨ですが、GY-PCM5102なら数百円なので製作のハードルはそんなに上がらないかと思います。
9/7(日)のNT東京2025(2日目)、10/4(土)、5(日)のMaker Faire Tokyo 2025に、ISGK Instruments(NT東京ではDIYシンセG)として、PRA32-U2とPRMC-1を出展します。PRMC-1はSWEST27でも展示します。よろしくお願いします。