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@yukinotrinko
沖縄と台湾が本当に楽しかった。
東京に戻ってから、ずっと退屈だ。
この退屈さは、きっと「慣れたもの」のなかで感じる、妙な居心地の悪さからきてるんだと思う。
あの場所に行けばどんな気持ちになるか、もう知っている、たぶん、そんな退屈さ。
知らない場所に行きたい。
もしかしたら、閉じた場所で、自分の心がふっと開くかもしれない。
そうして交わされる温度に、思わずニヤけてしまうような、そんな瞬間が待ってるかもしれないから。
ということで、9月はまるまる韓国に行くことにした。
仕事だけど、大事な仕事を、ちゃんとかたちにしてくる。
とある夕暮れのカフェで、私はヘアスタイリストの友人とライターの友人と並んで、連載のアイデアを広げる思考の海にどっぷり浸かっていた。コーヒーの香りと紙の擦れる音が心地よく混ざり合うなか、突然、カウンター越しの男性の声が波紋のように私たちの世界を揺らした。
「北海道から上京したばかりで、北海道にも、皆さんがいま話してるような話をする相手が一人もいなかったもんで…!」
緊張と期待が入り混じったその声は、まるで長く閉ざされたドアが今、開いた瞬間のようだった。私は一瞬、申し訳なさと好奇心で胸が揺れ、「いま打ち合わせ中で…」とフォローしながら、彼の熱を受け止める方法を探した。私はスマホの画面を開き、自分のInstagramをそっと見せると、「よかったら今度ゆっくり話しましょう」と伝えた。彼は状況を飲み込んだのか、私のアカウントをその場でフォローすると、身体をカウンターに反転させ、読書に戻っていった。
その後、彼からDMが届き、何度かのやりとりを経て、彼は私のワークショップにも顔を出してくれるようになった。そんな彼からの誘いで、昨年末の夜、唐木田駅で二人きりの散歩が始まった。目的地は決めずに、ひんやりした空気の中を歩く──その自由さが、どこか心地よかった。
最初のうちは、言葉がすんなりと交わされた。歩調を合わせながら話すその感じが、妙にしっくりきて、私は緊張感と心地よさの狭間に揺られながら、言葉を紡いでいった。途中までは、何も問題なかった。というよりは、私はある意味で、会話というものの複雑さを忘れていたのかもしれない。
しかし、数十分が経過した頃、彼は会話の流れでこう言った。
「最近の世の中って、言いたいことが言えないムードに包まれ過ぎてません?オブラートに包むのってマジでダサいし、言いたかったら、“死ね”って言っちゃっていいのに」
凍るような言葉が、胸の奥でざくりと何かを切り裂いた。私の舌には、違和感のような味がじわりと広がる。心臓の音だけが響く沈黙のなか、私はやっと問いかけた。
「もし、目の前の人が傷つくとわかってても、同じ言葉を投げますか?」
その夜の空気は重く、私の声は自分でも驚くほど静かだった。感情的になった友人の一言に傷ついた私自身のエピソードをほんの少し伝えると、彼は立ち止まり、振り返り、怒りに震える声で言った。
「それは、俺のことですか?」
彼の声を思い出すたびに、あの夜の冷たい空気が胸の奥でじんわりと広がる。あのとき感じた恐怖や違和感を、その場でうまく言葉にできていたら、もう少し呼吸がしやすかったかもしれない。けれど、それを彼に伝えることが、本当に私の望んでいたことだったのかと立ち止まる。あの言葉を口にした彼自身、本当にそれが言いたかったのかどうかもわからない。もしかしたら彼もまた、自分の中にある何かをどう差し出せばいいのか、わからなかっただけなのかもしれない。
私たちは言葉を使って誰かと繋がろうとしながら、その言葉の形や順番にばかり気を取られてしまう。何かを伝えようとして、でも伝わらなくて、それでも諦めきれずにまた口をひらく。言葉ってなんだろう、会話ってなんだろう、と思う。届いてほしい気持ちはたしかにあるのに、その輪郭をうまく掴めないまま、言葉になった瞬間にどこか少し嘘っぽくなってしまう。会話はとても速く進んでいくのに、気持ちはずっと奥のほうで立ち止まっていて、両方をちゃんと繋ぐのは、思っているよりずっと難しい。
私たちは、ときに気まずく沈黙し、ときにふいに笑って、夜の道をただ歩き続けた。言葉は何度も宙に浮かんでは、するりと手のひらをすり抜けていく。それでも不思議と、私たちの足並みは揃っていた。追い越したり、追い抜かれたりしながらも、私たちは隣り合って歩き続けた。
その歩みのなかで、私は感じていた。言葉というものの、厄介さと、不確かさと、そして、それでもなおどうしようもなく尊いものだということを。伝わらなさに迷い、言いすぎたことに戸惑い、それでもまた話そうとしてしまう。その繰り返しのなかにしか、たぶん言葉で伝えたいことの本質は宿らない。
どうしてこんなにも、私は言葉にこだわってしまうのだろう。そして、囚われてしまうんだろう。そう自分に問いかけるとき、ふと思い出す。私はずっと、誰かの言葉に救われながらここまで来た。寄り添うような一言も、何気なく交わされたやりとりも、どれもが小さな灯のように、私の中に残っている。そして、それはいつも誰かがわたしに掛けてくれるものだということを。だからこそ、私もまた、誰かにとっての言葉になれたらと願ってしまうのかもしれない。
あの夜の彼の言葉は、今も胸の奥で鈍く疼くことがある。でも、あの出来事を、まるごとなかったことにはしたくない。言葉がうまく交わらなかったからこそ、見えたものがあった。それは苦さと戸惑いを伴っていたけれど、どこかに確かな種のようなものが残っていて、それが今も、私の言葉を育てようとしている。
そして、あの夜の沈黙を思い出す。言葉にできない想いが重なった、あの一瞬の静けさは、もしかしたら会話よりも深く、私たちの心に触れていたのかもしれない。沈黙もまた、対話の一部なのだと、今なら思える。
私は思う。言葉の本質の先にあるものは、単に“わたし”という個ではなく、“私たち”という、ずっと複雑で、ずっとあたたかいものなんじゃないかと。感情的になって、うまくいかない日もある。それでも歩み寄ること、その姿勢の中にしか触れられないものがあることを、私はこの夜の散歩のなかで、少しだけ確かに知ったような気がした。
5月25日(日)、東京・永山にて「iPhoneひとつで曲をつくろう」というワークショップを開催します。
今回はゲストに、ハシリコミーズのお二人をお迎えします!
さらに、外で環境音を録って素材にする「フィールドレコーディング」も実施予定。
「音楽を自由に楽しんでみたい」
「機材がなくても曲作りを始めてみたい」
そんな方にぴったりの内容になっています。もちろん、ちょっと興味があるだけという方も大歓迎です。
参加ご希望の方は、インスタプロフィールのリンク(Googleフォーム)からご予約をお願いします。(自分とハシリコミーズへのDMも承ってております)
※先着順となっており、定員に達し次第受付を締め切らせていただきます。
一【ステートメント】一
音楽は、ただ「聴くもの」ではありません。
音楽は「作れるもの」でもあり、「見つけるもの」でもあります。
たとえば、声を録音してみる。
道ばたの音を切り取って並べてみる。
画面をタップして音を鳴らしてみる——
そんなふうに、ちょっとした遊び心だけで、音楽はすぐに始められます。
このワークショップでは、iPhoneに入っている無料アプリ「GarageBand」を使って、音楽をもっと身近に、自由に体験してみます。
音楽的な知識や難しい技術は必要ありません。
アプリに入っているシンセサイザーやドラムを使ってもいいし、街で録音した環境音やボイスメモをそのまま素材にしてもOK。
声や音を録って、並べて、遊ぶ -そんな感覚で、自分だけの音楽を自由につくってみましょう。
iPhoneひとつで、音楽は「聴く」ものから「作る」ものへ。
音と向き合うたのしさを、ぜひ一緒に味わいましょう。
一【ワークショップ概要】一
イベント名:iPhoneひとつで曲をつくろうワークショップ
日時:2025年5月25日(日)13:00〜17:00(予定)
場所:ベルブ永山(視聴覚室4F)/東京都多摩市永山1丁目5(京王・小田急 永山駅すぐ)
参加費:2,000円
定員:48名(先着順)
持ち物:iPhone(GarageBandインストール済)・イヤフォン
スペシャルゲスト:ハシリコミーズ
主催:Yuki Kikuchi
参加申込フォーム:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfDKCMZn7aMkDzHfBAnklraXaSDgxUQ7bRtJu68irLN2gir9w/viewform?usp=sharing
※持ち物や注意事項などの詳細は、ご予約後のメールにてご案内いたします。
ぜひ!
ワークショップのテーマ
tumblerのフォロワーの皆さま、こんにちは。突然で恐縮ですが、11月17日に東京でZINEのワークショップを開催するので、その告知をさせてください。
〝日常の幸せ〟をテーマに、iPhoneに入っているPages(アプリ)を使ってZINEを作っていただきます。作り方はもちろんですが、日常の幸せが何かを皆さん自身が考え、物作りにおける視点に触れながら、それぞれの答えをZineで表現してみる、それを自分がレクチャーする内容となっております。
ZINEを作ってみたい方はもちろん、物作りにおける視点に興味がある方、またプチ哲学的要素も含んでいるので、余白が足りていないと感じている方々にもぜひお越しいただけたら嬉しいです。
予約はこちらからお願いいたします。
以下詳細です。
日時: 11月17日
時間: 13時〜17時
場所: ベルブ永山(視聴覚室)
参加費: 2000円(印刷費は自己負担となります)
持ち物: iPhone
定員: 50名
※参加者さま全員に一冊ZINEをプレゼントいたします。
アルバイトを始めてから精神面と生活が格段に安定した。これまでなかなか手が伸びなかったお惣菜がテーブルに並んだり、メルカリの中古ではなく本屋に並ぶ新品の本を買ったり、ネットフリックスを再契約したり.... この小さな贅沢だけでも充分にブルジョワな気分を味わうことが出来た。多くの人たちがこのおまけも楽しみに、常日頃、汗水を垂らして働いていることを想像すると、自分もようやく社会の〝普通〟に参加できた気がして嬉しかった。
悩みが少しづつ無くなっていったし、ずっとそれを望んでいた。だけど少しづつ不安と恐怖が膨らんでいって、いまはそのこと自体が大きな悩みになっている。苦手な接客やレジ打ちに慣れようと努力した。アルバイト初日に比べたら、今はかなりマシになっただろう(そう願う)。バイトの人たちはこんな自分にもずっと優しい。でもどうしてもこの社会のシステムで働くことを好きになれない。変えられずに生きてきた自分を変えようとしても変わらないことと同じように。
〝普通じゃない〟自分を誰よりも受け入れようとしなかったのは自分だったのかもしれない。800円するチヂミは美味しかったし、プルートゥーも地面師たちも面白かった。だけどいまは早く過ぎて欲しいと願ったこの暑い夏を巻き戻したいとさえ思っている。明日死ぬかもしれない。そのまえに、少しでも今まで以上に自分を愛したい。焦ってミスして落ち込んでしまう自分を。安定は、自分の普通を守ることなのかもなって思う。
Seoul
Ozzie
and it's on this song too😱