兆し
「空が明るくなる前に」をつくって、バンドが夜を越えていく様を思い描いていた。夜の先に待っていたのは、また夜だった。暗中模索しながら、バンドワゴンはしずかな夜の高速道路を走っていた。燃料切れを起こすギリギリまで走った。束の間、止まってしまったワゴンを降りて、振り返りもせず、望みもせず、直向きに今を見た。好きなものを増やした。きみをさらにもっともっと真剣に愛した。 気付いたのは、ぼくのやり方と、にせものになりたくない気持ち、きみへの特別な感情、そして朝の素晴らしさだ。まだ知らないものとの出会いは、昔から好きでいた音楽を改めて肯定してくれた。アコギを譲ってもらって、曲を書き始めた頃のように、またASIAN KUNG-FU GENERATION"ワールドワールドワールド"、BUMP OF CHICKEN"ユグドラシル"、スピッツ"さざなみCD"を模範としながら歌をつくる。まもなく夜が明ける。ようやくだ。













