明けましておめでとうございます。自分の嗜好の整理も兼ねて、2013年現在の自分のベストアルバムを20枚挙げてみました。出来れば毎年やっていきたいと思います。基本軸はきっと変わらないけれど、震災、海外生活などの環境によって少しずつ変化するさまを自分自身も確認していきたいです。
1996年リリース。リアルタイムでアルバムを聴くことはなかった。ランキング番組でナイトクルージングのPVを少し見た程度。ずっぷりハマったのは氏が亡くなった1年後。自分が大学に入学する直前のタイミングだった。久しく聴いてないけれど、この呪縛から解かれることはないと思う。そういえば、2012年の12月のYSIGのイベントでやけさんが"Baby Blue"をかけていて驚いた。季節は変わったのかもしれない。出発だ。新しい情と響きとへ。お勧めの曲は"ナイトクルージング"。
1998年リリース。こちらも2年後追い。2000年。新宿へ向かう小田急線車内はとても混んでいる。もう学校行くのやめよう。下北沢で下車。友達と合流してOn-sa、ユニオン、レコファンを巡って区役所の屋上でコンビニのパンを食べよう。夕方は登戸の川辺で缶ビールを飲むんだ。終わらないと思っていた大学生活のサウンドトラックだった。アルバムを通して一番聴いたのはこの盤のはず。お勧めの曲は"SEASON"です。
Fishmans - ’98.12.28男達の別れ
1999年リリース。特に書くことが思いつかない。その場に居ることが出来なかった後悔の念のみ。お勧めの曲は"なんてったの"です。
1998年リリース。タイトルのAMEとは雨のことで、UAはハワイ語で雨だから。当時の所謂Trip hop的な質感と歌ものがうまくマッチングして、且つアルバム全体としてもとても良い塩梅のバランスで、UAさんの最高傑作ではないかと思っている。リトテン、ナチュラルカラミティ、サイレントポエツ、アートリンゼイ、ケンジジャマー氏、青柳拓次氏、そして朝本浩文氏等、共演者との相性もばっちり。完璧。"忘れない"という曲はハワイのトラディショナルな音楽でもあるスラックキー・ギターを軸に構成されている。自分のLap Steel Guitarの先生でもある山内雄喜さんもこのアルバムに少し関係していて、その話はまた別で記載します。お勧めの曲は"2人"です。
Natural Calamity - Peach Head
1996年リリース。当時"as you know"をラジオで聴いて購入。2000年頃までよく聴いていて、そこから少し遠ざかっていたのだけれど、2009年のDK SOUNDの準備の際に俊太さんがカーステでこれを流していて、そこから再燃。1音1音をよく覚えていることに自分でも驚いた。以来愛聴し続けている。ジャックジョンソンの家の隣に住む女の子がこのアルバムをよく聴いていて、それがきっかけでサウンドトラックに起用されたとか。お勧めは" And That's Saying A Lot (Nat. Cal. Alt. Remix)"。レイドバックここに極まれり。
Natural Calamity - Best of Natural Calamity 1991 -1994
震災後によく聴くようになった。この質感で90年代前半というのは本当に恐ろしい…。これは日本のオリジナルミュージックといってもいいのではないだろうか。とても大きく大切な発明なのではないだろうか。この盤を聴くたびに日本に生まれて良かったと思う。勝手ながら自分はこの発明に少しでも近づきたいと思っています。お勧めの曲は"Million&Half Men(Facing At Each Other)"です。
Natural Calamity - Night is indigo
2003年リリース。後期作品は初期と比較すると聴く頻度は少なかったのだけど、オーストラリアに来てから、つまりここ最近ドップリはまってしまっている。初期・中期よりも音数も少なく地味な印象があるけれど、そこに潜む奥行きに引き込まれてしまっている。日の出AM 6:00、日の入りPM9:00の完璧なサウンドトラック。お勧めの曲は"If Not for You"です。
Silent Poets - Firm Roots
1996年リリース。地元のCD屋でリアルタイムで購入。"neighborhood"という曲をラジオで聴いて衝撃を受けた。延々と続く3拍子のジャズネタらしきループと「ninety fifty one」というサンプルボイスを軸に目立った展開もなく終わる。これを曲って言って良いのかよとその自由さにとても興奮した。現在のお気に入りの1曲は"Stowing air"です。HONZIさんのバイオリンが素晴らしい。
Michiharu Shimoda A.K.A. Silent Poets - Soundtrack for hotelID+
2001年リリース。架空のホテルのサウンドトラックというコンセプト。同じ主題をアレンジを少しずつ変えた計6曲、何も考えず気持ち良く聴くことが出来て重宝している。Brian EnoのMusic for Air port ミーツ 日本式DUB という感じだろうか。もともとアンビエントを志向していた日本式DUBをよりアンビエントに寄せたといった方が良いのかも。お勧めは"Id+Mood"です。
Little Tempo - Ron Riddim
1999年リリース。リアルタイムで購入。リリースと同時期に、メンバー全員がNHKのTOP RUNNERという番組に出演されていた。「なごみ系クラブサウンド」と紹介した大江千里と益子直美に対して「ダブとは何か」を説明するために、大石幸次氏のドラム演奏に内田直行氏がディレイをかけて実演してくれてとてもわかりやすかった。実際、DUBとは何かを掴む大きなきっかけになったが、まだレゲエという答えにしっかり結びつかなかったのはこのアルバムのルーツ感のなさに由来していたと思う。同番組内でお勧めのDUB盤としてLKJを挙げていたのも印象に残っている。誰かyoutubeにあげてください。今でもコンスタントに聴いている。お勧めの曲は"Frostie"です。
Little Tempo - KEDACO SOUNDS
2001年リリース。Lttile tempoのアルバムの中で音の質感が一番好み。ミュートしていて乾いている。1stの多幸感に高揚感も加わり、且つルーツダブ・レゲエとの距離感も程良く(所謂、借りがないってやつですね)、ニポニーズダブのひとつの到達点なのではないかと。リズムボックスの心地よさに目覚めたのはこの盤がきっかけ。この前年DRY & HEAVYのリリパにDJで参加していたtico氏はダムドのラブソングをかけていた。そーいう部分も、前作より表現されている気がする。お勧めの曲は"DREAD EYE"です。
Tommy Guerrero - Loose Grooves & Bastard Blues
1998年リリース。同盤収録の"So Blue It's black"で始まり、Booker Tの"Jamaica song"で終わる、UAさんがパーソナリティを務めていた「カピバラレストラン」がきっかけ。乾いた質感、コード感、音のミュート具合(隙間)、ブレイクビーツの配置、全てが綺麗なバランスを保っている。この人は、きっとこのアルバムのリメイクをし続けているのだと思う。お勧めは"So Blue It's black"です。
Yo La Tengo - And Then Nothing Turned Itself Inside-Out
2000年リリース。リアルタイムで購入。あたまからお尻まで変わらない抑え気味のテンション。2月発売ということを確認して納得した。高校が終わり、大学生活が始まるその間に聴き始めたという記憶は間違っていなかった。鬱屈とした試験の連続から解放された高揚感とマッチして最高に心地良かった。それから13年後のいま、いつまでも沈まない夕陽を海辺で見ながら聴いていると、当時と同じくらいの心地良さを味わえる。お勧めの曲は" You Can Have It All"です。
High Llamas - Cold & Bouncy
1998年リリース。High Llamasのアルバムは日によって好みが変わるので、現状ではとりあえずCold & Bouncy。1996~2000年あたりまでがとても良いバランスだと思っている(これは他のオルタナティブなロックバンドにも言える気がする)。彼らのことは大好きなのに、そのバックグラウンドであるビーチボーイズ、ビートルズ、ガーシュイン、50年代のアメリカンポップスへの執着がない為、その溝はとても大きかったけれどYettiの相方であるueharashuta君と出会って、その距離を縮めることが出来た。上原君自身はHigh Llamasをそんなに聴いていなかった。お勧めの曲は"Over the river"です。
1996年リリース。たぶん10年以上聴いていない。それでも現在自分がやっているような音楽を作るうえでその影響下に居ざるを得ないという諦念と、自分の中のベストを考える際にいつも頭の片隅に居座っているので、今回選んだ。BECKになりたいと思っている人、世の中に何人いるんだろうか。正直に手を挙げてほしい。お勧めの曲は"Jack-Ass" です。
1994年リリース。94年とは思わなかった。Levi'sのCM曲起用と同時期に聴き始めた記憶がある。ライブも同じようなセットリストでやっており、そのライブビデオを擦り切れるほど見ていた。そのライブ時のギターの音色、楽曲に対する差し込み(抜き差し)加減が絶妙で、自分の音楽の嗜好にもとてつもなく影響を与えている。ギタリストはAdrian Utly。当時Bill Murrayによく似ていた。お勧めの曲は"Glory Box"です。
1976 年リリース。UAさんのラジオ「カピバラレストラン」で"Honey Babe"を聴いたのがきっかけ。アルバム全編を通じでSteel Panをフィーチャーしていて、その演奏者はジョン・レノン、ヴァン・ダイク・パークス、そしてTIN PAN ALLEY「イエロー・マジック・カーニバル」、高田 渡 「Fish on Sunday」でも知られるロバート・グリニッジ。ブルースとカリプソのミックス具合が素晴らしく、この良い塩梅は他では聴けない。お勧めの曲は"Honey Babe"です。
Various Artists - 'Adrian Sherwood presents The Master Recordings: Volume 2'
2000年リリース。80年代の音源を中心としたON-U SOUNDのコンピレーション。DUBって結局なんなんだ?という疑問を残しながらTrip hopの季節を通過し、大学へ進学する直前に出会ったこの盤は、1曲目creation rebelによる" Space Movement Section"でとてつもなくわかりやすい模範解答を示してくれた。ミュートした生ドラム、唸る繰り返しのベースライン。打楽器の様なギターとキーボード。次第に過剰になるエフェクト。これかと興奮して思わず部屋で踊ってしまった。そこからルーツダブを掘り進めた気がする。当時下北沢に合ったON-SAというレコード屋さんで購入した。980円ととてもリーズナブルだった。ジャケが相当ダサい。お勧めの曲はNew age steppers "Guiding Star"。
Brian Eno - Music for Airports
1978年リリース。言わずと知れたアンビエントの名盤。震災以降によく聴くようになった。震災直後はこのくらい邪魔にならない音楽がちょうどいいと思っていたら、そこから生活に欠かせない音楽になってしまい、挙げ句の果てにこれを風呂で聴くためのプレーヤーも購入してしまった。お勧めは04 2_2。
2011年リリース。2000年前後に聴いていた日本語のロックの呪縛から解き放ってくれた(Fishmansは除く…)。そんなことが起きるなんて全く予想していなかったのでかなり大きな事件でした。自分の音楽の聴きどころである質感をきっちり抑えつつ、程良い間がちゃんと残った日本語のロックが聴けるなんて。正直なところ、もう日本語のロックというものは、現行の音楽とは違う聴き方をしないとうまく付き合えないと思っていた。この盤のおかげで日本語でロックをするハードルが大分高くなったのでは。お勧めの曲は"大停電の夜に"です。
という感じです。日本12枚、UK4枚、US4枚の計20枚。自分は、80年代にMUTE BEATによって発明され、90年代にその元メンバーら(こだま和文氏、朝本浩文氏、DUB MASTER X氏)が引き続き推し進めつつ、藤原ヒロシ氏による解釈が加わった日本式DUB、チルアウトミュージックにハマってしまったのだと思います。それらは当然UKからの影響も大きく、つまり90年代にイギリスと日本という島国同士で行き交っていたHIPHOPとDUBに、そして同時期にBECK(とビースティーズ)以降のアメリカのロックバンドがその質感をうまく捉えつつ同時に奏でたメロディに心を奪われているのだと思います(60年代、70年代のサイケデリックなロックは当然良いと思うけれど、DUB的、SAMPLING的なアプローチのサイケデリックの方が好みであるため、現時点ではランクインしないのだと思います。だからこそ同時代の質感を抑えつつ、更に複雑なコード進行を展開させているハイラマズとceroいう存在はとても貴重で憧れてしまう)。震災以降は、それらに加えてアンビエント的な要素をより求めるようになりました。