ハマスホイとデンマーク絵画
解説の宮沢りえの声がかわいい。
クプゲの作品は家から近いところの景色を中心に牧歌的に描かれる。
カステレズの絵では、軍事施設にも関わらず子供達が近くで遊んでいるような穏やかさを表現している。当時はカステレズに軍事施設があることは周知の事実で、それに対するアンチテーゼのような意味合いがあったのだろうか。
軍はどこか頭の片隅にどの作家もあるみたい。それに対する思いの表現法として、牧歌的な理想像を描くか、凄惨な軍や戦争を反映させて批判するか、それらを複合的に混ぜて皮肉を効かせるか、などの違いがある。
写真や動画、テレビやインターネットなどない時代に、絵画の情報量は比較的多かったと思う。だから人々はそれに価値を見出していたのだろう。ビュルクのスケーインの海に漕ぎ出すボートという作品では、真ん中の男性がボートを引っ張りながら、お前も手伝えというような表情をしている。ある種のジャーナリズムのようなものが、この絵画からは感じられる。
スケーインは、デンマークの田園風景が残る場所として画家の間では聖地のような扱いをされていた。ヨハンスンはスケーインを訪れた際、暗い印象を受けていた。そのせいか初期の作品では暗い色の絵具を用いることが多かった。しかし、パリで見たモネの印象派の作品に触発され、その後は明るい色調でスケーインの風景を描くようになった。ヨーロッパ絵画の横のつながりはこうした点に表れている。
19世紀末のデンマーク絵画は、王立アカデミーのナショナリズム的な表現に若者が反発し、パリで起こった印象派を積極的に取り入れる流れになる。印象派の技術を取り入れた作品が多いが、本家と比べるとやはり表面的に技術を模したような印象だ。印象派の解釈にはそれぞれの作家が苦心していたことが伺える。これらの作品を通して、印象派はただぼかせば良いというわけではないということを思い知らされる。
デンマークはデザインの国、インテリアの雑誌が早くから発行されていたという。デザインの先端性についてはもはや国による差異は無くなっていると思うが、学ぶべきはその周りの雰囲気だろう。つまり、家具に対する考え方や、生活の中でデザインにどれだけ重きを置くかなどの姿勢が国によって異なる点に注目したい。
色づかいは、飾る部屋の壁の色から考えて、映えるように調整されていたのではないだろうか。当時のデンマークの家の内部を見ると、一層色づかいの説得性が増すと思う。









