1.3.0 ALO Chapter 1 妖精たちの世界 「アルヴヘイム・オンライン』 にようこそ!
--- Part A: START #1302 ---
ユイ:
いきなり頭から地面に落ちちゃいましたけど……!
ユイ:
無事みたい……ですね。
よかったです。ほっ……。
ユイ:
『アルヴヘイム・オンライン』、
通称『ALO』の世界にようこそ!
ユイ:
このゲームの舞台となっているのは、
妖精たちの住む世界、アルヴヘイムといいます。
ユイ:
妖精たちの世界というだけあって、
ここにはシルフやウンディーネ、サラマンダーなど、
9つの種族の妖精がいて、
それぞれの領地に分かれて住んでいるんですよ。
ユイ:
そして妖精たちは、同じ種族の仲間と力を合わせて、
世界樹の頂上をめざすんです。
ユイ:
世界樹とは……ほら、あっちの山の向こうに
とても大きな樹が見えるでしょう。
ユイ:
世界の中心にある樹で、
ここからでも見えるくらい大きな樹なんです。
ユイ:
そしてさっきも言ったとおり、
仲間と協力して、他の種族よりもはやく
あの世界樹を攻略することがこのゲームの目標です。
ユイ:
だからALOを始めるときは、
まず自分がどの妖精になるかを決めるのですが……。
ユイ:
……あなたは、他のプレイヤーさんと違って
特殊なアバターでログインしているので、
このALO世界でも人間のままなんです。
ユイ:
不便ですけど、アバターの仕様がそうなので……。
ユイ:
その代わり、わたしがしっかりサポートしますから!
ユイ:
普通ならこんな場所じゃなくて、
どこかの領土の街からゲームスタートする
はずなんですけど、おかしいなあ……。
ユイ:
ログイン時の回線エラーかなにかでしょうか。
運営さんにはちゃんとしてもらわないと
困るんですけど……。
ユイ:
まあ、そんなことを言っても仕方ないですね。
ユイ:
まずは誰か人のいるところに行かないと、
情報収集もなにもできませんし。
ユイ:
ここから西にあるスイルベーンが
一番近い街みたいですよ。
ユイ:
シルフさんたちの首都なので、
きっとたくさんのプレイヤーがいますよ。
--- Part B: START #1300 ---
ユイ:
あれ、あそこに誰かいますよ。
シルフのプレイヤーさんでしょうか。
リーファ:
ん? あなたたちどうしたの?
見たところ、シルフじゃないようだけど、
どうしてこんなところにいるの?
ユイ:
それが、ゲームをスタートしたら、
なぜか街ではなくてこの森にいたんです。
ユイ:
それで、まずはスイルベーンをめざして
いるんですけど、迷っちゃったみたいで……。
リーファ:
だけど以前にも、
あなたみたいな目に遭った人がいたわ。
ユイ:
そうなんですか?
よくあることなのでしょうか。
リーファ:
よくあるってほどじゃないけど、
ごくたまに起こりうるみたい。
リーファ:
あたしのお兄ちゃんがゲームを始めたとき
そうだったんだ。
リーファ:
なぜか、自分の種族の街からは遠く離れた
この森からゲームスタートしちゃったんだって言ってた。
ユイ:
ご兄妹でゲームをやられているんですね。
仲が良いのはなによりのことです。
リーファ:
あっ、あたしったら、ついお兄ちゃんの話を……。
リーファ:
本当はゲームでリアルの話題を持ち出すのは
だめなのに、あたしはついやっちゃうんだよね。
リーファ:
友達にもからかわれるし、恥ずかしいんだけど……。
リーファ:
今更だけど、あたしはリーファっていうの。
リーファ:
今はちょっと探しものがあって、
この森に来ているんだ。
リーファ:
だけど、その前に、
まずは迷子のあなたたちをスイルベーンまで
送ってあげないといけないよね。
ユイ:
えっ、そんな!
それはなんだか申し訳ないです。
ユイ:
その探しものを、
わたしたちにもお手伝いさせてもらえませんか。
ユイ:
その代わりに、
わたしたちをスイルベーンまで連れて行ってください。
リーファ:
あたしはもちろんいいけど……
でもそんなの、あたしのほうが申し訳ないよ。
ユイ:
いえ、まだゲームを始めたばかりだから、
いろいろなところに行って、
この世界のことを知りたいっていう気持ちもありますし。
リーファ:
そういうことなら
むしろ手伝ってもらえて助かるよ。
ユイ:
じゃあよろしくお願いします、リーファさん。
リーファ:
じゃあさっそく、
探しものがある場所へ向かいましょうか。
--- Part A: START #1306 ---
ユイ:
……あれ、ここって洞窟ですよね?
探しものって、ダンジョンの中にあるんですか。
リーファ:
でもそんなに長い洞窟じゃないし、
あたしは何度も来たことがあるから、道はもちろん、
どんなモンスターが出るかもわかってるの。
リーファ:
だからあたしについてきてもらえれば
迷ったりモンスターにやられちゃうことはないから
そこは安心してね。
ユイ:
アイテムの入った宝箱があるのかな。
それともモンスターのドロップアイテムとか……。
リーファ:
何を探しているのか、まだ教えてなかったっけ。
リーファ:
ふふ。じゃあ見つけてみてのお楽しみにしましょう。
ユイ:
すごく気になります。
教えてくださいよ、リーファさん。
リーファ:
まあまあ。
見つかったら、あなたたちにも食べさせてあげるから。
ユイ:
食べさせてくれる……?
ということは、食べ物なんですか?
リーファ:
だから、それも探してみてからのお楽しみ。
でもすっごく美味しいから、期待してもいいよ。
ユイ:
やっぱりモンスターの
ドロップアイテムしか思い浮かびません……。
リーファ:
まあ、この洞窟の一番奥に行けばわかるから。
リーファ:
あのさくさくした食感に、濃厚な味わい……
リーファ:
これって本当にゲームなのかしらって、
疑問に思っちゃうくらい美味しいんだから。
リーファ:
だけどあたしのお兄ちゃんは「不味い」って言うのよ。
リーファ:
確かに独特な味かもしれないけど、
そこがクセになるのに……。
リーファ:
思い出してたら、ついつい独り言を……。
リーファ:
さあ、あたしについてきて。
洞窟に入るよ!
ユイ:
リーファさんが探しているものも気になりますけど、
それがどんな味なのかも気になりますね。
ユイ:
本当に美味しいんでしょうか。
ちょっとだけ不安です……。
--- Part B: START #1304 ---
ユイ:
リーファさん。
なんだか道が広くなってきたような気がします。
リーファ:
そうだね。
目的の場所に近くなってきた証拠だよ。
リーファ:
あ、着いたわ。ここに目的のものがあるの。
ユイ:
あれ、奥の方にあるのは……
あれは木ですか?
リーファ:
そう。こんな洞窟の中なのに珍しいでしょ?
あれにタムタムの実がなっているの。
リーファ:
クッキーにするとすごく美味しいんだよ。
リーファ:
昨日、友達と久しぶりに
クッキーを食べようって話になって、
あたしが材料をとりにいくことになったの。
リーファ:
見た目はそうかもしれないけど、
これのクッキーは、本当に美味しいんだから。
リーファ:
そういえばお兄ちゃんも、
初めてこの実の形を見たときは
本当に美味しいのか疑わしそうだったっけ。
リーファ:
あなたたちまで、お兄ちゃんと同じ反応するなんて、
ちょっと残念だなあ……。
リーファ:
まあでも、食べてみたらきっと
あたしの言うことは嘘じゃないってわかるよ。
ユイ:
嘘だとは思っていませんけど、
リーファさんのお兄さんは、
そのクッキーを食べて
「不味い」とおっしゃったんですよね。
ユイ:
リーファさんとお兄さんの味覚は、
どちらが正しいのでしょうか……。
リーファ:
帰ったらごちそうしてあげるから、
そうしたらあたしの味覚のほうが正しいって
わかってもらえるはずよ!
--- Part A: START #1310 ---
リーファ:
あっちの方に飛べば、
すぐに街のシンボルの風の塔が見えてくるよ。
リーファ:
ん? どうして羽を広げないの?
スイルベーンに行くんでしょ?
ユイ:
この方のアバターは、
どの妖精のものでもないんです。
ユイ:
あえて言えば、人間のアバターというか……。
ユイ:
だから他のALOのプレイヤーのみなさんとは違って、
空を飛ぶことができないんですよ。
リーファ:
そんなアバターがあるんだ。すっごく珍しいね。
リーファ:
でもどうりで、少し見慣れない感じがしたと思ったよ。
リーファ:
そっか。
だからさっきも、森で迷ってたんだ。
リーファ:
飛べれば、そんなに迷うこともないもんね。
リーファ:
でも、せっかくALOをプレイしてるのに、
もったいないなあ。
ALOの醍醐味はなんと言っても空を飛ぶことなのに。
ユイ:
わたしのような
ナビゲーション・ピクシーをつれたプレイヤーさんを、
どこかで見たことありませんか?
リーファ:
……うーん、あたしは見たことないなあ。
リーファ:
そうそう。
タムタムの実でクッキーを作る約束をしてる子だよ。
リーファ:
今はスイルベーンであたしの帰りを待ってるはず。
ユイ:
その方なら、何かご存知かもしれないんですね。
リーファ:
彼女は顔が広いし、いろいろな情報を
集めることが仕事みたいな面もあるから、
あなたの助けになってくれるかもね。
ユイ:
へえ……。
いったいどんな方なのでしょう……?
リーファ:
ま、とにかくスイルベーンに行きましょうか。
ユイ:
リーファさん、飛んでいかないでください~。
リーファ:
じゃあ気を取り直して、
歩いてスイルベーンに向かいましょう。
--- Part B: START #1308 ---
リーファ:
こんな街の入り口まで出てきてどうしたの?
サクヤ:
お前が全然帰ってこないからだ。
気になって気になって、
館を出てずっとここで待っていた。
リーファ:
そうなんだ。
心配させちゃってごめんね。
リーファ:
……って、気になってたのは、
どうせあたしじゃなくて
タムタムの実のほうなんでしょ?
サクヤ:
さあ、早速クッキーを作ろう。
……と言いたいところだが、そちらの方は?
リーファ:
タムタムの実をとりに行くのを手伝ってもらったんだ。
ユイ:
いえ、森で迷子になったところを、
助けられたのはこちらのほうです。
リーファ:
もう。
そんなこと気にしなくていいって。
リーファ:
で、これが私の友達のサクヤ。
シルフの領主なんだよ。
ユイ:
ど、どうしましょう。そんなに偉い方だなんて……。
サクヤ:
かしこまられると、私のほうも困ってしまう。
サクヤ:
それより、リーファを手伝ってくれたのなら、
君たちにもクッキーをごちそうしないとな。
ユイ:
あのサクヤさん、そのクッキーって、
どんな味なんですか?
サクヤ:
あのさくさくした食感に、濃厚な味わい……
サクヤ:
これが本当にゲームなのかと、
疑問に思うくらいの美味だな。
ユイ:
……リーファさんと同じこと言ってますね。
はたして本当に美味しいのでしょうか……。
--- Part A: START #1314 ---
サクヤ:
ふう、美味かった……。
やはりあのクッキーはクセになるな。
リーファ:
タムタムの実って見かけはあんな感じだけど、
本当はとっても美味しいの!
リーファ:
お兄ちゃんに不味いって言われてから
不安だったけど、そうだよね。
ユイ:
わたしのようなナビゲーション・ピクシーをつれた
プレイヤーさんを、見かけたことはありませんか?
サクヤ:
私自身は見かけたことはないが、
アルンにいるレコンが、最近そんな
プレイヤーを見たと言っていた気がするな。
サクヤ:
昨日、現地から報告があって、
そのときにピクシーの話題が出ていたような……。
サクヤ:
でも今日はずっとログインをしていないようで、
連絡がとれなくなっているんだ。
サクヤ:
リーファ、お前とレコンはリアルで友達だったよな。
なにか知らないか?
リーファ:
いや、知り合いだけど別に友達ってわけじゃ……。
あいつが今日どうしているかまでは、わからないよ。
リーファ:
もう、なによ。
がっかりした顔しちゃって!
リーファ:
アルンにはレコンがよく行くアイテムショップが
あるから、そこに伝言を残してるかもしれないわ。
リーファ:
あたしがアルンまで案内するから、行ってみよ?
ユイ:
スイルベーンまで案内してもらったばかりなのに、
さらに道案内をしていただくなんて……。
リーファ:
いいからいいから。
あたしも久しぶりにアルンに行ってみたいし。
サクヤ:
リーファ、だったらついでに、
レコンの様子を見てきてくれ。
リーファ:
じゃ、さっそくアルンへ出発しましょう!
--- Part B: START #1312 ---
ユイ:
わたしたち、助けてもらってばかりで、
ちょっと申し訳ないです。
リーファ:
タムタムの実をとりに行くの、
手伝ってくれたでしょ。
リーファ:
アルンに行ってみたいっていうのも本当よ。
リーファ:
ゲームを始めて、
すぐに森に迷い込んだって言ってたし……。
リーファ:
なんだかお兄ちゃんに似てるなって思ったの。
リーファ:
そうそう、
それにユイちゃんとはお茶会仲間になったしね。
ユイ:
リーファさん……。
ありがとうございます!
ユイ:
……でも、リーファさんって、
本当にお兄さんのことが好きなんですね。
リーファ:
なんでそんなこと、会ったばかりなのにわかるの?
ユイ:
会ったばかりでもわかってしまうくらい、
お兄さんのお話をしてるときのリーファさんって、
すごく楽しそうですから。
リーファ:
アバターの表情に出ちゃうくらいだから、
よっぽどなんだろうなあ。
ユイ:
そんなに好かれているなんて、
今度、そのお兄さんにも会ってみたいです。
リーファ:
そうだね。
今度、機会があったら紹介してあげる。
リーファ:
……さあて、まだまだアルンへの道のりは長いよ!
リーファ:
森を抜けたら休憩をとるから、
それまでもうひとがんばりしよう。
--- Part A: START #1318 ---
ユイ:
リーファさん、アルンの街って、
どこにあるんですか?
リーファ:
アルンは、世界樹のふもとにある街なの。
リーファ:
どの種族の領地でもない中立の街で、
文字通りこの世界の中心にあるから、
央都とも呼ばれているわ。
リーファ:
いろんなところから、いろんな種族の妖精が
集まっているのよ。
リーファ:
だから街を歩くだけでも楽しいし、
めずらしいアイテムが売られていたりもするの。
ユイ:
わあ、すごいです!
どんなところなのかわくわくしますね。
リーファ:
で、さっき言ったように
アルンは世界樹の下にあるから、
リーファ:
基本的な方角としては世界樹を
めざせばいいんだけど……。
サラマンダー兵B:
やつらはまだ
街から出ていないらしい。
リーファ:
……あれはサラマンダーのパーティーね。
リーファ:
あたしたちシルフの隣に領地があるから、
たまに遭遇することがあるけど……。
リーファ:
でもスイルベーンの近くの
こんなところまで出てきているなんて、
ちょっといやな感じだわ。
ユイ:
なんだかリーファさんの口ぶりだと、
サラマンダーさんたちのことを嫌っている
ように聞こえますけど……。
リーファ:
うーん、あたしたちシルフとサラマンダーは
あんまり友好的じゃないの。
リーファ:
アルンに着くのが遅くなるけど、ごめんね。
リーファ:
でもあいつらに見つかるほうが、
よっぽど面倒なことになるから……。
--- Part B: START #1316 ---
リーファ:
サラマンダーたちのせいで
遠回りになっちゃったけど、
これでルグルー回廊まではもう一息だよ。
ユイ:
わたしたちはアルンをめざしているんじゃ
ありませんでしたっけ?
リーファ:
さっきはサラマンダーのせいで、
説明が途中までだったっけ。
ごめんごめん。
リーファ:
アルンは世界樹のふもとの街なんだけど、
世界樹はものすごく高い山脈に囲まれているの。
リーファ:
山脈を飛んで越えることはできないから、
地上から世界樹をめざすしかないんだけど……。
リーファ:
山脈に空いたトンネルみたいな洞窟で、
そこを通れば山脈を越えて世界樹まで行けるってわけ。
ユイ:
じゃあアルンに行くためには、
まずはその回廊を抜けなければならないんですね。
リーファ:
アルンまでの道のりは、
けっこう先が長いのよ。
リーファ:
だから本当は
遠回りなんてしたくなかったけど……。
リーファ:
まったくサラマンダーの連中のせいで
無駄な時間をかけちゃったわ。
ユイ:
さっきのサラマンダーさんたちは、
あそこで何をしていたんでしょうか。
リーファ:
でもここのところは特に、
シルフのパーティーとサラマンダーのパーティーの
小競り合いが頻発しているの。
リーファ:
通りがかった他種族を襲う相談でも
していたんじゃないかな。
ユイ:
わたしたちは見つからなくてよかったです。
ほっ……。
リーファ:
なんでも最近、サラマンダーの中でも
特に好戦的な一派が、もっと領土拡張すべき
だって主張しているらしくて。
ユイ:
もうこれ以上、
サラマンダーさんたちに
遭遇しなければいいのですが……。
リーファ:
あそこにサラマンダーがいたこと、
一応、サクヤにメッセで
知らせたほうがいいかな……。