「宿命」
作品の概要/ストーリー 吹雪の中を少年が歩いていた。 軽装の革鎧に青のコート。ここが都市の近くの平原であれば、念入りな市民か、近隣に出かける冒険者に見えただろう。 しかし、少年が歩くのは世界屈指の厳寒で知られる霊峰への道上だ。吹き荒れる風も、叩きつけられる雪も。まるで白以外の色を纏う少年を否定するように、容赦なく襲いかかっている。 それでも少年はその白い世界こそを否定するかのように、強く足を踏みしめて歩を進める。身体の力を奪おうとする雪の冷たさも、命の炎をかき消そうとする風の強さも。まるで意に介していないように見える。 実際少年には、雪山の寒さなどどうでも良かった。 ― 数日前に失敗した最後の結界破りで、自分の未来は確定した。 これで、粛々とこの地を守り、次の時代へその役目を引き継ぐだけの人生が待っている。これで、自分の夢は叶うことはなくなった。 話に聞いた世界、文字に…
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