「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和八年(2026年)7月29日(水曜日)
通巻第9385号
AI株は”正常値“に戻ったのか、大暴落の前兆なのか
キオクシア、すでにピークから60%下落している
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オープンAIとアンソロピックのIPO(新規株式公開)はたぶん延期されるだろう。AIバブルはピークを打ったと判断できる。CXMTの株価が27日に、いきなり4・6倍に化けた。中国のAIバブルもこれが頂点、あとは下落一途になるだろう。
一般株とAI関連株とのデカップリングは、フィラデルフィア半導体指数が一目瞭然の実態を示している。
フィラデルフィア半導体指数は6月に14655をつけて、その後下落を続けており、7月28日は11035だった。これからの傾向を鮮明に示している。
理由は単純にして明快である。
AI大手のデータセンターなどへの天文学的な投資は、採算性に疑問が指摘されている。たとえばアルファベットの2026年の設備投資は邦貨換算で33兆円。キャッシュフローが赤字になって借り入れに走っていることは周知の事実である。
6月15日に絶好調の筈のエヌビディアは債券発行で200億ドルを調達した。世界一の時価総額企業、アップルと主客交替となった。
7月14日に「ハイパースケーラー債券市場の大混乱」とゴールドマン・サックスがAI債務バブルを予測したが、これが転機となったのかもしれない。
日経平均は6月22日に72831円を更新したが、7月28日の終値は2566円安の62364円で引けた。とくにキオクシアは、6月の110439円というピーク(このとき瞬間的に時価総額でトヨタをぬく珍事となったが)、28日の終値は44550円で、じつに60%の下落、これって暴落というのでは?
NYダウは7月に53289ドル。以後下落気配、株価と併行して下落しているのはゴールド価格である。金価格は1月に史上空前の5626ドル(1オンス)、いまは4000ドル台で低迷している。
アジアでも最も鮮明なのが韓国である。
韓国総合株価指数(KOSPI)は28日に、サムスン電子とSKハイニックスが13%以上下落した。これを受け、韓国取引所は現金取引とプログラム取引の両方を20分間一時的に停止した。
韓国の主要株価指数は、1カ月前のピークから約34%下落している。
日本経済の死活的な要素は実は過度の円安である。これは国家安全保障の問題であり、円安放置は売国的行為である。
対照的に人民元高が続き、過去五年で14円台から24円台に跳ね上がっている。中国資本が都内の億ションのペントハウスを購入して居住していないことは深刻な問題だが、円安によって日本の中小企業の倒産が増え、あまつさえ中国資本が日本企業を買収している。
政府、とくに財務省と日銀の円安無策はいつまで続くのか。日本経済が好景気で浮上するなどという株高理論は浮き足立ってきた。


















