今回の名義の他にも、Boy SnacksやWorld Seriesといった様々な名義で〈Beer On The Rug〉から作品をリリースするという、〈Beer On Ther Rug〉主宰C V L T Sとの相性も抜群なロサンゼルスの作家Angel 1が、シカゴの〈Lillerne Tapes〉よりローファイなアンビエント~フィールド・レコーディングな新作『Fy』をリリース!〈1080p〉から11月にリリースする新作に多いに注目が集まっていたけれど、不意打ちで〈Lillerne Tapes〉ということで。〈1080p〉は例のオンライン・アンダーグラウンドでも取り上げられたように、そして、何より扱う音楽を聴けば察知できるように、非常に素晴らしくインターネットを感じる絶妙な選抜で様々な作家がリリースをしていて、いま最も魅力的なレーベルのひとつとして間違いないのだけれども、そういったインターネット通過なポップス・コラージュを期待させつつの、こういったカセット・アンビエントな作品を直前に発表するというのはバランスの取れた良い仕事するな~と。
韓国のジューク/フットワークを牽引するDJ/プロデューサー sata がHHW-MIXに登場!アジアにおけるフットワーク最盛の地が日本だということはプレイヤーの数からしても確かなのだが、隣国より頭角を現している sata や CONG VU などの存在は、実に豊潤なKorean Jukeシーンの到来を予感させる。現地での熱量などは実際に足を運ぶしか確認する術が無く、現状、僕は彼らをバンドキャンプやサウンドクラウドを通しての情報しか知らないのだが(来日は果たしているので彼らのプレイを体感をしている人は勿論存在している)、そんな一遍であろうと sata という人物が刺激的でトリッキーなフットワークを発信していることは簡単に理解が出来る。先日、キャリアの本格的な第1歩となる1st EPもリリースし、今後の活躍に大いに期待の集まる人物だ。
<a href="http://sata.bandcamp.com/album/ep1" data-mce-href="http://sata.bandcamp.com/album/ep1">EP1 by sata</a>
<a href="http://softwarelabel.bandcamp.com/album/road-to-incursio" data-mce-href="http://softwarelabel.bandcamp.com/album/road-to-incursio">Road To Incursio by Napolian</a>
<a href="http://depressivetongueposse.bandcamp.com/album/glass-hands-ep" data-mce-href="http://depressivetongueposse.bandcamp.com/album/glass-hands-ep">GLASS HANDS EP by DEPRESSIVE TONGUE POSSE X BLADERUNNA</a>
日本を中心としたテレビゲームの音楽の影響をドキュメントしたRBMAの『Diggin' in the Carts』シリーズが話題を呼んでいるが、ポスト・トラップ・ミュージックにおけるゲーム・ミュージックの影響、というよりも「使いかた」は洗練からは程遠くトラッシーでもっとチャイルディッシュだ。言ってみればヴェイパーウェイヴにおけるミューザック(あるいはフューチャー・ファンクにおけるディスコ)がゲーム音楽やアニメの音とトラップ・ビートに挿げ替えられただけである。
本作と同じく〈Beer On The Rug〉からリリースされた前作『TimeTimeTime&Time』にTiny Mix Tapesがレビューにて”vaporwave”のタグを付けたことによって、当時の私たちはヴェイパーウェイヴとは一体何なのかを一層に悩むことになった。LASERDISC VISIONSが『NEW DREAMS LTD.』を、MACINTOSH PLUSが『FLORAL SHOPPE』を、情報デスクVIRTUALが『札幌コンテンポラリー』を...つまりVektroidが新時代の情報社会を構築していた2011年夏~2012年春という、ヴェイパーウェイヴのクラシックが続々と生まれていた時期を経て2012年5月に解放された『TimeTimeTime&Time』は、確かにサンプリングの反復やスクリュードされたヴォーカル、楽曲制作の手法にはその影を見ることが出来たのだが、実に美しいフォーキー・サウンドとフットワークの奇妙な邂逅、そして、湿度が高く暗い部屋のような雰囲気こそが『TimeTimeTime&Time』の最大の魅力であって、”当時の空気感におけるヴェイパーウェイヴ”とは正直に同期しているようにはあまり思えなかったのだが、その感覚はele-kingのレビューにて詳しい。
さて、『ROOM MUSIC』と題された本作はYYUの最も人間的な部分が表層に現れた作品である。2年前の『TimeTimeTime&Time』、更には〈RAMP〉からリリースされた『Kiss As We Walk(12”)』など、今年まで見ることの出来ていたフットワークからの影響や、それこそ、ヴェイパーウェイヴ的サンプリングを『ROOM MUSIC』では確認できない。唯一、その残像として感じるのが曲最後のブツ切りだろうか。それほどに本作は純然たるフォーク・ソング集であって、幽霊のように白い布を被り、しゃがみ込みながら機材を触る彼の姿は、静寂の広がる暗闇の中にポツリと灯りが浮かぶマンションの一室で、ギターを片手に近隣住民に怒られないよう微かな音を響かせながら口ずさみ楽曲の制作に取り組む青年に変わった。ヴェイパーウェイヴに広がるディストピアでなく、埃を被ったカセット・テープから広がるアシッド・フォークの世界へのアクセス。彼が、そして、あれほどに2010年以降のエクスペリメンタル&インターネットを牽引してきた/している〈Beer On The Rug〉がこのタイミングでヒューマニズム溢れる音楽を届けてくれたことは、Keith Rankinが『DARK WEB』で魅せたハイファイとは対照的に映り、非常に面白い。果たして彼らが放つ作品は今後のインターネットにどのような影響を与えていくのだろうか?早くも2015年のシーンが楽しみである。
<a href="http://beerontherug.bandcamp.com/album/room-music" data-mce-href="http://beerontherug.bandcamp.com/album/room-music">ROOM MUSIC by YYU</a>
三田格氏はBrain Enoの『Ambient 1 - Music For Airports』を指して、アンビエント・ミュージックにとって「これが(過去にとっても)すべての始まりとなった」と評しているが、そこから発展し、連綿と紡がれてきたアンビエント・ミュージックの歴史、そのヴァリエーションの一つがこのような形で現れたというのはとても面白いことではないだろうか。最終曲「UNITY ℬ⚈ℳℬ」を聴いていて、思わずビートの効いた『Music For Airports』だと感じてしまうのも強ち気のせいではないと思うのだ。
ルイジアナ州バトンルージュのビートメイカー、 Aqua NoahがHHW-MIXに登場!トリップ・ホップの流れを汲んだフューチャー・ビーツのシーンの感性を軸にスマートなビートをドロップする彼が提供してくれた本ミックスは「Water」と名付けられ、その名の通り流体的にスクロールしていく現行のヒップホップは少し肌寒くなってきた今の季節の空気感を切り取っているような。ヒップホップ畑のビートメイカーだということもあって曲間に挟むスキットは一層に本ミックスの一体感を増しており、「水」というコンセプチュアルなタイトルの表現に努めている。残念ながらトラックリストは無いので、曲が気になった人は彼にコンタクトを取ってみて!#relax!