総本山仁和寺で開催する展覧会参加の嬉しいお話を頂き、
約2ヶ月をかけて準備をし、2021年秋の美しい季節に展示をいたしました。
制作期間が短くあたれる書籍は少なかったのですが、時間が許す限り制作と研究を同時並行しました。
黒書院という有形文化財の建物一棟を、一人で使わせて頂けることになり、
総数21点を用意し、日本に本帰国してから初めての大規模な展示となりました。
制作が始まる前に、御寺を丁寧にご案内いただき、その完成され調和している境内の空間、
そして堂本印象の襖絵もある黒書院という場に大変感激しました。
特別に観せていただいた五重塔内部や、金堂内部・背面の板絵も素晴らしかったです。
そこで
(1)真言宗御室派・総本山"仁和寺(黑書院)”という歴史ある特別な場にふさわしい作品にすること
(2)宝珠や孔雀など御寺にとって重要なモチーフを描かせていただくこと
(3)美しい空間の調和を乱すことなく、現代の美意識を反映させること
(4)作品は全て仏前に捧げるという気持ちで、これまでの半生も繕うことなく織り交ぜ、 真摯に向き合いながら描くこと、
という4点を意識して制作しました。
父方は浄土真宗、母方は神道、家族はクリスチャンと周囲の背景は様々で、
自身には特定の信仰も所属もありませんが、
このような機会に真言宗・密教について学び、かつ
すぐに制作に反映したことは、深く勉強になりました。
またこの制作をきっかけに「紙仏(しふつ)」という仏画のシリーズが、
自身の新しい作品の様式に加わったことも、とても大きな変化でした。
気持ちの良い季節となった展示会期中には、多くの方にご来場いただき、
また最終的に3点を御奉納させていただく機会も頂戴し、
1000年後にも残るようにと準備をして、とても充実した本帰国後の制作となりました。
せっかく京都に参りましたので、いつか寺社仏閣で展示をと思っていましたが、
こんなにも早く実りあるご縁を頂けて、心から嬉しかったです。
関係者の皆様、ご覧下さった皆様に心より感謝いたします。
<参考書籍>
令和に守り伝えたい仁和寺の祈り 瀬川大秀
仁和寺と御室派のみほとけ 東京国立博物館図録
もっと知りたい 仁和寺の歴史 久保智康,朝川美幸
即身成仏義 空海,加藤精一
声字実相義 空海,加藤精一
吽字義 空海,加藤精一
三教指帰 空海,加藤純隆,加藤精一
秘蔵宝鑰 空海,加藤純隆,加藤精一
般若心経秘鍵 空海,加藤純隆,加藤精一
密教入門 西村公朝
佛教の文様 池 修
曼荼羅入門 小峰彌彦
空海の哲学 竹村牧男
梵字必携 児玉義隆
祈雨・宝珠・龍:中世真言密教の深層 スティーブン トレンソン
日本の美術 No.508 孔雀明王像
原色図典 日本美術史年表
密教美術大観 1ー4巻 朝日新聞社
聖なる珠の物語 空海・聖地・如意宝珠 藤巻和宏
弘法大師の世界 別冊太陽
国家興亡の方程式 ピーター・ターチン,水原文