感傷ベクトルの終着駅
「実はラストライブというw」
『ええええええええええええ』
なんてLINEを囁一さんと交わしたのはライブの二日前。
元々予定が入ってて、残念ながら今回は行けないかなーと諦めていたのだけど、こんな事言われたら行かないわけにはいかない。何とか前の予定を終わらせ、車を走らせダッシュで渋谷へ。 ライブ会場に到着すると、今まさに演奏が始まるというギリギリのタイミングだった。
感傷ベクトルに出会ったのは2010年、同人ショップに働いていた頃、当時取り扱いを開始した「one」だった。ジャケットは真っ白、店頭に貼るポスターは半分以上が空白というインク代がかからなそうな(?)デザイン。思い返してみれば、初めて「デザインとしての空白」を感じられたのもこの作品かもしれない。買ってからイラストも歌も曲も本人が作っているという事を知り、「人間って凄いんだな…」なんて小物な感想が溢れてしまったのは今でもよく覚えている。
当時はバイトなのに営業に片足突っ込んでたようなイケイケ若輩者だったので、「めっちゃファンです…!」と、面倒くさいヲタクを醸し出しつつ囁一さんと春川さんに挨拶していたと思う。
メジャーデビューが決まり、シアロアが出るとなったら店頭に「特設組ませてください!」と、張り切って売り場を組んでいたのも懐かしい。平台を全部埋めて階段棚を自作したり。
それから数年。別のショップの営業として再度話しに行くまで毎回新譜は買いに行ってたし、新譜を聞く度にoneは引っ張り出してたし、「Hide & Seek」は車を運転しながらよく聴いていた。好みのジャンル傾向が割りとダンスミュージックやゲームBGM寄りなので、ここまで追っかけてるバンドサウンドというのは自分の中では珍しかったと思う。
ライブが終わって余韻に浸る中、明るくなった会場を見渡すと知ってる顔がチラホラ。お世話になってる方々へ軽くご挨拶して帰路へ。
感傷ベクトルは「田口囁一という男の"青臭さ"」を象徴したサークルだと思っている。本人が20代という表現をしているのが”まさに”という感じで、「表現への情熱」「エグく、クレバーになりきれない若さ」「歩みの葛藤」などが漫画、曲、歌詞、あらゆる作品から滲み出ている。囁一さんと同い年だから余計に敏感なのかもしれないが、その"青さ"がとても身近に感じたのかも。「青春の始末」という作品はそんな背景もあってドストライクだった。
改めて一区切りということで、お疲れ様でした。飯なり飲みなり誘いますね。
これはあくまで一つの終着駅。この後は別の列車に乗り継ぐのか、 はたまた別の目的地に歩き出すのか。 次の十年、三十代に栄光あれ。












