19章では、分化プロセスによってのみ有機的な全体が作り出されると論じた。 そこで述べたように、全体の中での部分を定義する分化プロセスによってのみ、自然なものが生成される。つまり、このようなプロセスによってのみ、全体に占める位置に応じた部分を個別的に形づくることができるからである。 だがここで、漸進的にではあるが、同じような成果を生み出す補足的な第2のプロセスが存在することが分かる。 場所が成長し、いろいろなものが少しずつ追加されるにつれ、より大きなパタンの形成を促していくとき、どの段階をとってもその場所は全一的である――だがこの場合、現実の具体的な事物が総体的に発生しているので、全体の幾何学的な規模は変化し続けるのである。 このプロセスによって、単純に分化していくプロセスと同様に、部分がそれぞれの位置に応じて形成されるような全体をつくることができる。 だが、このプロセスがそれより強力なのは、より大規模で、より複雑な建物の集合体を作り出せることである。 そして何よりも、誤りを残さないという点でさらに強力である。すき間は満たされていき、小さな間違いも少しずつ修正されていく。最終的には、あまりにも穏やかでくつろいだものになり、まるでずっと大昔からそこに存在していたかのように思えるのである。そこには粗雑さなどみじんもなく、ただ時間の広がりの中に存在しつづけるだけである。
『時を超えた建設の道』(Christopher Alexander著、平田翰那訳、鹿島出版会, 1993, ISBN 978-4306043060)pp.398-399 道 25章 修復のプロセス











