“地震に強かった新幹線”・・Integrityという言葉を思う
震災で安全を考えたコラム「想定を超えた万一に備える」で引用した「地震に強かった新幹線」。日本語ブログです #integrity #ITdesign #shinkansen #earthquake
“地震に強かった新幹線”・・Integrityという言葉を思う
*このコラムは海外向けブログの翻訳用原稿です。拙い表現が多々あります
中国高速鉄道の事故で、改めて、日本の新幹線の強さが語られています。操業開始以来、人身事故はゼロ。高速鉄道が走るためには、列車そのものだけでなく、運行、制御、信号、監視など複数のシステムが組み合わさって動いています。中国の事故でも、制御系のトラブルに加え、信号が届かなかったといった話が伝わってきました。そして、システムが管理する対象は、車両だけでなく、そこに搭載されたシステム装置、線路上の機構など、多様な要素が含まれます。
日本の新幹線や高速鉄道では、そもそも、車両同士が追突をすることはありえない構造となっているそうです。制御系システムに故障があっても、あるいは、運転手にトラブルがあっても、車両同士がぶつからないシステム。1つの区間内に1つの列車しか入らない、後続の列車は入らず必ず停止する、しくみが用意されています。これを実現するのが、列車の存在をレール上の電流で探知する機構。列車を停止すべき位置に停車させる車両床下アンテナもあります。ATC(自動列車停止装置)による自動ブレーキや減速の前に、まず、線路と車両自体が「車両同士の衝突を避ける仕様」になっているわけです。多重な技術によって、事故を防ぐこと。安全に向けたグランドデザイン。求められる状態を達成し維持し続けるために、あらゆる角度から技術を駆使し英知をこらすには、全体像を示し、最適に要素を組合せ、最適な状態で動かす“デザインの力”があります。。
高速鉄道は乗り物であると共に、高度な統合システムです。日頃、日本の新幹線や高速鉄道の“安全で正確な運行”を当たり前のように受け止めていましたが、今回の事故で改めて、どれほど高度な技術であるか再認識しました。そして、それを維持、管理するためにたくさんの人たちが地道な仕事を続けていること、鉄道会社が根気強くインフラ部分への投資を続けていることも印象的です。
地震の後、鉄道会社の方々が夜を徹して、線路の一本一本を目と手で確認する様子をテレビで見ました。高度なシステムと日頃の地道な努力、そして、多くの人の妥協を許さない仕事。そうした地道な努力が、3月11日の地震で大きな成果となりました。あの大震災の際に、高速で走行する新幹線は一両も脱線をしなかったこと。
ここでは、改めて、地震発生後に書いた記事「地震に強かった新幹線」でその概要をご紹介します。
Wonderful Topic”地震に強かった新幹線”;4月7日
東日本大震災で、新幹線は地震発生時に、乗客を乗せて走行していた88本すべてが、乱れなく、正しく停止しました。新幹線の緊急停止機能は、「1000年に1度」「想定外」と言われる大地震の中でも、きちんと作動し、脱線事故を回避しました。
新幹線には、地震発生時にいち早く動きを探知し、車両を止める「新幹線早期地震探知システム」が搭載されています。沿線や周辺に独自に地震計を設置し、その値から地震規模や加速度を想定し、運転規制の判断指標と照合し、送電停止機能が作動します。送電が停止すると、非常ブレーキ指令が出て車両は停止します。
新幹線を始めとするJRグループの車両には、ATC(自動列車停止装置)がついています。しかし、2005年にJRは新幹線に対して、地震発生時にATCを介さず非常ブレーキ指令で停止することで、ブレーキ指令が出るまでの時間を2秒から1秒に短縮する、という改良をしています。
これに限らず、新幹線には1秒をつめ、わずかな精度をあげる努力が随所に見られます。
複数のシステムが連動して、ひとつの精密な動作をする。交通が「システム産業」であること、コンピュータ技術と強く密着していることを痛感します。
そうした中、JR東日本から被災地を走る東北新幹線の停止に関する発表がありました。
地震当日、東北新幹線は地震の揺れをいち早く探知し、最初の揺れの9秒前、もっとも大きな揺れが起きる1分10秒前に、非常ブレーキをかけて減速を始めていたことが分かったそうです。JR東日本は、東北新幹線の沿線に加えて、太平洋沿岸にも9つの地震計を設置していました。今回は、その中の1つ、男鹿半島にある地震計が、地震が来る加速度が基準値を超えていることを警告しました。男鹿半島は東北新幹線の線路から約50㎞離れた所です。これによって、新幹線沿線に地震が来る前に、走行中の新幹線に非常ブレーキをかけることができました。地震が起きた時には、新幹線はすでに減速中。これによって大きな地震に耐え、高速の新幹線にもかかわらず、脱線を防ぐことができました。”地震をいち早く探知し、大きさを予測することで、走行中の車両のリスクを減らすこと”。JRの技術力とシステム・デザイン、そして地道な努力の積み重ねに感動しました。