1.4.0 ALO Chapter 2 央都アルンへの道
--- Part A: START #1322 ---
ユイ:
リーファさんは、
アルンに行ったことがあるんですよね。
リーファ:
そのときは、この高山地帯に入る少し前の場所で
イビルグランサーの群れと戦ったんだっけ。
リーファ:
そのあとで、一旦休憩するために、
交代でログアウトしたんだ。
リーファ:
「初期装備が黒っぽいところが気に入った」
ってだけの理由で選んだんだって。
リーファ:
だから今でも真っ黒い装備で固めてるんだよ。
リーファ:
それに、体格に不釣合いなくらい
大きくて重い剣をもってて。
リーファ:
長いことゲームをやってる間に、
そういうスタイルができあがっていったみたいなの。
ユイ:
リーファさんのお兄さんって、
かなりベテランプレイヤーさんなんですね。
リーファ:
それだけじゃなくて、すっごく強いんだよ。
リーファ:
剣さばきも速くて、このゲームで一番かもしれない。
リーファ:
しかも普段は頼りない感じなんだけど、
ここぞというときに頼りになるところもカッコいいし。
ユイ:
い、いえ、わたしはなにも。
リーファさんがひとりで盛り上がって……。
--- Part B: START #1320 ---
ユイ:
お兄さんのこだわりはさっき聞きましたけど、
リーファさんにはなにか、
ゲームでのそういうこだわりはあるんですか?
リーファ:
そうね、こだわりとは少し違うけど、
この世界で空を飛ぶことが好きなんだ。
リーファ:
初めて空を自由に飛び回ったとき、
すごく心地よくて感動して……。
リーファ:
この羽をはためかせて、どこまでもどこまでも、
高く遠く飛びつづけていたいの。
リーファ:
そのためなら何を犠牲にしても惜しくないくらい。
リーファ:
あたしは空を飛ぶことに
すっかり魅せられちゃったのね。
ユイ:
そこまで好きなことがあるなんて
とってもステキですね。うらやましいです。
ユイ:
リーファさんがALOをプレイしているのは、
お兄さんがいるからと、空を飛べるから、なんですね。
リーファ:
なんでそこでまた
お兄ちゃんの話が出てくるのよ。
リーファ:
ユイちゃん、もしかしてあたしをからかってる?
ユイ:
ただ、どちらも本当にお好きなんだなって
思ったものですから。
リーファ:
そ、それにほら、
ちょうどルグルー回廊も見えてきたわ。
リーファ:
回廊の中にもモンスターは出るから、
気を引き締めて行こう。
--- Part A: START #1326 ---
ユイ:
洞窟の中は、さすがに暗いですね。
気をつけて進まないと……。
リーファ:
マップがあるから、迷うことはないはずよ。
ただ、モンスターにだけは気をつけてね。
ユイ:
リーファさん、ところで、どうしてここは
ルグルー回廊と名づけられているのですか?
リーファ:
洞窟を進むと鉱山都市があって、
その街の名前がルグルーっていうのよ。
リーファ:
ノーム領の首都、大地下要塞ほどじゃないけど、
いい鉱石が採れるんだって。
リーファ:
だから街の規模はそれほど大きくないけど、
商店や、武器や防具の工房が多いの。
リーファ:
NPCだけじゃなくて、
お店を開いている商人プレイヤーや、
鍛冶が得意なレプラコーンのプレイヤーも
けっこういるんじゃないかな。
ユイ:
楽しそうな街ですね。
はやく行ってみたいです!
リーファ:
マップを見ながら最短ルートで進んでも、
数時間はかかるから……。
リーファ:
でもシルフ領からアルンをめざすなら、
これが一番近道なの。
リーファ:
北にあるケットシー領を通って、
高い山脈を避けるルートもあるんだけど、
そっちはやっぱり遠回りだからね。
リーファ:
そんなことないよ。
ALOのプレイヤーならわりと常識だよ。
リーファ:
でもそうやって関心されると、
お兄ちゃんと一緒にアルンをめざしてるとき、
いろいろ教えてあげたことを思い出すなあ。
リーファ:
鉱山都市に着いたら一休みしましょう!
それまではどんどん進まないと!
--- Part B: START #1324 ---
リーファ:
地底湖まで来たら、鉱山都市はもう目と鼻の先だよ。
リーファ:
ほら、湖に橋が架かっているでしょ?
あれを越えたら、そこはもうルグルーの城門だよ。
ユイ:
それにしても大きな湖ですね。
泳いでみたら楽しいかも……。
リーファ:
ここには超高レベルのモンスターが棲んでいるから。
リーファ:
うっかり湖に落ちたりしたら、すぐにやられちゃうかな。
リーファ:
ましてや泳ぐなんて、自殺行為みたいなものだよ。
リーファ:
よっぽど腕に自信があるか、
水中戦が得意なウンディーネがパーティーにいるなら、
戦ってみるのもアリかもしれないけど。
ユイ:
高レベルのモンスターって、
いったいどんな怪物なんでしょう……?
リーファ:
噂では水竜型だって聞いたけど、
実際に見たことはないから、
本当のところはわからないなあ。
リーファ:
うちのお兄ちゃんだって結局、
ここのモンスターとは戦ってないんだから。
ユイ:
……ということは、
リーファさんのお兄さんは、ここのモンスターと
戦おうとしたんですか?
リーファ:
うちのお兄ちゃんって
すごくゲームマニアで戦闘マニアだから、
モンスターを見たら、とにかく戦いたがるんだよね。
リーファ:
内心では、いつかここのモンスターとも
戦おうと考えているかも……。
ユイ:
リーファさんからお兄さんのお話を聞くたびに、
どんな人なのか、すごく気になります。
リーファ:
ゲームが好きなだけで、
普通のお兄ちゃんだと思うよ。
--- Part A: START #1330 ---
ユイ:
小さい街だけど
お店がいろいろあって楽しいです!
リーファ:
意外にいい武器が売ってたりもするんだよ。
リーファ:
これは活気というよりも、
なんだか街がざわついているような。
リーファ:
なにかクエストが発生しているのかもしれない。
リーファ:
あのNPCの女の人にちょっと話しかけてみよう。
リーファ:
あの、騒がしいみたいですけど、
なにかあったんですか?
エルフ青年女性:
回廊のアルン側の道で落盤があったの。
エルフ青年女性:
岩で道が塞がれてしまって、
回廊を行き来できなくなってしまったのよ。
エルフ青年女性:
岩を爆破して道を開ける必要があるんだけど、
今、街に残っている火薬じゃ量が足りなくて……。
エルフ青年女性:
シルフ領側の道に倉庫があるから、
そこまで行って火薬をもってこないといけないのよ。
リーファ:
要するに、道を戻って、
その倉庫から火薬をとってこい、ということね。
リーファ:
うーん……。
面倒なクエストが発生しちゃったなあ。
エルフ青年女性:
ちなみにその倉庫は、
街を出てすぐの橋を渡ったら、
右に伸びる通路を進んで、
そうしたら三叉路に出るからその先は……。
ユイ:
慎重にマップを見ながら進まないと
迷ってしまうかも……。
リーファ:
マップを見ればそんなに迷うことはないわ。
リーファ:
むしろ上手くやれば、
今聞いた道順よりも、近道できそうかな。
ユイ:
ただでさえ道順が複雑なのに、
大丈夫でしょうか……。
リーファ:
さ、着いたばかりで慌しいけど、さっそく道を戻ろう!
--- Part B: START #1328 ---
リーファ:
なかなか着かないわね。
道は合っているはずなんだけど……。
ユイ:
リーファさん、道が二手にわかれています。
どちらに行きましょうか。
リーファ:
おかしいな……。
マップでは、こんなにすぐに分かれ道には
なっていないんだけど……。
ユイ:
……リーファさん、わたしたちもしかして、
迷ってしまったのではないでしょうか。
リーファ:
……でもちょっと前に道を一本間違ってから、
あやしくなってるかも……。
ユイ:
道の向こうに扉があります。
もしかしたら、あれが倉庫なんじゃ……?
リーファ:
うん、ここで間違いないみたい!
ああよかった! 迷っちゃったと思ってた……。
ユイ:
じゃあ火薬をとって、鉱山都市に戻りましょう。
エルフ青年女性:
あなたたち、火薬をとってきてくれたの?
エルフ青年女性:
ありがとう! これで道を開けられるわ。
火薬を鉱員さんたちに渡せば、
すぐに開通作業に取り掛かってくれるはずよ。
リーファ:
ふう、思わぬ足止めをくっちゃったけど、
これでどうにかなりそうね。
ユイ:
……でも、さっきの倉庫までの道順、
本当に近道だったんでしょうか。
ユイ:
NPCさんに聞いた道順に
素直に従ったほうがはやかったんじゃ……。
リーファ:
……ごめんなさい。
これからは、もっと慎重にマップを見るわ……。
--- Part A: START #1334 ---
ユイ:
NPCの鉱員さんたちが道を開けてくれたから、
今は破壊された岩の破片が
あちこちに落ちているだけですけど……。
リーファ:
この破片を見ると、よっぽど大きい岩が
道を塞いでいたみたいね。
リーファ:
まあそうでないと、隙間を抜けていこうなんて考える
プレイヤーもいるかもしれないし。
リーファ:
しかし迷惑なクエストだったね。
ルグルー回廊は通るプレイヤーが少ないから
まだいいけど……。
リーファ:
ケットシー領を経由して山脈を迂回するルートで
こういうクエストが発生したら、
もっと大騒ぎになってたかもしれない。
リーファ:
クエストクリアの報酬はけっこうもらえたから
そこはよかったけど……。
ユイ:
ルグルー回廊って、あんまり通る人がいないんですか?
リーファ:
さっき言った、ケットシー領のルートのほうは
とても人気があるんだけどね。
ユイ:
どちらも世界樹やアルンに行くための道ですよね。
人気や不人気があるんですか?
リーファ:
シルフに関してだけ言えば、
ケットシーとは友好関係にあるからね。
リーファ:
多少遠回りになっても、
ケットシーの協力が得られるから、
ルグルー回廊を通ってモンスターたちと戦うよりも
安全で快適なルートなのよ。
ユイ:
シルフとケットシーは仲が良いんですね。
もしかしてリーファさんにも、
ケットシーのお友達がいるんですか?
リーファ:
だけど、そもそもシルフとケットシーは、
領主同士も仲がいいからね。
リーファ:
あーあ。ケットシーみたいに、
サラマンダーとももう少し友好的になれたら、
サクヤも気苦労が減るんだろうなあ……。
ユイ:
妖精さんたちの関係もいろいろ複雑なんですね。
リーファ:
こんなところで立ち話してても仕方ないね。
--- Part B: START #1332 ---
リーファ:
マップによれば、ここから先は、
もう分かれ道はないはず。
リーファ:
このまままっすぐ進めば、アルン側の出口につくよ。
ユイ:
もうずっと長い間、洞窟の中にいる気がします。
はやく外に出たいです……。
リーファ:
そうだね。
想定よりも時間がかかっちゃった。
ユイ:
あっ。
通路の先の方!
光が見えてきましたよ。
ユイ:
モンスターの気配もありませんし、
ここから出口まで競争しませんか?
リーファ:
あっ、ユイちゃん、ちょっと待って……!
ユイ:
どうしたんですかリーファさん!
おいていっちゃいますよー!
リーファ:
見てなさい、ユイちゃん。
今すぐあたしが追い抜いちゃうから!
リーファ:
こっちだって負けないんだから!
行くよ!!
リーファ:
ほら追い抜いた!
あたしが一着でゴール!!
リーファ:
ここの出口が、切り立った崖になっていること、
すっかり忘れてたわ……。
リーファ:
キミは競争に参加しなくて正解だったね……。
リーファ:
あたしは羽があるから落ちないですんだけど、
キミはそのまま崖から落ちてたかもしれないし。
ユイ:
競争しようなんて言ってごめんなさい。
みなさん無事でよかったです……。
--- Part A: START #1338 ---
ユイ:
……さっきはびっくりしました。
まさか出口がこんな崖にあるなんて思わなかったです。
リーファ:
それより、やっと長い回廊を抜けられたね。
おつかれさま。
ユイ:
はい!
リーファさんもおつかれさまでした!
ユイ:
外に出るのは久しぶりだから、
太陽の光がまぶしいです。
リーファ:
ゲーム世界だってわかってても、
陽の光がまぶしく感じるよ。
リーファ:
それになんだか、
空気が透き通っているように思えない?
リーファ:
だからもしかしたら、
空気がそういう風に見える処理を
加えているのかも……。
リーファ:
ま、そういう気がするってだけで、
あたしの錯覚かもしれないけどね。
ユイ:
本当にそうかもしれませんよ。
だってわたしにも、空気が澄んで見えますから。
リーファ:
回廊を抜けたら世界樹まではもうすぐだよ。
ユイ:
山脈の向こう側から見ていたときよりも、
ずいぶんと大きく見えます。
リーファ:
ふふ、アルンに着いたら、きっともっと驚くわよ。
リーファ:
幹なんて、間近で見ると
ほとんど壁にしか見えないくらいだから。
リーファ:
じゃあすぐ近くで見る世界樹を楽しみにしながら、
アルンをめざそう!
--- Part B: START #1336 ---
レコン:
リーファちゃんがなんでこんなところに?
も、もしかして僕に会いにきてくれたの!?
リーファ:
あんたと連絡がとれなくなったって、
サクヤが気にしているから、
あたしが様子を見に来てあげたのに……。
リーファ:
あんた、ぴんぴんしてるじゃない。
サクヤの任務、サボってたんじゃないでしょうね。
レコン:
僕、リアルで風邪をひいちゃって、
ログインができなくなってたんだ。
レコン:
でも今はもう全快して、
さっきログインしたところなんだ。
だから安心してくれていいよ。
リーファ:
誰もあんたの体調なんて気にしてないわよ。
いいからまずはサクヤに連絡してあげたら?
ユイ:
リーファさん……。
なんだかこの人に対しては容赦がないですね……。
リーファ:
この人たち、あんたに聞きたいことがあるのよ。
ユイ:
レコンさん、あなたは、
わたしのような小さい妖精をつれたプレイヤーさんを、
どこかで見かけたことはありませんか?
ユイ:
そういう話をサクヤさんにしたと
うかがったのですが……。
レコン:
ああ、そう言えば、そんな話をしたっけ……。
ユイ:
やりましたね!
あなたの探し人は、アルンで見つかるかもしれませんよ!